2012年4月2日 (月) 掲載

◎陣川あさひ町会、Jバス運行開始

 地域の住民が買い物や通院・通学などに使う函館市陣川町の陣川あさひ町会(西川孝一会長)のコミュニティーバスが1日、運行を始めた。行政の補助金を一切受けずに、地域の町会が生活の足を自ら確保する新たな試みで、初日は無料運行とあって第1便はほぼ満員。全国で縮小傾向にある地域交通の維持に一筋の光となるか、注目される。

 その名も「陣川あさひ町会バス(通称・Jバス)」。地域住民が「オーナー兼利用客」という「全国でも珍しい取り組み」(道運輸局)だ。当面は1年間の試験運行だが、函館バス(高盛町、森健二社長)と運行委託契約を結び、大型バスで平日に1日7便、土日、祝日に3便運行する。

 少子高齢化の進展に伴い、同町会は「地域の足は、地域で確保しよう」と、定期券収入などで財源を賄う自力運行を計画。市や函館バスと昨年から協議を重ね、毎月の委託料60万円から逆算し、月2500円の定期券や、2カ月有効で15枚3000円の回数券を設定した。

 運行前にサンクス陣川店前で行われた出発式には約70人が参加。西川会長は「住民の熱烈な思いがすごいパワーになった。力を合わせて成功させよう」とあいさつ。森社長も「路線バスが苦戦する中、今後の方向性へのヒントとなる画期的な試み」と述べ、最後に関係者でバスの除幕や記念撮影を行った。

 式典では神山小新6年の松本亜夏里さんが考案した「神山サンクス前」の新設バス停のデザインも発表。初便はお年寄りから子どもまで約60人が乗車し、約30`のルートを約50分かけて回った。1周を巡回する人や早速途中のスーパーで乗降する人も。車内では町会役員の女性が定期券や回数券を熱心に売り込んだ。

 乗車した金沢紀子さんは「長年の待望だった大型スーパーに1本で行ける路線。便利になって出かける機会も増えそう」と上機嫌だった。これまでの定期券の販売額は約38万円で、採算ラインの約7割。今後は3カ月ごとに運行するコースや時刻などを検証する。(森健太郎)



◎新年度スタート、各所で屋外イベント

 記録的な大雪に見舞われた道南もようやく4月を迎え、1日は各所で屋外イベントが盛んに行われた。函館市では梁川交通公園(梁川町24)が開園を迎えたほか、千代台公園テニスコート(千代台町27)もオープン。江差町では開陽丸青少年センター(姥神町1)が今季の営業を開始した。函館市はこの日、最高気温が5・7度と3月中旬並みの肌寒い天気となったが、子どもたちの元気な声が響いた。(山崎純一、後藤 真、田中陽介)

  オープンを迎えた梁川交通公園には、親子連れら約160人が来園。大雪の影響でオープン直前まで雪が積もっていたが、3月末の暖気と職員総出による除雪でゴーカートの通路の雪を取り除き、開園にこぎつけた。

 市内中道から家族3人で来園した山本直樹さん(39)の息子、翔大ちゃん(3)は「一人で運転できて楽しかった。またゴーカートに乗りたい」と話していた。

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 スポーツシーズンも到来した。千代台公園テニスコートでは高校の部活動などが利用。生徒たちは冬期間屋内で活動していたため、待ちに待った屋外コートでの練習に精を出していた。

 函館西高校硬式テニス部の女子主将、千田愛実さん(3年)は「冬はずっと体育館などで練習してきたから、伸び伸びと練習できて気持ちいい」とうれしそうに話す。

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 一方、五稜郭公園では堀の周囲(約1・8`)にある歩道の雪がなくなり、ランニングやウオーキングの愛好家たちが、待ちわびた“シーズン・イン”を楽しんでいた。

 堀はまだ凍結しており、冷たい風が吹くコンディションだったが、来園者はそれぞれのペースで体力作りに励んでいた。市内中道の主婦、前田陽子さん(27)は「2週間前は雪解けで歩くことも難しいぐらいの地面だった。早く暖かくなり、サクラのつぼみが膨らんでいくのを楽しみにしたい」と話していた。日本気象協会道支社が先月28日に発表した同公園のサクラの開花予想は、平年より4日遅い5月4日となっている。

