2012年4月3日 (火) 掲載

◎ハウスに「春」咲く 陣川温泉PG場にエゾムラサキツツジ

 函館市陣川町122の「陣川温泉パークゴルフ場」室内コースのハウスで、エゾムラサキツツジが早くも見ごろを迎えている。花びらの淡い紅紫色が春の訪れを告げており、利用者の目を楽しませている。

 エゾムラサキツツジは4〜6月に咲き、高さは1〜3メートル。同ゴルフ場にあるのは植樹したもの。今冬は寒い日が続いたが「ハウスの中だけは暖かいため」(同ゴルフ場)、毎年この時期に満開になり、数週間ほど観賞できるという。

 ハウスの中にはこのほか、ウメやボケも一部で咲いている。同ゴルフ場の常連という西川勝美さん(67)は「パークゴルフのプレー中もついつい見入ってしまう。本当にきれいだ」と話していた。(長内 健)



◎外部監査報告 函館市の財政状況「危機的」

 函館市の包括外部監査人の鎌田直善公認会計士は、2009年度の決算ベースの財政状況や、市の不動産など資産活用について検証した監査報告書を市に提出した。他都市に比べ高額な生活保護費や人件費で逼迫した財政を「危機的」と指摘し、遊休・低利用の不動産の売却などを求めている。

 報告書では、市の歳出、歳入総額を市民1人当たりに換算した場合、それぞれ約46万円と中核市(41市)や人口25〜35万人の類似市(32市)の平均と比べて10万円程度多いことや、扶助費のうち生活保護費が市民1人当たり約7万2000円、市職員の人件費が同約8万1500円の負担と、同規模都市で最も高額であることを指摘した。

 一方、歳入の地方税は市民1人当たり約11万5600円で、41中核市のなかで39位、33類似市のなかで31位と全国最低レベル。増大する生活保護費や、市職員の人件費、公債費などの支出を賄うための財源を、国の地方交付税や国庫支出金で補う苦しい状況を浮き彫りにした。

 不動産などの有効活用については、時代の変遷とともに中心市街地が北東部へ移動したことで、固定資産の無駄が生じていることを問題視。市内で活用されていない市有地296件を調査対象に抽出し、元町観光駐車場(末広町)では「利用度が低く、民営化が可能」などと指摘した。

 市の未利用地約200万平方メートルのうち、東部4地域を除く旧市内では約46万1000平方メートルの土地が未利用で処分可能とし、「仮に1平方メートル当たり2万円で売却できれば92億円の資産をもたらす」と提起する。鎌田氏は「一種の行政の不作為。不動産の転用、売却を市政改革の原資にして地域活性化の一助にしてほしい」としている。(森健太郎)



◎前函館商工会議所会頭の高野洋蔵氏死去

 前函館商工会議所会頭で、水産業の道水会長の高野洋蔵(たかの・ようぞう)氏が2日午前1時58分、甲状腺がんのため、函館市内の病院で死去した。83歳。自宅は函館市柏木町16の44。通夜と告別式は、函館市内で近親のみで行う。

 高野氏は1949年、函館水産専門学校(現・北大水産学部)を卒業後、道水(函館市豊川町、旧北海道水産製造)に入社し社長、会長を歴任した。70年に同会議所議員に就き、82年に副会頭、2000年に会頭に就任。10年まで10年6カ月間務めた。同年11月には名誉会頭に就き、地元経済界を支え続けた。

 会頭在任中は道新幹線建設促進道南地方期成会会長として国や国会議員への陳情を精力的に行い、北海道新幹線新青森—新函館(仮称)間の認可・着工に大きな功績を残した。函館—釜山間のコンテナ航路開設や函館—ソウル(仁川)の国際定期航空路開設などに尽力し、函館の経済人のトップとして一時代を築いた。

 また道産業貢献賞をはじめ、運輸、防衛、通商産業(当時)の各大臣・長官表彰を受賞。95年に函館市功労者表彰、01年には勲五等双光旭日章を受章した。

 社葬は25日午後1時から、函館市大手町の函館国際ホテルで予定している。(斎藤まや)


◎日銀短観 道南3期ぶり悪化

 日銀函館支店(山田正弘支店長)が2日に発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、渡島・桧山管内の企業の景況感を示す業況判断DI(「良い」とする割合から「悪い」とする割合を引いた指数)は、全産業でマイナス14となった。3期ぶりの悪化だが、同支店は「先行きは改善するとの見方で、緩やかな回復傾向にある」とみる。

 全産業のDIは震災後急激に悪化したが、2期連続で上昇し前回はマイナス10にまで改善していた。全産業の先行きDIは、4ポイント改善しマイナス10を予測。全国・全道が悪化するとの見方のなか、明るい傾向だ。

 産業別では製造業が16ポイント悪化し、プラスからマイナス6に転化した。特に機械が11ポイント悪化のマイナス11で、海外経済の減速などの影響を受けたとみられる。食料品は変化なしのマイナス9だった。

 非製造業はマイナス18で2ポイント上昇した。小売はエコカー補助金の再導入による自動車業界の活況を背景に、30ポイント改善しマイナス20に。建設は11ポイント改善のマイナス6、運輸・郵便も11ポイント上昇しマイナス11となった。ただ卸売は大雪や低温などの天候要因により16ポイント悪化のマイナス21に、宿泊・飲食サービスは15ポイント悪化のマイナス29となった。

 今回出された2012年度の売上高・収益計画は前年度比0・4%増で、特に製造業は同0・9%増を予測。経常利益ベースでは、同23・2%の増収を見込む。12年度の設備投資計画は同33・3%減だが、昨年度大型投資が行われたことが影響した。

 調査は2月下旬から3月下旬まで道南の103社(製造業31社、非製造業72社)を対象に実施し、全社から回答を得た。(斎藤まや)


◎函館の観光情報もっと世界に 市のサイト「はこぶら」10言語に対応

 函館市の公式観光情報サイト「はこぶら」が4月から、これまでの6種類の言語に、フランス語やドイツ語、スペイン語など新たに5つの言語が追加され、日本語以外に計10種類の言語に対応した。外国人向けに見どころなどを凝縮した専用ページを開設することで、幅広い外国人観光客の誘致を目指す。

 市ブランド推進課によると、11種類の言語に対応した観光情報サイトは道内では初めて。昨年5月にフランスの旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で「函館山からの眺望」が三ツ星を獲得するなど高い評価を受けたこと機に外国語ページの拡充を決めた。

 サイトは日本語のページとは別に、外国語版として観光情報を分かりやすく集約した専用ページを作成。これまでの英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語、ロシア語に加えて、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語の5種類を増やした。

 専用ページでは函館の四季ごとのイベントや体験プログラムのほか、グルメや宿泊先の情報を写真付きで紹介している。市は年間委託料990万円でサイトの企画、運営を市内の民間企業2社に委託。外国語版は昨年度から道観光振興機構の補助金などを活用し、昨年度から60万円かけてリニューアルした。

 はこぶらは2008年12月に開設。1年間のアクセス数は約39万件で、札幌や首都圏を中心にアジア、欧米からのアクセスもある。同課は「サイトを通じて函館ブランドが世界に定着してほしい」としている。アドレスはhttp://www.hakobura.jp/(森健太郎)