2012年4月23日 (月) 掲載

◎最多76店、バル街盛況 石巻からも

 函館市内の西部地区をスペインの伝統的な立ち飲み居酒屋「バル」に見立て、ピンチョス(つまみ)や酒をはしごして楽しむ「第17回函館西部地区バル街」(同実行委主催)が22日、同地区で開かれた。前回よりも11店多い過去最高の76店が出店。東日本大震災の被災地から、宮城県石巻市の「知産地賞の会」が元町のカフェ・ペルラで初出店し、人気を集めた。

 今回は市芸術ホール(五稜郭町)などで23、24の両日開催される世界料理学会inHAKODATEのプレイベントとして実施。

 22日は午後1時半から、末広町の市地域交流まちづくりセンター内の案内所で当日券を販売。400部ほど用意したが、販売前から100b以上の長い列ができ、40分ほどで完売した。

 同地区一帯は、市民や観光客でにぎわい、家族連れや友人同士のグループが5枚つづりのチケットとマップを片手にお目当ての店の食べ歩きを楽しんだ。着物の来場者に振る舞いサービスをする「きものdeバル」が行われ、和服姿で店を回る女性グループも見られた。

 今回、初出店した日本バーテンダー協会道本部函館支部は五島軒本店(末広町)で4種類のカクテルと特製スモーク・ロースト・ビーフをピンチョスとして提供。浜道工幹事長(41)は「人気のあるイベントに参加できて光栄。バーテンダー協会を多くの人に知ってもらうきっかけになれば」と話した。

 各所で音楽ライブやフラメンコのショーなど協賛イベントも繰り広げられ、午後6時すぎからは生ハムやフレッシュチーズなどの振る舞いサービスが行われ、客足を誘った。

 市内杉並町の加藤恵理さん(32)は「石巻の出店を知り応援の気持ちで券を買いました。初めてでしたが、にぎわいがあって素敵なイベント」と、友人とともに満喫していた。(鈴木 潤)



◎東北・道内の秋田犬55頭披露

 国の天然記念物である秋田犬の容貌を審査する「第90回東北・北海道総支部展覧会」(秋田犬保存会東北・北海道総支部主催)が22日、函館市若松町の旧クイーンズポートはこだて前広場で開かれた。道内、東北から集まった55頭がりりしい姿を披露した。

 「忠犬ハチ公」でも知られる秋田犬は、秋田県大館市発祥の日本古来の大型犬で、温厚な性格と美しい姿から全国数多くの愛好家がいる。同展覧会は東北、道内の13支部が持ち回りで開催している。

 この日は15頭が参考招待犬などとして披露され、審査には雄、雌のほか年齢で幼犬、若犬、壮犬、成犬に分けられた40頭が出場。審査員は頭や顔、足、背、尾などを細かくチェック。出番を待つ犬の鳴き声を聞きつけて集まった市民や観光客もおり「堂々として格好いいね」と見入っていた。

 秋田犬保存会北海道道南支部の平田敏春支部長は「秋田犬として立派な容姿を整えようとしてきた飼い主の苦労が評価される。朝市に近く、観光客も観覧に訪れるので、この展覧会が観光振興にひと役買えば」と話していた。(山崎純一)



◎「さくらえび天ぷら」召し上がれ、函館そばや友の会が季節限定メニュー

 函館市内のそば店で作る「函館そばや友の会」(佐々木武充会長)の8店が25日から、駿河湾(静岡県)の特産、桜エビを揚げた「さくらえびの天ぷらせいろ」(1食700円)を季節限定の共通メニューとして提供する。6月上旬まで。

 同会は2004年の発足以来、旬の食材を使ったオリジナルのメニューを定期的に考案している。

 「さくらえび—」は昨年春に続き2度目のメニュー化で、各店とも水揚げ後に急速冷凍し、直送された桜エビをかき揚げにし、冷たいそばとともに出している。

 淡いピンク色をした桜エビを、衣からあふれるほどふんだんに使用。各店自家製のつゆを付けて味わい、桜エビの豊かな風味と香ばしさとともにサクサクとした衣の食感を楽しめる。

 桜えびの他にアスパラやサツマイモなどを揚げるなど、共通メニューの中にも独自性を出している。

 佐々木会長は「この時期にしか味わえないメニュー。香り、風味抜群のサクラエビを堪能してほしい」と話す。(鈴木 潤)  8店は次の通り。

 東京庵支店(本通)、神山ふでむら(神山)、いがら志(柏木町)、東京庵本店(末広町)、丸京(豊川町)、かしわ屋(若松町)、長寿庵(中島町)、丸常長寿庵(亀田港町)


◎民謡・民舞道地区大会、自慢ののど競う

 日本民謡協会北海道道南連合委員会主催の「民謡・民舞北海道地区大会」が22日、函館市民会館(湯川町1)で開かれた。道内各地から民謡愛好家152人が出場。翁松の部は石島則行さん(道南・函館声浜会)、竹韻の部は鈴木寛義さん(道北・留萌会)、梅宴の部は柴田恵さん(道央・札幌久保田会)が優勝に輝いた。

 コンクールは70歳以上が出場する翁松、尺八で歌う竹韻、三味線で歌う梅宴の3部門がある。このうち総合優勝者と総合2位に輝いた人が来年、東京領国国技館で開かれる全国大会に出場でき、今回は総合優勝に鈴木さん、2位に柴田さんが選ばれた。

 この日は午前9時半から始まり、舞台に上った出場者が次々と練習の成果を披露。15歳から90歳代の出場者が審査員を前に、道南口説節や江差追分、十勝馬唄など三味線や尺八に合わせて熱唱し、郷土への思いをこめて歌声を張り上げていた。

 賛助では札幌邦賀会、北星会、函館民舞会などが出演し、大会を盛り上げた。(平尾美陽子)


◎縄文センター、入館3万人突破

 道内唯一の国宝「中空土偶」などを常設展示する函館市縄文文化交流センター(臼尻町)の入館者数が22日、3万人を突破した。昨年10月のオープンから約半年での達成となった。南茅部地区にある大船遺跡などの世界遺産登録に向けた機運を高める拠点として、本年度も縄文の魅力を伝えていく一方、集客策の工夫も求められる。

 入館者数は昨年、オープンからわずか2週間で1万人を達成。中空土偶をはじめ、南茅部地区91カ所の遺跡群で発掘された約1200点の土器や石器などが話題を呼んだ。

 観光閑散期となる冬期間は、市街地から遠い立地条件などもあり来場者が伸び悩んだが、オープン初年度は目標の2万人を上回る2万8048人を記録。常時開催してきた「土器づくり」や、定期的に行う「縄文の布づくり」などの体験講座も好評だった。

 2015年度の世界遺産登録を目指す「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の函館の魅力を伝える施設として、同センターへの期待は大きい。同時に中空土偶というブランド以外での集客策も課題の一つ。学び観光推進の核として、修学旅行生らを受け入れる環境整備の必要性も指摘されている。

 阿部千春館長は「中心部から離れていて建物も小さい中、半年での3万人達成は健闘といえる。世界遺産登録に向け、より縄文への関心を高められるよう頑張っていきたい。本年度は4万人以上が目標」と話している。(後藤 真)