2012年5月10日 (木) 掲載

◎秋の豊作楽しみ! 高松町地区老人花園菜園開園

 函館市社会福祉協議会(奥野秀雄会長)が開設する市高松町地区老人花園菜園の本年度開園式が9日、高松町の同園で行われた。菜園活動に参加する老人クラブの役員や市社協の幹部ら約40人が出席し、秋の豊作を祈った。

 高齢者の生きがいや健康づくり、会員相互の交流を図ろうと1973年から始めた取り組みで、今年は地域内の9クラブから36人が参加する。

 開園式は神事にのっとり行われ、出席者はくわ入れの儀と記念の種まきを行った後、玉ぐしをささげた。奥野会長は「健康に留意しながら野菜づくりに励んでほしい。色とりどりの野菜の収穫を期待しています」とあいさつした。

 今年は約3000平方bの畑にジャガイモなどを植え、約4カ月かけて栽培、収穫する。収穫した野菜は地域内の特別養護老人ホームに寄贈する予定。

 10日は神山町地区老人花園菜園でも開園式が行われる。(鈴木 潤)

 



◎夜桜回廊美しく

 【北斗】北斗市の観光振興事業「桜回廊」の一環として、市内向野の法亀寺周辺の夜間ライトアップが10日午後6時から始まる。9日夜に照明の試験点灯が行われ、見ごろを迎えた同寺のシダレザクラと大野川沿いのソメイヨシノが夜空に美しく浮かび上がった。

 市と北斗市観光協会(佐々木博史会長)の事業。法亀寺のシダレザクラは道内最大級の名木。今年は、夜桜を楽しみながら、散策ができるように市公民館から同寺に向かう大野川沿いの約300bの区間の桜並木にも照明を設置。重なり合った枝が、サクラのトンネルを作り出している。

 法亀寺を夫婦で訪れた函館市本通3の女性(60)は「今日の昼間も来ましたが、圧倒されました。豪快で力強さを感じます」と話していた。

 点灯期間は16日までの毎日午後6〜9時。せせらぎ温泉付近の一部区間でも実施する。大野川沿い(市道本郷川原町線)は一部区間で車両通行禁止(平日は午後5時から午後9時まで、土、日曜日は午前10時から午後9時まで)。一般車両駐車場は公民館とせせらぎ温泉、身障者用駐車場は向野会館前のみ。上磯地区と結ぶ南北連絡バスの臨時便も運行する。問い合わせは市観光協会рO138・73・2408、市観光課рO138・73・3111。 (今井正一)



◎遊休農地 活用に本腰

 函館市農業委員会は本年度、市内で遊休地となっている農地対策を本格化させる。農家の高齢化や後継者不足が急速に進む中、これまで農家間でのやりとりが主流だった遊休農地の売却や賃貸などの仲介に初めて乗り出す方針で、農地の農地としての利用促進を目指す。

 同委員会によると、市内の農家は3月末現在で714戸あり、農地全体の面積は約3800f。このうち遊休化している農地は判明分だけで約103fに及ぶ。市は2009年12月の改正農地法の施行を受け、10年度から農地の利用状況の本格調査に着手した。

 10年度の農家を対象にした調査では、少なくとも計55戸の25・5fが遊休農地となっていることが判明。昨年7月に所有者に利用増進を促す「指導通知書」を配布し、今年6月末までに遊休農地の耕作が再開されない場合は、8月までの利用計画の提出を求める。

 さらに、利用計画の届け出がなかったり、計画が適正でなかったりした際、同委員会が指導よりも重い「勧告」を出し、遊休農地の所有者と希望者との間で、農地の売買や賃借などのあっせんを図る。それでも協議がまとまらず、放置された場合は法的措置もある。

 一方、昨年11月には農家以外の農地所有者を対象に調査し、少なくとも約75fの農地が遊休化していることが分かった。同委員会は5月中にも今後の農地利用に関する意向調査を行う予定だが、「相続の関係で所有者が不明だったり、もともと日当たりや水はけが悪く、耕作には適さない土地も多い」(事務局)のが実態だ。

