2012年4月13日 (金) 掲載

◎厚沢部町国保病院 常勤医に熊谷さん赴任

 【厚沢部】昨年9月から欠員となっていた厚沢部町国保病院(南田英俊院長)の常勤医に熊谷展国さん(46)が赴任し、副院長に就いた。医学博士で麻酔や救急医学を専門に総合的な診療に当たり、「個々の患者の思いを汲んだ医療を心がけ、職員とも意思疎通を図っていきたい。世間話から診療相談と心を通わせ、信頼を築きたい」と話している。

 同病院は町内で唯一の医療機関。副院長の不在期間、常勤医は南田院長のみで、通常の診察に加え、各種健診や予防接種などをこなし、負担増が懸念されていた。外科、内科と総合的な医療に携わる熊谷医師の着任に、町や病院関係者は「町民の待望で地域医療の充実に弾みがつく」と歓迎している。

 熊谷さんは東京生まれで、東京医科大卒。この春まで市立根室病院に勤務していた。道南での生活は初めてで、「厚沢部に来たときは雪の多さに驚いたが、豊かな森林の街並みにほっと心が落ち着いたのを覚えている」と語る。厚沢部での医療環境については「看護師ら優秀なスタッフがそろっており、これからもっと国保病院を活用してもらえる力添えになれれば」としている。

 道内では麻酔専門の医師が不足しており、今回の熊谷医師の赴任は道南の医療界においても朗報。国保病院は「道立江差病院や函館などの病院とも連携を深めることができるはず」と話す。南田院長は「熊谷医師は厚沢部だけにとどまらず、道南における医療充実において宝のような存在」と期待する。渋田正己町長も「熊谷医師の人懐こい笑顔と性格に町民もすぐ心を打ち解けてくれるはず。厚沢部で長く勤務したいと言ってくれているので本当にありがたい」と歓迎の様子。

 熊谷さんは「チームワークを大事に国保病院の存在意義を意識して日々臨みたい」としている。(田中陽介)



◎滞納微収額 過去最高…渡島桧山地方税整理機構

 渡島・桧山地方税滞納整理機構(管理者・大森伊佐緒木古内町長)の2011年度最終実績は、徴収額が前年度より1992万円増の1億3954万円、徴収率が同6.78ポイント増の49.37%となり、いずれも過去最高となった。1億円を超えたのは7年連続で、同機構は「本年度も前年度の徴収実績を上回るよう、職員一丸となって取り組んでいきたい」としている。

 11年度は、函館市を除く渡島・桧山管内17市町から282人(法人を含む、前年度比2人増)、2億8262万円(同1478万円増)の滞納整理を引き受けた。内訳は国民健康保険税53.92%、個人住民税33.65%、固定資産税11.98%、その他0.45%。

 徴収額1億3954万円の内訳は、差し押さえが3724万円、納税誓約納付額が4158万円、任意(自主)納付が6072万円。

 差し押さえは188人から計623件(預貯金382件、給与34件、生命保険153件、その他54件)、回収額は3724万円。

 差し押さえ動産159点(6人)は、インターネット公売で売却し、約39万円を回収したほか、うち2人については現金も差し押さえた。本年度は初めて不動産(土地、建物)1件の通常公売が成立し、売却額約157万円を税に充てた。

 納税誓約は89件で計5764万円。年度内納付が41件、誓約中が38件、不履行が10件あった。

 市町が滞納者に「今後は機構が徴収業務を行います。徹底した徴収が行われます」と通知した後に納税があった事前予告効果額は1億173万円で、機構処理効果額1億5618万円と合わせた効果額合計は2億5791万円。市町の負担金3934万円に対し、6.55倍の効果額となった。

 同機構は「徹底した財産調査と早期滞納処分を行っていることが、徴収額の確保に効果を上げている。昨年の東日本大震災や経済情勢の悪化などを受け、今後は一層の取り組み強化が必要」としている。 (山崎大和)



◎震災がれきの広域処理 町会連に経過報告…北斗市 

 【北斗】東日本大震災で発生したがれきの広域処理にかかわり、北斗市は12日、市総合文化センターで町内会長らに経過を報告した。市は、太平洋セメント上磯工場で早急に処理が始まるような具体的な動きは現段階でないとし、同社と道、市が連携した中で全体の処理計画をまとめた後に、全市を対象に住民説明会を開催するとした。

 説明は、同日開かれた町会連合会(磯部正博会長)の本年度総会終了後の席で行われ、市内86町内会のうち、63町内会から町内会長ら役員約70人が出席。市環境課の出口弘幸課長が報告した。

