2012年4月24日 (火) 掲載

◎世界のシェフ 函館に集結 海藻テーマに料理学会開幕

 国内外から気鋭の料理人が集う「第3回世界料理学会inHAKODATE」(実行委主催)が23日、函館市五稜郭町の函館市芸術ホールで開幕した。国内やアメリカ、スペインなどから料理人をはじめ研究者、料理記者ら34人が参加。24日までの2日間、「コンブ・海藻類」をテーマに掲げ、料理哲学や調理方法などを披露。初日は全体会で7人が発表し、開催記念パーティーも行われた。

 スペイン・バスク地方サンセバスチャンで開催されている料理学会を見習い、函館の料理人らでつくる実行委員会(深谷宏治代表)が企画し、2009年4月に初めて開いた。今回は10年9月以来1年7カ月ぶりの開催。

 初日は全体会が行われ、市民や関係者ら約500人が来場。冒頭、深谷代表が「この大きな会場でできたことは一生忘れないほどうれしい。料理人が料理をどう考え作るのか、哲学をじっくり聴いてほしい」とあいさつした。

 次いで「料理学会」の意義をテーマとしたオープニングトークの後、各料理人や研究者の発表が行われ、函館からは北大大学院水産科学研究院の安井肇教授は「マコンブとガゴメの生物的な魅力」と題して発表した。

 各登壇者は映像を使いながら、考案したメニューのポイントや食材の使い方、料理に対する考え方など映像を使いながら紹介。料理人や来場者も質問し、活発なやりとりが繰り広げられていた。

 終了後には、函館国際ホテル(大手町)に場所を移し、開催記念パーティーを開催。参加料理人が調理したピンチョス(つまみ)を食べながら交流を深めた。

 最終日の24日は午前9時半から、同ホテルで4会場に分かれ分科会を開催。同11時半から函館、道南の特産品を紹介する食材見本市も開設する。(鈴木 潤)



◎水産・青果 数量ともに増加 昨年度の両市場 冷凍スルメイカ大幅増

 函館市はこのほど、市水産物地方卸売市場と青果物地方卸売市場の昨年度取扱実績をまとめた。水産物市場は主力のスルメイカ(マイカ)が減少したものの、冷凍スルメイカの取り扱いが大きく増加、青果物市場もニンジンやバレイショなど野菜の取り扱いが増え、両市場とも前年度の数量から上回った。

 水産物市場は数量で前年度比5・2%増の4万2974トン、金額も同1・1%増の182億5025万円だった。生鮮スルメイカは数量で同17・6%減の4724トン、金額で同20・6%減の13億5508万円と減少し、海水温の上昇などが影響したものとみられる。一方で冷凍スルメイカは数量で同24・2%増の2万2409トン、金額でも18・5%増の62億5499万円。「過去にない大幅な伸び」(市市場課)といい、数量と金額の増加を後押しした。

 このほかではホッケが同2・3%増の994トンと、全道的に不漁に見舞われたサケの885トンを上回った。ホタテは同4・5%減の1159トン。同課は「ここ数年スルメイカは出足が遅く、燃料高騰なども気にかかるが、今年こそ大漁に期待したい」と話す。

 青果物市場は数量で同2・1%増の5万8745トン、金額で同3・5%減の132億5630万円。「2010年が猛暑や長雨など天候不順が続いただけに、昨年度は数量、金額とも正常に戻った」(同課)と分析する。

 野菜で数量が増加した品目が多く、ニンジンで同17・7%増の3258トン、トマトで11・1%増の3587トン、バレイショは同10・2%増の3753トン—など。青果ではミカンやカキ、モモなど5品目で数量が増えたが、リンゴやメロン、ブドウなどが減少した。

 同課は東日本大震災の影響に関しては「福島県産のモモに値がつかない時期があったが、少しずつ戻ってきている」と話している。



◎アウトドア商戦幕開け 各店で特設コーナー

 春の陽気が訪れ、行楽シーズン間近となった函館市内・近郊の大型スーパーやホームセンターでは、花見やキャンプに向けてアウトドア関連商品を売り出し始めている。各店では「ゴールデンウイークとお盆の時期にピークを迎える」と予想し、特設コーナーの設置を進めている。

 MEGAドン・キホーテ函館店(函館市美原1)では、今月19日からアウトドア関連商品200種類以上を取りそろえた特設コーナーを設置。木炭やクーラーボックス、テントなどのほか、花火やスポーツ用品セットなどのレジャーグッズも並べ、どんな行楽にも対応できるような商品展開をしている。

 購入者の年齢層は40〜50代の男性が中心で、メッシュアームチェア(990円)が一番人気で、定番のカラークーラーボックス(1480円)やスモーカーグリル(2980円)なども売れているという。今月末を春のピークと予想する担当の西埜裕介さんは「今年からアウトドア用品メーカー、コールマンの商品も約50種類用意して、客のニーズに合わせた展開をしている」と話す。

 ホーマックスーパーデポ石川店(同市石川町231)でも、徐々にレジャー用品特設コーナーを広げている。家族で訪れる客がほとんどで、レジャーシートや木炭など、花見シーズンに需要がある商品を中心に並べている。100種類以上ある商品の中でも売れ筋はバーベキューコンロ(998円〜)で、8月のキャンプシーズンに向けて、テントやテーブルなども随時追加していく予定。