 一昨年の調査では、対象面積のうち、遊休農地で耕作を再開した農家は全体の2割程度にとどまり、半数以上が遊休化したまま。昨年の農家以外を対象にした調査でも遊休農地は全体の約2割に上り、事務局は「市内での遊休農地の全体像は不透明だが、優良な農地の有効活用を少しでも促進させたい」としている。 (森健太郎)


◎函館の大学でも注意喚起 小樽商大飲酒問題

 小樽商科大で7日、未成年を含む9人が急性アルコール中毒とみられる症状で病院搬送された問題を受け、函館市内の大学でも学生に対し、メールや学内掲示板などで注意を喚起する動きが広がっている。

 道教育大学函館校(八幡町1)は、学内に飲酒事故防止を呼び掛ける文章を掲示したほか、全学生を対象にメールを送信。一気飲みや未成年者への飲酒の強要は絶対にしないことなどを呼び掛け、節度のある飲酒を求めた。掲示を見た3年生の学生は「人ごとではない。後輩に対して飲酒を強要するようなことのないよう、注意したい」と話していた。

 公立はこだて未来大学(亀田中野町116)でも全学生を対象にメールを送信。「飲酒による事故が起きないよう一人一人に改めて強く自覚してほしい」と同大。

 函館大学(高丘町51)は、毎年この時期に学内にポスターや文章を掲示し、新入生歓迎会や花見などで「未成年は飲酒しないよう」と呼び掛けている。今回の事故を受け同大は「ひとごとではない。学生委員会の中の話し合いや顧問と連携するなどして飲酒問題について考えていきたい」とする。

 北海道大学は4月や6、7月などは新入生歓迎会やジンギスカンパーティーなど学生が飲酒する機会が増えるとし、毎年定期的に飲酒への注意を喚起する文章を全学部に送付している。同大は「定期的に文章を送り飲酒事故防止に努めている。今回の事故を受けて特別な対応を取ることは今の段階では考えていない」と話している。  (平尾美陽子)


◎230年前の石鳥居 修復へ 姥神大神宮

 【江差】江差町姥神町の「姥神大神宮」(藤枝正承宮司)の石鳥居が老朽化のため、安全を強化する補修工事に入った。約230年前に現地点に建立されて以来、初の大型補修で、9日には取り外し作業を実施。7月中旬には再設置の予定で、「安全を最優先に神社の象徴を今後も大事にしたい。夏の姥神大神宮渡御祭には必ず間に合う。参拝してもらいたい」と関係者は話している。

 石鳥居は拝殿正面にあり、藤枝宮司(66)によると1783(天明3)年2月に建立されたと伝えられる。拝殿正面向かって右側の鳥居支柱(直径55センチ)の上下部2カ所に断裂と全体のヒビ、歪みなどを受けて補修を決めた。

 高さ5.5メートル、横4.5メートルで四国地方の御影石が使われ「石の色合いは淡いサクラ色。神社の象徴として、江差の歴史とともに時を経てきた」と藤枝宮司。道内には補修専門業者がなく、岐阜県に届けて、柱中心部にステンレス棒を組み込み、土台の強化も図るという。

 9日の解体工事は亀田工業(江差町桧岱215、亀田宏社長)が主体となり、大型クレーン2台で慎重に作業した。現場担当者は「230年という歴史の重みも感じながら、安全と丁寧な作業に努めた。かすり傷ひとつなく終えて良かった」とほっとした表情を見せていた。

 参拝客らには「石鳥居出向中」の看板で補修工事の概要を説明し、保存に向けた奉賛(1口1000円から)の協力も呼び掛けている。

 藤枝宮司は「地震や風雨にさらされながらも、長年無事であったことが何よりで、補修後は安心感をもって皆さんを見守ってくれるはず。8月の渡御祭は例年以上に思い入れが深まりそう」と話している。

 奉賛の問い合わせは姥神大神宮社務所TEL0139-52-1900。 (田中陽介)