2012年4月20日 (金) 掲載

◎「スイーツの会」アンテナショップ移転オープン

 道南の和洋菓子店でつくる「函館スイーツの会」のアンテナショップ「フラッグスカフェ」が19日、函館市若松町のロワジールホテル函館が入る「函館ツインタワービル」1階に移転オープンした。店内に甘い香りが漂い、ケーキやお土産品などを買い求める市民や観光客でにぎわった。

 アンテナショップは国の緊急雇用対策事業を活用し、2009年6月に開店。国の補助金が3月で打ち切りとなったため、同会の末広軒(北斗)と北島製パン(木古内)の2社で新会社「エイチエスケー」を設立し、松風町の電車通り沿いにあった店舗を移転して事業を引き継いだ。

 新店舗はJR函館駅から函館朝市に向かう通りの角地にあり、広さは約43平方b。店名には函館スイーツの旗艦店を意味する「フラッグス」を付け、飲食できる5卓10人分のカフェスペースを設けた。旧店舗で手薄だった生ケーキも常時15種類ほど並ぶ。

 同会会長でのエイチエスケーの佐々木博史社長(末広軒社長)は「3年後の新幹線開業をにらみ、ここからヒット商品を生み出したい。会員以外の商品も売り込んでいきたい」とPR。開店早々にロールケーキを購入した市内大森町の若松八重子さん(55)は「気軽に立ち寄りやすい立地で、これからいろんな種類の味を試したい」と話した。

 今後は店舗だけでなく、全国各地の物産展にも売り込み、ホームページを立ち上げて通信販売にも対応する予定。営業時間は午前8時〜午後6時。問い合わせは同店0138-21-1811。(森健太郎)



◎本年度コンベンション87件、参加予定者は最多の4万3800人

 函館国際観光コンベンション協会は、2012年度に函館市内で開かれる各種団体の大規模な会議や大会などコンベンション(市民向けを除く)の開催予定をまとめた。件数は前年度当初に比べて19件減の87件だが、参加人数では7383人増の4万3833人と、統計が比較可能な09年度以降では過去最多となり、地域への経済波及効果が期待される。

 調査は同協会が毎年行っていて、今回は1月中旬〜3月下旬までの間、市内約700の団体、組合などを対象にコンベンションの日程や規模、参加者数などを聞いた。イベント内容によって集計の対象範囲が変わるが、近年は実績ベースで年間100〜130件前後、参加規模も4万〜5万人台で推移している。

 本年度は、規模別では国内規模が41件、道内規模が39件といずれも昨年度に比べて減少したが、参加予定者数では、国内規模が2万7403人、道内規模が1万3840人と、いずれも昨年度を大きく上回る見通しだ。また、国内外から集まる国際規模は昨年度1件の予定だったが、本年度は7件、2590人と急増し、昨年の東日本大震災前の水準に回復した。

 主な大会では、今年8月30、31の両日に函館市民会館や市民体育館で予定されている「自治労第84回全国大会」が5000人の参加を見込み、市は「一つの団体の大会でこれだけの参加規模は近年では記憶にない」(コンベンション推進課)という。

 このほか、6月の「第31回全国城下町シンポジウム函館大会」(2000人)、10月の「表千家同門会全国大会」(1200人)、5月の「第9回北前船寄港地フォーラム」(1000人)、「日本地震学会2012秋季大会」(同)など、春から秋の観光シーズンに1000人以上の大規模な大会が目白押しだ。

 同協会などによると、昨年度は震災の影響で開催の中止や延期もあったが、実績ベースでは件数で125件、人数で5万8974人に上った。市の調査では2000人規模の大会では経済波及効果が1億5500万円との試算もあり、同課は「3年後の新幹線開業を見据え、観光資源をPRしながら誘致に努めたい」としている。 (森健太郎)



◎国際短編映画祭に「イカール星人」ノミネート

 函館の観光PR動画として、人気キャラクター「イカール星人」が登場する映像作品が、毎年6月に東京で開催される国際短編映画祭「ショートショートフィルム&アジア2012」の第3回「旅シヨーット!プロジェクト」部門に初めてノミネートされた。

 同映画祭は米アカデミー賞公認を受け、アジア最大級の短編映画祭として今年で14回目。同部門は日本の旅の魅力を20分以内の映像作品で伝え、観光振興につなげようと、同映画祭の実行委と観光庁が3年前に創設した。今回は全国から106本の公募作品が寄せられ、最終候補に10本が選ばれた。

