2012年4月26日 (木) 掲載

◎ポロトくん、ポントちゃんが大沼公園観光駅長に

 【七飯】JR北海道函館支社は25日、七飯町のマスコットキャラクター「ポロトくん」と「ポントちゃん」にJR大沼公園駅の「観光駅長」を委嘱した。SL函館大沼号の運行期間中、同駅の発着時刻に合わせて、乗客を出迎え、地域の観光振興に向けて活躍する。

 道、北海道観光振興機構が中心となり、7月から始まる観光振興事業「北海道デスティネーションキャンペーン」に先駆けた取り組み。観光駅長は地域密着の駅づくりを目指し、同駅と流山温泉駅に配置する。

 大沼公園駅前で行われた委嘱式では、JR函館支社の幅口堅二支社長から、ポロトくん、ポントちゃんに委嘱状と観光駅長のたすきが手渡された。2人のキャラクターはゴールデンウイーク期間と、7〜8月に予定するSL運行に合わせて、駅で観光客を出迎えたり、記念撮影に応じる。

 また、流山温泉駅では、NPO法人大沼・駒ケ岳ふるさとづくりセンターに委嘱。温泉までの誘導や近隣の自然ガイド役を務める。同NPO法人の穴沢剛行さんは「森と親しみ、温泉を楽しみゆっくりとした時間を過ごしてもらいたい。さまざまな自然体験でお待ちしています」と話していた。

 幅口支社長は「28日からはSL函館大沼号の運行もスタートする。たくさんの観光客の楽しい思い出となるよう、お出迎え役として活躍してもらいたい」と話している。(今井正一)



◎函館の中学修学旅行、今年も道内大半

 函館市内の中学校では修学旅行シーズンを迎えた。例年は2〜3泊の日程で、岩手や青森など東北地方を訪れる学校が多かったが、東日本大震災の影響から、昨年度は札幌方面などへ変更を余儀なくされた学校が相次いだ。本年度も引き続き、道内を訪れる学校が大半だ。

 函館市教委によると、本年度札幌方面を予定している中学校は22校、東京が5校、東北が1校。大人数で移動するため、1年ほど前から宿泊施設や見学先などを決めなければならず、「復興の見通しが不透明な状況では保護者の理解を得るのも難しい。本年度も行き先を札幌方面にする学校がほとんど」と市教委。ただ昨年に比べ、各校で体験学習や防災センター見学、小樽での自主見学など内容の充実、工夫が見られるという。市教委は「来年度からは東北方面が増えていくのでは」と話している。

 25日は函館宇賀の浦中学校の3年生57人が、札幌・小樽への修学旅行に出発。生徒たちはスーツケースやスポーツバックを持ち、ジャージや財布など持ち物の確認をしてからバスに乗り込んだ。来年度の修学旅行予定について笠島美教教頭は「東北方面と札幌方面の2つで計画しているが、どちらになるかはまだ未定」と話していた。

 市内中学校の多くは連休明けから順次修学旅行を実施する予定。(平尾美陽子)



◎減らぬ介護施設待機者、市内の特養など

 函館市の特別養護老人ホーム(特養)などの介護保険施設に入所を申し込んでいる待機者が減らない。市が昨年7月に行った調査によると待機者は2263人。2008年の介護保険3施設を対象にした調査と比べ238人増えている。市は本年度から3カ年で施設定員を計522人分増やす計画を示しているが、問題解決への道のりは遠い。

 「今は介護形態が在宅に進んでいるが、人によって介護の仕方が違うので施設入所をもっと充実させてほしい」。市民団体の「函館認知症の人を支える会」の佐藤悠子会長は切実な表情で話す。

 待機者減少を目指し、市内では特養や認知症高齢者グループホームといった介護保険施設の整備が進められてきた。特養は02年3月時点で9施設、定員783人だったのに対し、昨年度までに14施設、定員は1013人にまで増えた。グループホームは10年ほど前から急速に建てられ、昨年度までに40施設、定員が736人。10年前と比べて34施設、定員は593人分増えた。

 しかし、入所を求める高齢者は減らない。函館市居宅介護支援事業所連絡協議会の中村清秋会長は「要介護度5あたりは病院に入ることが多いが、病院の床数も減っているため結局在宅に戻ってしまう」とこぼす。

 また「実際は経済状況や医療度などを勘案し、要介護度3、4の人のほうが施設に入りやすい。1、2など状態がそれほど深刻ではない人が入ることは難しい」と話す。

 一方、施設側も待機者の現状に対してジレンマを感じている。定員83人の特養「旭ヶ岡の家」(旭岡町78)は常に満床。20年ほど前に施設を増築して70人から83人に増やしたが、状況は変わっていない。同施設の待機者はおよそ400人いるという。

 空きが出るのは入所者が亡くなったケースによることがほとんどで、同施設では昨年20人の入れ替わりがあったものの、年によって前後するため検討がつかないという。

 後藤隆博施設長は「できることなら全員入れてあげたい。相談に来る人はみんな切羽詰まっていて、やり切れない思いもある」と打ち明ける。

 柏木町で一人暮らしをしている坂爪幸さん(69)は、市内の施設に60歳から入居を申し込んでいる。ひざに痛みを抱えているなど将来に不安を抱いており、「一向に空きがなく、これからは施設を選ばずに申し込まないと入れないかも」。

 市は本年度からの「第5期市介護保険事業計画」の中で、特養の定員を287人分新たに整備するほか、グループホームなども合わせて計522人分増やす。また介護をする家族の負担軽減を目指した「介護支援隊」導入を目指し、先進地の事例調査を本年度にする予定。厳しい財政状況の中、問題解決に向けた手立てを打っているものの、現状打開は不透明だ。

 市保健福祉部は「今回の計画では近年にないほど施設の定員を増やす。少しでも待機者が減ってくれれば」としている。(後藤 真)


◎「はこだてミルク工房」きょうオープン、ソフトクリーム個性豊か

 ソフトクリームや軽食を味わえる「はこだてミルク工房」が26日、BAYはこだてイベント広場(豊川町11)にオープンする。開店準備を進める店舗前では、観光客らが足を止めて見入っている。函館の魅力が詰まった暖かい季節にぴったりのデザートを楽しめそうだ。

 同店は人通りの多い同広場を生かし、子どもたちに海を見ながら商品を楽しんでもらおうと函館ビヤホールが昨年12月に企画。今月から作業を始め、10日間ほどで店舗を完成させた。

 メニューには、定番のバニラやモカ味のほか、あずき風味でコーヒーを隠し味にしたレンガ色の「赤レンガソフト」や「とうもろこしソフト」のオリジナルソフトクリームが並び、函館らしさを売り出す(各350円)。コーヒーやオレンジジュースなどのドリンクとフライドピザ、揚げたてのポテトチップスも楽しめ、どの商品も道産素材にこだわっている。

 後藤敏一総支配人は「多くの人に親しまれるような店を目指しています。家族で函館の景色を楽しみながらスイーツを味わってください」と来店を呼び掛けている。

 また、季節ごとの商品も随時追加する予定。営業時間は、午前9時半〜午後7時、ゴールデンウイーク期間中は同8時まで。(柏渕祐二)