2012年4月16日 (月) 掲載

◎キリストの復活 真夜中の祈り…函館ハリストス正教会

 函館市交通部は14日、明治期の路面電車を復元した「箱館ハイカラ號(ごう)」の今季の運行を始めた。春の青空が広がる中、レトロな車体が函館の街並みをのんびりと走り抜け、本格的な観光シーズンの幕開けを告げた。

 ハイカラ號は1910(明治43)年に千葉県で運行を開始。18〜36年まで客車として市内を走った車両を除雪用のササラ電車に改良した。92年の市制施行70周年を記念して台車をそのままに復元され、93年から観光シーズンに運行している。

 レトロな制服に身を包んだ専属運転士の山川武士さん(39)と車掌の滝下恵さん(23)を乗せた一番電車は午前9時ごろ、駒場車庫を出発。西部地区では異国情緒漂う景観に赤を基調とした車体がとけ込み、観光客らがカメラを向ける姿もあった。

 第1便には市交通局OBで、ハイカラ號の乗務経験もある元運転士谷秀勝さん(74)も乗車。「音や揺れは昔のままで、いよいよ函館にも春が来たという感じがする。吹きさらしの運転席は函館山に雪が残るうちは寒いんだ」と懐かしんだ。

 運行は10月31日まで。一般の市電と同じく湯の川—函館どつく前などを1日4往復する。毎週火・水曜や荒天時は運休。問い合わせは同部事業課(電車担当)TEL0138-52-1273。(森健太郎)



◎駒ケ岳・大沼観光 安全願う

 【七飯】春の観光シーズンの到来を告げる「駒ケ岳・大沼湖水安全祈願祭」が15日、大沼湖畔の駒ケ岳神社で行われた。七飯大沼国際観光コンベンション協会や、駒ケ岳周辺3町関係者、地元住民ら約50人が参列。同神社周辺にも雪が残り、湖面の氷も完全に解けなかったため、湖水開きは中止となったが、1年間の駒ケ岳の鎮山、大沼の平穏、観光振興を祈願した。

 祈願祭は例年より2週間早めて実施。七飯町の中宮安一町長、森町の佐藤克男町長、鹿部町の高橋利之副町長ら3町関係者をはじめ、冨原亮道議、横田有一七飯町議会議長、国や道の関係者らが参列。三嶋神社(町本町)の水嶋恵嗣宮司が神事を執り行い、玉ぐしをささげた。

 中宮町長も「この冬ほど、春が待ち遠しいことはなかった。今年は夏が暑くなり、四季がはっきりとした1年となり、たくさんの観光客に来てもらえると確信している」とし、佐藤町長は「七飯、森、鹿部が一体となって有数の観光地大沼を全国に知らせたい」と述べた。また、冨原道議は「大沼のラムサール条約登録や、南茅部、森町の縄文遺跡の世界遺産登録の動きもある。一層多くの人に注目される可能性にあふれている」と述べた。

 同協会の渡辺邦浩会長は「遊覧船の準備や、漁協ではワカサギの卵の放流が近く行われ、大沼の観光シーズンの幕開け。29日には清掃活動を実施して、きれいな大沼にしてゴールデンウイークを迎えたい」と話していた。 (今井正一)



◎在宅高齢者を美容師が訪問

 函館市社会福祉協議会(市社協、奥野秀雄会長)は本年度から在宅福祉ふれあい事業のサービスとして「訪問美容」を新たに加えた。函館美容業協同組合(永井龍剛理事長)と提携し実施するサービスで、同組合加入の美容師を利用者宅に派遣し施術する。市社協は「新たな利用者の掘り起こしに期待したい」としている。

 これまでは理容師による「訪問理容」があったが、提供サービスは調髪、顔そりに限られていた。美容師派遣の要望も多かったことから、市社協と同組合が協定を結び、訪問美容の導入を決めた。