 また、ジャンボイエロー港店(同市港町3)とドリームサンワドー上磯店(北斗市七重浜4)も今月から特設コーナーでアウトドアグッズを売り出している。まだ客の動きは感じられないが、どちらも4月末に売れ行きが伸びると見込み、売り場拡大を進めている。(柏渕祐二)


◎東京のアンテナショップ好調 商品入れ替えで「てこ入れ」

 昨年12月に東京都内のローソン京橋駅前店内にオープンし、函館の特産品を扱う「函館市アンテナショップ」が好調だ。開店から4カ月売り上げは月平均60万円を維持し、毎日商品を購入する常連客もいるという。市経済部は「近く商品のてこ入れを図り、PRを強化したい」とし、初めて一部商品を入れ替える。

 アンテナショップは、地場産品の販路拡大やブランド化、観光PRを図る狙いで、昨年12月22日に開設。「函館もってきました。」と銘打ち、ローソンの店舗一角に約10平方メートルの特設コーナーを設け、水産加工品や菓子類など函館・近郊で製造された約80品目を販売している。

 市経済部によると、函館の商品の売り上げは1日平均2万円、4カ月間で約240万円に上り、「他の自治体のアンテナショップを上回る勢い」(ローソン広報)。市は本年度も函館物産協会への委託費など運営経費として予算200万円を計上している。

 特にキャラメルやイカめし、ガラナ、塩辛の加工品など少量に小分けされた商品の売れ行きが良く、「安くて手軽に食べられるものが近隣の30代を中心にOLやサラリーマンに受け入れられている」(市商業振興課)という。

 市はローソンと商品構成などについて協議を重ね、5月に商品全体の4分の1に当たる約20品を初めて入れ替え、新商品などを投入する。今後は陳列棚の広告物を手書き風にしたり、観光ポスターを増やしたりして売り場の活性化を図る。

 同課は「立地する京橋エリアは再開発が進み、今後はさらに集客が見込める。夏向けの商品を充実させるなど飽きられないよう工夫し、PR効果を高めたい」、ローソン広報も「函館は魅力的なコンテンツが多く、ブランド力が浸透しているのが強み」と話している。(森健太郎)


◎江差追分会総会 50回大会の成功誓う

 【江差】江差追分会(会長・浜谷一治江差町長)の総会が22日、町内のホテルニューえさしで開かれた。9月に開催予定の第50回記念江差追分全国大会の成功に向け、関連事業へ協力することを確認。文化の担い手育成などにも引き続き力を注ぐ。

 江差追分会は国内外159支部、会員3636人の組織で、総会には全国から83人、123人分の代理出席があった。会議の冒頭、参加者全員で江差追分を歌い、東日本大震災犠牲者の冥福を祈り、被災地の復興を願った。

 浜谷会長は「入念な準備と企画で50回大会を迎え、100回大会へのベースとし、江差の貴重な財産をいい形で未来へつなげたい」とあいさつした。また、江差追分全国大会のPR強化の一環として、例年は7月中旬に完成するポスターを前倒しで製作。この日、会場で初披露した。

 ポスターはA1判。江差を象徴する「かもめ島」を舞台に夕日が赤々と燃える色合いが印象的で「燃えたぎるような江差追分の情熱を表現した」(大会実行委)。例年よりも200枚多い800枚を印刷し、各支部や北洋銀行など掲載協力機関に順次発送する。

 PRでは、イメージキャラクター「しげっち」の活用のほか、イベントとして札幌市大通公園で6月24、25の両日、大会情報と江差追分のステージ披露を予定している。

 総会終了後の懇親会では、各地での活動の充実ぶりや近況報告で盛り上がり、終始、和やかな雰囲気に包まれた。(田中陽介)


◎集え!太公望 大沼の釣り堀 25日に今季オープン

 飯町の大沼国定公園内にあるつり堀「太公園」(川村幸治代表)が25日、今季の営業を始める。コイとヘラブナそれぞれを100匹以上放流予定。今冬の大雪の影響で例年よりオープンは遅れるが、本格的な釣りシーズンがまもなく到来する。大自然の中、親子で楽しんでみては。

 同つり堀は春から秋はコイとヘラブナ釣りを、冬は結氷した湖面で氷上ワカサギ釣りを行っている。例年は4月20日のオープンだが、今年は記録的な大雪でつり堀内の桟橋が破損し、修理に時間がかかるという。

 今年はコイの成魚35〜45センチを100〜200キロ分、ヘラブナを200キロ分放つ予定。つり堀内であれば、どこからでも狙うことができる。地元の釣り愛好家に加え、台湾や韓国など海外の観光客にも毎年人気で、川村代表は「手ぶらで来ても誰もが楽しめる。ぜひ大物を釣ってほしい」と来場を呼び掛けている。

 荒天時は営業しないが、函館市内は雨でも大沼方面は晴れていることがあるため、「気軽に問い合わせてほしい」と川村代表。

 営業は午前8時半〜午後5時(水曜定休日)。料金はコイ釣りが高校生以上500円、中学生400円、小学生300円。ヘラブナ釣りが高校生以上700円、中学生500円。いずれも1時間の利用で、竿と餌、仕掛けが付く。2時間、半日、一日の利用のほか、コイは1キロ800円で持ち帰ることができる。問い合わせは川村代表TEL090・2810・7347。(長内 健)