2012年4月1日 (日) 掲載

◎神山児童館オープン

 函館市が神山町241に整備した神山児童館が完成し、31日に開館記念式典が開かれた。市の整備計画(1997年から10カ年)の最後に建設された児童館で、市内26カ所目。建設を待ちわびた地域住民らが完成を喜んだ。2日から利用を開始する。

 市内で唯一、児童館未設置地域だった神山・陣川地域では、地域住民が長年にわたり整備を要望していた。財政状況の悪化などの理由で計画期間内に建設できず先送りとなっていたが、2010年にようやく具体化し、昨年9月に着工した。

 完成した児童館は神山小のそばにあり、建物は鉄骨造り平屋、延べ面積478平方メートル。建設費は総額2億3327万円。

 バスケットボールのゴールを設置した遊戯室や集会室、児童用書籍や絵本などをそろえた図書室、乳幼児専用室、地域交流室、創作活動室を設けている。

 児童や生徒の放課後活動の他、地域の母親クラブの活動拠点、3世代交流の場として利用される。児童館独自の行事も行っていく考えだ。

 同児童館で行われた会館式典には来賓や町会役員、同小の児童、保護者ら約200人が参加。入り口前でテープカットが行われた後、式典が行われ、工藤寿樹市長が「子どもたちの学びの場、育ちの場の拠点ができたことは有意義。地域に長く愛される児童館になるよう祈念しています」とあいさつ。続いて、市議会の板倉一幸副議長が「地域からの建設の要望を受けて以来、実現に向け取り組んできた。長年の思いが実り感慨深い」と述べた。

 児童を代表し、同小6年の杉山誠実君(11)が「これからみんなで約束を守って仲良く楽しく利用したい」とお礼を述べた。式後、もちつき行事が行われ、来場者に汁粉が振る舞われた。同児童館の館長を務める佐藤良一さん(63)は「地域の人たちと一緒になって児童館運営に取り組んでいきたい」と話した。(鈴木 潤)



◎知事が太平洋セメントにがれき受け入れ正式要請

 【北斗】東日本大震災で発生したがれきの広域処理をめぐり、高橋はるみ知事は31日、民間企業として受け入れ先に浮上している太平洋セメント上磯工場(北斗市谷好)を訪れ、同工場に対し受け入れてもらえるよう口頭で正式に要請した。市の同意も必要として高谷寿峰市長とも会談、協力を求めた。知事ががれき処理で直接要請に出向くのは今回が初めて。同工場は国や道の主導で準備が整えば、受け入れに前向きな検討をする意向だ。

 同工場は、従来からセメント製造過程で廃棄物を原材料や燃料として使用していることから技術的には可能として、国や道からの正式要請があれば、前向きに受け入れを検討する意向を示していた。岩手県で発生した災害廃棄物のうち、木くずを受け入れ、焼却灰をセメント生産に利用するとみられる。

 知事は、神長俊樹工場長の案内でセメント工場内の設備や装置などを視察。知事は「工場長に対し、受け入れを前向きに検討してほしいと口頭で要請した。(放射性セシウム濃度など)安全性の確保が何よりも重要であり、地元の理解がないと、この話は前に進まない。道の力添えがほしいという話があった」と述べた。

 また、「(受け入れに対する)地元の理解をいただくためには市長、市役所、議会の協力が必要。住民の理解を得るために道と市が連携してしっかりと進めていきたい」と意欲を示した。

 高谷市長は「市への協力要請は真摯(しんし)に受け止めている。住民に理解をいただかなければならないデリケートな問題で、太平洋セメント、市、道が連携を深め、議会、団体とも相談し慎重に丁寧に検討したい」と述べた。「(処理計画ができて)説明できるようになれば、住民への説明機会もつくっていかなければ」とも話した。

 知事は同工場視察後、JR渡島大野駅も訪れ、建設工事が進む北海道新幹線新函館(仮称)駅について説明を受けた。その後、空路で奥尻町入り、エネルギーの地産地消に向けたモデル事業も視察。1日まで同町に滞在する。(山崎大和)



◎七飯スノーパークが今季の営業終了

 【七飯】七飯町にあるスキー場「函館七飯スノーパーク」(東大沼666、佐川孝義支配人)が31日、今季の最終日を迎え、町内外から愛好者約250人がスキーやスノーボードを楽しんだ。函館近隣の主なスキー場は同日までに今季の営業を終えていて、道南のスキーシーズンは終了した。

 同スキー場は今季、昨年12月17日に開場。当初、3月25日の閉場を予定していたが、記録的な大雪でゲレンデに積雪が十分残っていたこともあり、31日まで延長した。

 最終日は曇天で、湿った雪が降るあいにくの天候だったが、ゲレンデコンディションは山頂付近の積雪が180aと良好。

 来場者はスキーやスノーボードで自在に滑降し、心地よい風を受けながら今季最後の滑りを満喫した。センターハウス内では、常連客が帰り際にスタッフに「今季はお世話になりました」とあいさつする光景が見られた。

 シーズン中、ほぼ毎日、来場したという函館市の泉昭司さん(58)は「きょうも良い滑りができ、今季は十分楽しんだ。この雪の量で終わってしまうのはちょっぴり残念」と話していた。(鈴木 潤)


◎再会を誓い、福島の子どもたちが帰郷

 【七飯】「ふくしまキッズ春のプログラムは、大沼ふるさとの森自然学校(町東大沼294、流山温泉)で修了式を行い、子どもたちが福島県に帰郷した。1週間の思い出を写真で振り返り、ボランティアの学生らに見送られ、笑顔と涙で夏の再会を誓った。

 滞在中の写真をまとめたスライド上映の後、「子どもを守ろうプロジェクト協議会」の宮本英樹さんが子どもたちの代表者に修了書を手渡した。宮本さんは「みんなのことを世界中が応援している。福島に戻った後は大変かもしれないが、困難に立ち向かう前に休むことが大事。夏も北海道に来てもらいたい」と話した。

 また、総括責任者の上田融さん(NPO法人ねおす理事)は「難しいと思っていたフィールドトリップをやり遂げて帰って来た。頭と体にものすごく良い力がたまっていると思う」と成長をたたえた。

 子どもたちは別れを惜しんで泣き出したり、夏の再会を笑顔で誓いながら、スタッフのアーチをくぐり、バスで大沼を後にした。今回が初参加だったいわき市の露木光君(12)は「北海道は初めてで、ホームステイ先で英語ゲームをしたりして楽しかった」と話していた。(今井正一)