 訪問美容は、従来の訪問理容に準じて実施。対象は病気や心身の障害で寝たきりとなっている在宅の高齢者が主で、市内各地で組織されている在宅福祉委員会の申請に基づき、市社協が認定をする。

 利用料金は通常3500円だが、年間4回までは市社協が1回あたり1500円分を助成する。サービス内容はカットとブローで、これ以外のサービスを希望する場合は別途料金がかかる。

 同組合は道美容業環境衛生同業組合の訪問美容の資格を取得した約60人の組合員を、委員会の要請に応じて随時派遣する。 函館美容業協同組合は昨年秋ごろから訪問美容師の養成講座を開催しており、市社協の事業以外の訪問美容も今後展開していく考え。組合として訪問美容の教科書を作成中で、6月以降には資格取得者対象の実習を行い一定水準以上の技能習得者を養成していく。

 永井理事長は「年老いても豊かな心でいられるよう、利用者の生活の質(QOL)維持、向上の手助けをしていきたい」と話している。 (鈴木 潤)



◎仏料理の名店 3カ月限定復活

 函館市白鳥町17で昨年まで営業していた人気フランス料理店「イリュージョン」が、4月末から約3カ月間の期間限定で復活する。オーナーシェフの岩城浩司さん(61)は「函館への恩返し。お客さんに内容の濃い料理を出していきたい」と、1カ月ごとにテーマを設定したコース料理を提供する。

 函館出身の岩城さんはパリや東京の有名ホテルで腕をふるった後、2001年に地元に戻って開店。本格派フレンチが気軽に楽しめるとあって人気を集めていたが、妻が経営する輸入雑貨店を手伝うため、昨年9月で店をたたんでいた。

 閉店後は東京に拠点を移して雑貨店業務に専念していたが、業務が落ち着き、時間的に余裕も出てきたことから、期間を区切っての再オープンを決めた。「店を閉めてからすぐ東京に行ったが、お客さんから問い合わせの電話が多く、店まで来てくれる人もいてうれしかった」(岩城さん)。

 08年には北海道洞爺湖サミット開催に合わせ、1982年に開かれた仏ベルサイユサミットで各国首脳が味わった料理を再現し、話題になった同店。今回の再開にあたり、通常2万円するコース料理を1万円、6000円のコースを3000円(ともに税別)で提供する。

 1カ月ごとにテーマを決めた企画を用意し、4〜5月はかつて総副料理長を務めた「ホテルニッコー・ド・パリ」で生み出した料理を振る舞う。6月はベルサイユサミットから今年で30周年を迎えることに合わせて同サミットのメニューを再現(1万円コースのみ)。7月は「ありがとうさようなら ラストチャンスイリュージョン」と銘打ち、これまでの料理の中で好評を得た品々をピックアップする。

 営業は昼10人、夜10人の完全予約制。岩城さんは「できるだけ直接お客さんと接し、潤いのある料理を出したい」と張り切っている。営業は昼の部が午前11時〜午後2時、夜の部が午後5〜10時。TEL0138・40・3703。 (千葉卓陽)



◎手づくり雑貨ずらり

 函館市内や道南で活動している手芸作家が集う「だいもん手づくり雑貨市」が15日、函館市若松町のDスペースで開かれた。さまざまなジャンルの手づくり作品が所狭しと並び、来場者の目を楽しませた。

今年3月末までWAKOビルで営業していたアンテナショップ「たまて箱」に出店していた作家と、同店に勤務していた菊池聡子さんが中心となり、「作家の活躍の場を作りたい」(菊池さん)と初めて開催。22店舗が出店した。

出店者の大半が女性で、会場にはハンドメードのスイーツや雑貨、漫画、衣料品などがずらり。来店者は作家との会話を楽しみながら、商品を購入していた。

市内で活動する竹沢マリアさんはフォトフレームやハンドバッグなどを並べ、「出店場所が増えてありがたい。競い合っているので、作品のクオリティーが上がっている」と笑顔。菊池さんは「今後も作家同士のつながりができれば」と話していた。 (千葉卓陽)