 約3分のイカール星人の作品は、昨年6月に公開された「ハコダテ観光ガイド イカール星人襲来中!」シリーズ5作目となる「結集!函館の観光力」。函館侵略を企てるイカール星人に対し、五稜郭タワーや青函連絡船摩周丸にちなんだキャラクターたちが観光名所を防衛する—というストーリーに仕立てた。

 登場キャラには、南茅部地区で出土した国宝「中空土偶」がモデルの「ナショナルトレジャーヒーロー」や、過去の作品で一度は破壊され、復興を遂げた函館市役所も「SGS(スゴイ市役所)」として立ち上がった。ノミネート作品は日本の観光PRに向け、海外の映画祭やフェリーや空路などの国際線などで上映される予定。

 制作した企画会社シンプルウェイ(本通1)の阪口あき子社長は「函館で制作した作品が中央で評価されてうれしい。函館を知らない人の目に留まるきっかけになってほしい」と話している。ノミネート作品は6月中旬から東京や横浜など首都圏3会場で無料上映され、同24日の表彰式で最高賞の国土交通大臣賞が発表される。(森健太郎)



◎きょうから道内6都市でスタンプラリー

 函館市は20日から、札幌や旭川など道内5都市と連携して観光客誘致を目指そうと、各市の観光名所などを巡るスタンプラリーを実施する。昨年に続いて行うもので、前回から応募条件を緩和し、より参加しやすくしている。

 「北海道6都市スタンプラリー」と銘打ち、函館と札幌、旭川、釧路、帯広、北見の計6都市が参加して昨年初めて実施。6市が本年度予算に100万円ずつ計上し、旅行雑誌を発行するリクルート北海道じゃらん(札幌)に業務委託している。

 スタンプラリーは、携帯電話の専用サイトに登録し、1都市につき8カ所、計48カ所ある「スタンプポイント」を訪れ、GPS(衛星利用測位システム)機能を使ってサイト上でスタンプを獲得する仕組み。すべてのスタンプを獲得すると、抽選で6都市や近郊の温泉ペア宿泊券が当たる。

 昨年度は8月から今年2月まで実施したが、観光のオフシーズンと重なった上、6都市をすべて訪れる必要があったため、参加者が489人と伸び悩んだ。これを受けて本年度は2都市や3都市のスタンプだけでも商品が当たるようにしたほか、春・夏・秋の季節ごとの商品や、専用の台紙で応募する「ハガキ賞」を設けるなど、参加への間口を広げた。

 スタンプポイントは函館の五稜郭タワーをはじめ、大通公園・テレビ塔(札幌)、旭山動物園(旭川)、北の屋台(帯広)などが設定されている。函館市ブランド推進課は「今年はサクラの咲く時期からスタートできることが大きい。多くの道民に参加してほしい」と話している。

 スタンプラリーは11月30日まで。専用の台紙は市役所や各観光施設で配布する。携帯での登録はhttp://www.6toshi.jp/m。(千葉卓陽)



◎漫画「ワンピース」から経営学を学ぶ講話会

 人気漫画「ワンピース」から経営学を学ぶ講話会(函館商工会議所主催)が19日、同会議所(若松町7)で開かれた。会員ら10人が参加し、幅広い年齢層に愛読されている秘訣(ひけつ)から、企業経営のヒントを探った。

 ワンピースは主人公の少年「ルフィ」が海賊王を夢見て、仲間を加えながら財宝獲得を目指す海洋冒険物語で、単行本の発行部数が累計2億部を超える人気漫画。講師は「ワンピースはなぜ人の心をつかむのか」(KKベストブック)の著者、富田英太さんが務めた。

 富田さんは経営者に必要な要素が主人公に備わっているとし、「ルフィは海賊王になるという明確な目標があり、優れた理念力を持っている」と解説。その上で、「最終的な目標をしっかりと定め、それを見失うことなく手段を講じていくことが大切だ」と説いた。

 また人気の秘密は、共感を呼ぶ力であると分析。「今は売り込んでも成果を挙げにくい時代で、共感こそが現代マーケティングの必須要素だ」と持論を展開。その上で、「ルフィのように全力で目標を追いかけると仲間が増えてくる。みなさんも強い意志を持ちながら仕事に励んでほしい」と話していた。(後藤 真)