2012年4月29日 (日) 掲載

◎SL大沼GO! 今季の運転開始

 蒸気機関車がレトロな客車をけん引し、春の道南路を駆け抜けるJR北海道の「SL函館大沼号」が28日、今季の運転を開始した。家族連れや鉄道ファンが乗り込み、車内のアトラクションや車窓から見える大沼などに歓声を上げていた。

 同列車は2003年に運行開始。JR函館駅(若松町)で行われた出発前のセレモニーでは、同駅の鳴海正駅長のあいさつに続き、第33代ミス函館の平井利沙さんが「この列車に乗り、道南の魅力を再発見してほしい」とPR。

 タンク蒸気機関車「C11形」が高らかに汽笛を鳴らし、出発。4両編成の客車内はサクラ(造花)の装飾がされ、華やかな雰囲気の中、ドレスを着た女性乗務員が記念撮影用のボードを持って回るサービスをし、乗客を楽しませた。

 仙台市から夫婦で訪れた会社員の高木勲さん(55)は「日ごろ利用する新幹線だと大きな話し声は迷惑だが、今日は親子がはしゃぐ声で心が浮かれる。これもSLの旅ならではですね」と話していた。

 運転は5月6日まで、函館|森間を1日1往復する。JR北海道函館支社によると、期間中、乗客は通算10万に達する見込みという。 (山崎純一)



◎函館観光楽しんで 1日乗車券販売

 大型連休期間中、函館に来た観光客に市電を利用してもらおうと28日、臨時の市電乗客案内所が函館若松町15の函館駅前交番前に開設された。来月5日まで。

 函館チンチン電車を走らせよう会(高田京子会長)とNPO法人函館市電の熟練工の技を伝える会(吉村冨士夫理事長)のメンバーが常駐していて、1日乗車券の販売や観光客の問い合わせに応じている。

 2009年に初めて行い、今年4回目。開設して以来、1日乗車券の販売実績は1072冊(8日間)、733冊(6日間)、450冊(4日間)。

 この日は高田会長ら5人で活動し、券の他に市電のミニチュアも販売。メンバーは「乗車券はいかがですか」と元気に声を掛け、観光客も立ち寄って券を買い求めたり、観光地への行き方などを尋ねていた。高田会長は「多くの人が喜んで函館に来てくれるよう応援していきたい」と話していた。開設時間は午前9時〜正午。雨天中止。 (鈴木 潤)



◎レトロな雰囲気 美人画ポスター

 函館ゆかりのビールの歴史をひもとく展示会「函館の麦酒 歴史・産業・意匠」が28日、市立函館博物館(青柳町17)で始まった。明治以降の美人画ポスターや一升瓶形のビール瓶など珍しい展示物がずらりと並び、来場者は懐かしいデザインに見入っている。6月24日まで。

 市制施行90周年記念の企画展で、同館、市中央図書館、公立はこだて未来大の共催。サッポロホールディングス、サッポロビールなどの特別協力で実現した。

 約40点の美人画ポスターは、1910(明治43)年以降に画家の作品を複製して生まれたものが大半。和服姿の女性がほほ笑むデザインがレトロな雰囲気を醸し出す。昭和初期から戦後にかけて販売された「特大びん詰めビール」「キリンビール特大びん」は、瓶の大きさや丸みを帯びた独特の形が見どころだ。

 このほか、1882(明治15)年に函館で初めてビールが醸造された歴史を紹介しているほか、明治期の国内外のラベル500点をまとめた展示物も本道初公開。記念セレモニーや、同博物館学芸員の霜村紀子さんによる一般市民向けの資料解説も行われた。

 午前9時〜午後4時半(月曜休館、4月29、30日、5月3〜5日は開館)。入館料は大人200円、高校・大学生100円、小中学生50円。問い合わせは同博物館電話0138-23-5480。(長内 健)


◎鉄道模型 レイアウト設置

 【七飯】「七飯町鉄道模型倶楽部(クラブ)」主催の鉄道模型展が28日、町歴史館ロビーで始まった。同会代表で町内の高校生村上将大君(15)、斉藤稔之君(15)らが製作した「Nゲージ」用のレイアウトを設置。北海道の田舎の風景をイメージし、トンネル、駅の様子など、細部にこだわり、来場者を楽しませている。

 道内を走るJR北海道の車両を中心に用意。レイアウトは3月下旬から準備を進めてきた。道内ののどかな風景を再現する中で、学校のグラウンドでは盆踊りや草野球を楽しんでいる人たちがいたり、七飯駅や五稜郭駅をイメージした駅のホームを設置した。村上君らは「自宅では組むことのできない長い編成の貨物列車も走らせることができる。要望があれば、持参した車両も走らせます」と話す。

 また、村上君が趣味で収集し、昭和40〜50年代ごろの男の子たちを魅了した、シフトレバーやブレーキランプなどを装備する通称「スーパーカー自転車」も3台展示。日常的に乗りながらもメンテナンスは怠らず、新品同様の輝きを見せている。

 入場無料。午前9時から午後5時。町歴史館では新収蔵資料展も開かれている。持参した鉄道模型を走らせることも可能。問い合わせは同館TEL0138-66-2181。  (今井正一)