 出口課長は、一連の経過として、同社から3月14日に「仮に処理に向けた準備を進めても相当の期間を要する」との説明を受けたとした。また、同19日には道から、▽木くずをセメント製造の原料・燃料として利用し、製品は被災地の復興材として活用▽がれきは被災地で破砕し、JR貨物、トラックでコンテナ輸送▽経費は国に求める—との説明があったとした。

 この上で、同社で可能な処理量の検討など、全体の処理計画が必要であるとし、同社と道、市の3者が連携して取り組むことを強調。出口課長は「市民理解を頂かないとならない非常にデリケートな問題。市議会とも相談し、町会連合会はじめ、農協、漁協など産業団体の意見も聞かなくてはならない。丁寧、慎重に検討を重ねていきたい」と述べた。 (今井正一)



◎電動自転車レンタル あすから今季営業

 函館観光の新たな移動手段として3年目を迎える、電動アシスト自転車のレンタル事業「はこりん♪」の営業が14日から始まる。今季は営業時間を拡大し、午前中の利用割引やお得な定期回数券も導入。坂のまち・函館の新たな足としてさらなる需要の掘り起こしを狙う。

 はこりんは、函館市や函館商工会議所などでつくる北海道新幹線新函館開業対策推進機構が取り組む観光振興策の一環。貸し出す電動自転車はロワジールホテル函館(若松町)に6台、地域交流まちづくりセンター(末広町)、ホテルネッツ函館(本町)に各4台を配備している。

 今季は、営業時間が昨年までより30分早い午前9時からとなり、繁忙期の6月1日〜8月31日までは午後7時までと通常より1時間延長。さらに利用客や委託先などからの要望に応え、正午までの最大3時間を500円で利用できる「朝割」も始める。

 また、利用が少ない4〜6月と10〜11月には、まちづくりセンターとホテルネッツ函館の2カ所限定で、1500円のパスで5日分利用できる「はこりん♪パス」も開始。1枚で同時に複数人の利用はできないが、1日当たり300円と公共交通機関より安い価格設定で、地元住民や長期滞在者など新たな利用促進を図る。

 昨年は貸し出す自転車の場所や台数を増やし、初年度(6〜11月)より393件増の1079件の利用があった。一方、通年の稼働率では震災の影響もあり、37・6%と、初年度の57・2%より20ポイント近く落ち込み、さらなる需要のてこ入れが課題となっていた。

 同機構は「観光客だけでなく地元の方にも気軽に利用してもらい、エコで駐車場所に困らない使い勝手の良さを体感してほしい」とPRしている。貸出期間は11月4日まで。料金は4時間まで800円、1日1500円。予約、問い合わせは各貸出窓口へ。(森健太郎)



◎もりまち桜まつりに来て…キャラバン隊が渡島総合振興局でPR

 森町の青葉ケ丘公園とオニウシ公園で5月3〜20日に開かれる「もりまち桜まつり」(実行委・森観光協会主管)のキャラバン隊が12日、函館市美原の渡島総合振興局を訪れた。中西猛雄局長に一足早く咲かせたサクラの花を手渡し、「大歓迎でお待ちしています」と熱烈なラブコールを送った。

 同まつりは今年63回目を迎える同町の一大イベント。両公園合わせて1500本のサクラがあり、見ごろは13日ごろになりそう。

 キャラバン隊は、野村洋町議会議長や松田勝利森観光協会会長、手代木(てしろぎ)惇森町観光ボランティアガイドの会会長ら計10人。

 菊地順子さん(30)と谷川友美さん(26)が、中西局長にサクラとイカ飯を贈呈した後、野村議長が「今年は寒さがきつかったので開花がずれ込むのでは。大型連休明けには満開になると思う。ぜひおいで願いたい」とあいさつ。松田会長が、期間中に行われるHBCラジオ公開生放送(13日)などイベントをPRした。手代木会長が「百年桜」「森小町」「堀井緋桜」など森のサクラの特徴を紹介し、塩漬けの花びらをカップのお湯で振る舞うサービスも毎年好評と売り込んだ。

 中西局長は「ぜひおじゃましたい」と応じ、道央道の森IC(インターチェンジ)が昨年11月に開通後、初のまつり開催で道央圏からの集客に期待を寄せた。

 キャラバン隊は19、20両日には札幌でPR活動を行う。問い合わせは森観光協会TEL01374-2-2432へ。(山崎大和)