2012年3月3日 (土) 掲載

◎ハーフマラソン 定員倍増4000人…函館市教委方針

 函館市教委は、今年9月に開催予定の函館ハーフマラソン大会の参加定員を昨年の2000人から4000人に倍増する方針だ。コースは変更せず、実業団などで活躍する選手を招待しないことで経費の負担増を抑える。近年急増する一般ランナーにより門戸を広げた市民マラソンを目指し、今後のフルマラソン化に向けた検討も本格化させる。

 大会は道南陸上競技協会や函館市などの主催で1991年に始まり、今年で22回目。開催当初は600人規模で始まったが、マラソン人口の増加に伴い2008年に1600人から1800人に、昨年は2000人と年々拡大してきた。

 市教委によると、参加者は先着順で打ち切りとなるため、申し込み希望者は未知数だが、昨年の大会では募集開始からわずか3日間で定員枠が埋まる人気ぶり。募集締め切り後、市には希望者から「何とかならないか」との苦情も相次いだ。

 昨年までは招待選手が12人出場していたが、今回からは招待せず、選手や監督らの旅費や記念品などの招へい経費約300万円を運営費に回す。昨年11月の市の「事業仕分け」でも補助金の削減に向け「招待選手を減らすべき」と、改善を求める委員が大勢を占めた。

 市教委では、招待選手の代わりに現役を引退した選手など「ゲストランナー」を1人招く計画だ。市教委は新年度予算案に開催補助金として2000万円を計上。定員は倍増した一方、補助金は昨年度予算に比べて200万円の増加に抑えた。

 今年は9月30日に開催し、6月に募集を始める予定。コースは変更しないが、現在2時間40分に設定しているレースの終了時間を10分延長する。市教委は「道南以外からの参加者は前日に宿泊するケースがほとんど。経済波及効果も期待できる」とし、スポーツコンベンションとしての観光振興にも期待している。

 今後は実行委内にフルマラソン化に向けた検討部会を設置し、ハーフとフルの同日開催や近郊との連携など協議を進める。道南陸協の岡部寿一理事長は「招待選手は大会の見どころの一つ。一緒に走りたいランナーもいるし、記録が下がるのでは」と競技性に懸念を示したうえで、「次の世代の若手が多く出場することで、さらなる普及につなげていきたい」と話している。 (森健太郎、小林省悟)



◎七飯町予算案 2.8%減の91億4000万円

 【七飯】七飯町は2日、2012年度の予算案を発表した。一般会計総額は前年度当初比2・8%減の91億4000万円で、5特別会計と水道事業会計を合わせた総額は165億8102万円となった。6日開会の町議会定例会に提案する。

 会見で中宮安一町長は、東日本大震災を教訓とした防災体制の見直しが急務とし、自らの公約に掲げ、13年度までの着手を明言していた図書館建設の先送りを表明。「消防庁舎の建て替えや、七飯中学校の耐震化、老朽化が著しい大中山小学校の土地利用構想の作成を進める」と述べ、公共施設の改修を優先するとした。

 一般会計の主な歳入は、町税が町民税の増額分と固定資産税の減額分がほぼ同額で、全体では微増の24億9139万円を見込む。地方交付税は5000万円減の30億8000万円。実質的な歳入不足を補うため、財政調整基金から約3億4000万円を繰り入れるなど、基金からの入金は5億3081万円。町債発行額は4億5610万円とした。

 歳出では、民生費が子ども手当の減額などで同7013万円減の28億650万円、土木費は鳴川団地建設や総合公園整備事業の終了で、2億2500万円減の11億1975万円。公債費は10億4335万円で、12年度末の起債残高は95億2297万円となる見通し。

 主な事業では、合併処理浄化槽設置補助事業の対象者を一般住宅から事業所にまで拡大し、補助上限は3000万円とし、5332万円を計上した。観光振興では、5カ国語に対応したプロモーションDVDを製作する。また、企業立地促進条例を改正し、補助上限を2000万円から1億円に引き上げ、企業誘致の促進を図る。

 建設事業では、住民からの要望が強かった町営温泉施設「アップル温泉」の露天風呂にあずまやを設置。藤城小学校の教員住宅建設工事費として2788万円、七飯中の耐震改修工事費には3023万円を計上した。(今井正一)



◎シネマ太陽函館「3D」導入

 函館市松風町2の複合映画館「シネマ太陽函館」は、デジタル3Dシネマシステムを導入した。15日から3次元立体映像の映画「STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス3D」を上映し、大勢の映画ファンに楽しんでもらう。

 同館では、2009年に公開された3D映画「アバター」の上映を開始したころから「3Dで見たい」と要望があった。3D人気の高まりや、相次ぐ公開を受けて2月20、21日に休館して3D上映システムとデジタルシネマプロジェクターの設置工事を行った。同22日から全4スクリーンでデジタル上映を開始している。

 デジタル化により、従来のフィルムと比べて、より鮮明な映像を実現。字幕もくっきりしているなど、すぐに違いが分かるという。劣化もなく、フィルム交換などの作業効率も大幅にアップ。一番大きい102席あるシアターで鑑賞できる3D映画では、専用眼鏡の装着により、奥行きや飛び出すような立体感を味わえる。年内に「ジョン・カーター」などの3D映画7作品の上映を予定している。また、3D映画のみ通常料金に300円の追加が必要。

 同館の柳川桂子マネージャーは「画質の美しいデジタル上映と迫力が魅力の3D映画を楽しんでください」と来場を呼び掛けている。(柏渕祐二)


◎中部小の給食に「ドンコ」登場

 函館市戸井地区のドンコ(エゾイソアイナメ)の消費拡大に向け、函館中部小(沢田慶一校長、児童178人)の給食に1日、「ドンコ汁」が登場した。全児童が地元で捕れた旬の味覚を満喫した。

 市と函館市水産物地方卸売市場魚食普及協議会(会長・松山征史函館魚市場社長)の主催。地元函館での消費が少ないドンコを広く知ってもらい、地場産の消費拡大につなげる狙い。

 給食に先立ち、戸井漁協の高橋一郎常務理事がドンコについて説明。「深い海からあがってくるので、見た目はグロテスクだが、食べるとさっぱりしておいしい。戸井ではマグロやカレイよりもうまいと言われる」と紹介。「ドンコを食べておいしいと思ったら、料理を作って、とお母さんにねだってください」と呼び掛けた。

 この日はドンコのすり身が入った汁のほか、牛乳、ちらしずし、ブドウゼリーがメニュー。4年生のクラスでは28人が一斉に熱々のドンコ汁をほお張った。佐藤涼奈君(10)は「身が柔らかくておいしかった。また給食で食べてみたい」と笑顔を見せていた。(山崎大和)