 また例年4月1日に開通する立待岬へ通じる市道は、路面凍結の影響でゲートオープンは延期されている。

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 江差町の開陽丸青少年センターでも青空の下、海の見える敷地内の公園で子どもたちの歓声が響いた。管理棟では14日から特産品売り場を設け、5月3日には連休イベントを予定。今季から入館料を値下げし、大人500円、小中高生250円、小学生以下無料となっている。

 町内の阿部幸果(こうか)さん(9)、幸世(ゆきよ)さん(7)姉妹は級友と訪れ、「公園の遊具が面白くて春休みのいい思い出になった。家で漢字と算数を勉強しているので、学校が始まっても大丈夫」と声を弾ませていた。

 



◎ホテル&リゾート函館“船出”、「湯の川グランド」新装

 青森県を中心にホテル・旅館などを運営するイマジン(青森県弘前市)は1日、函館市湯川町3の旧湯の川グランドホテルを「イマジンホテル&リゾート函館」としてリニューアルオープンした。3月31日にはこれに先駆けて、新設したチャペルで1組目のカップルが挙式を行った。

 同社は同施設を2004年に取得。地元に定着した名称であることから名称を変更せずに運営してきたが、今回、津軽海峡に近接した立地を生かし、洋風リゾートとして再スタートを切った。館内改装も行いチャペルを新設。披露宴会場は約200人までの大きなタイプと、少人数にも対応するタイプを用意。多様なニーズに応える。

 31日に挙式を行ったカップルは、函館市内の紙谷匡司さんと川村歩さん。海を眼前に望むチャペル・セントアクアベールで、親族や友人の見守る中、感動の挙式を行った。

 ウェディング予約は、人気の高い土曜日夜は11月まで既に埋まるほどの人気ぶり。日曜日も昼間を中心に予約が順調という。同ホテルの木村要副支配人は「景色が良い施設なので昼の挙式がおすすめです」と話している。(斎藤まや)


◎道南ゴルフ場、大量の雪でオープン遅れる

 記録的な大雪の影響で、函館市内・近郊のゴルフ場では依然、コース上に大量の雪が積もっている。例年に比べてオープン日が2〜3週間遅れるなど、各ゴルフ場の春はまだ先のようだ。関係者は「一日でも早く楽しんでもらえるよう準備に取り組んでいる」と話している。

 函館パークカントリークラブ(函館市東山町185)では大型の除雪機を使い、準備を進めている。例年は3月中旬にオープンしているが、今年は4月10日前後と予想。予約やオープン日を確認する300件以上の問い合わせがあるという。同クラブは市街地から近く、フラットで広いフェアウェイが特徴。幅広く楽しめるコースが人気を集めている。年会費を1万5000円から9800円に下げるなど、親しみやすいゴルフ場を目指す。

 担当の斉藤巌さんは「大型の除雪機の導入と標高の低さでいち早くゴルフを楽しんでもらえると思う。誰もが親しめるゴルフ場なので、ぜひプレーしてください」と話している。

 例年の倍以上、120aの積雪がある大沼レイクゴルフクラブ(森町赤井川252)も融雪剤をまいて対応する。コースはほとんど雪で埋まっているため、昨年より2週間遅れの4月12日前後にオープンする予定。駒ケ岳を望むロケーションと乗用カートでほとんどの場所まで移動できるコースが魅力という。同クラブは「平日は食事付きで6480円。また会員はたくさんの特典があるのでぜひお問い合わせください」と呼び掛ける。

 函館KGカントリークラブ(函館市東山町205)は、例年より1週間遅い、4月20日のオープンに向けて準備中。融雪剤散布のほか、大雪の影響から雪を割って芝上にたまった水を流す作業も必要と考える。芝の美しい状態と函館山や市街地を見下ろす絶景が売りで、担当者は「ウッドクラブを使わないノーウッドオープンなど多彩なお楽しみコンペを企画しています」と話している。(柏渕祐二)