2012年5月13日 (日) 掲載

◎斎藤佑 函館初勝利ならず…日ハム戦

 プロ野球パ・リーグ公式戦、北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズが12日、函館市のオーシャンスタジアム(千代台町)で開かれた。年に1度(2試合)行われる“道民球団”のプレーを見ようと2万308人が来場。日本ハムは斎藤佑樹投手が函館で初登板。序盤の大量失点が響き、8—9で惜敗した。

 この日の函館の最高気温は4月下旬並みの12・6度で、北西から冷たい風が吹き付けるあいにくのコンディションとなったものの、ファンは防寒着姿で声援を送った。斎藤投手が初の地方球場での登板で注目されたが、自己ワーストの9失点で2回途中でマウンドを降りた。日本ハムは終盤に猛攻を見せ、9回も3得点で1点差まで詰め寄り、スタンドは大いに盛り上がったが、追いつけなかった。

 13日は午後1時から同スタジアムで開かれる。予告先発は日本ハム・武田勝、西武・西口。チケットの問い合わせは同スタジアム電話0138-53-3210へ。(山崎純一)



◎舞台の成功と安全祈る…野外劇の会 祝祷祭

 今年で第25回目の節目を迎える「函館野外劇」公演の成功と安全を祈願する祝祷(しゅくとう)祭が12日、会場となる国の特別史跡・五稜郭跡で行われた。主催者のNPO法人市民創作「『函館野外劇』の会」(フィリップ・グロード理事長)役員や工事関係者ら約50人が参加した。

 5月25日に始まる舞台工事の安全を祈り毎年実施している。最初に全員で聖歌を皆唱。次いで「旭ケ岡の家」の山内実神父が聖書を朗読し、聖水と香炉を用いて出演者や工事関係者、観客らの無事故を祈った。山内神父は「25回も続けることができたのはいろんな人々の協力があったから。ステージを通じて函館の素晴らしさを伝えられるよう、心を一つにしましょう」と呼び掛けた。

 最後のあいさつで中村由紀夫理事長代行が「皆さんで団結して成功裏に終えられるよう頑張ろう」と述べた。

 今年の公演は7月6日〜8月11日の全12回。今月26日には函館国際ホテルで市民も参加できる懇親会やパネルディスカッションなどの前夜祭を開く。問い合わせは同会事務局電話0138-56-8601。(長内 健)



◎安心・安全の調乳機導入…大門キッズスタジアム

 函館市若松町のWAKOビルの子育て支援施設「大門キッズスタジアム」がこのほど、乳児用のミルク専用調乳機「ピュアウォーター冷温水給水機」を導入した。放射性物質も通さない、体に害のない安心・安全なお湯を給湯。粉ミルクと哺乳瓶があれば気軽に利用できることから、子育て中の親子に重宝しそうだ。

 この調乳機は水道水を特殊なフィルターでろ過し、不純物の少ない水を提供する。寺岡精工(東京)が製造し、恵庭市の環境サービス業「イーリオ・ランド」と北海道エネルギー(札幌)が本道を中心に普及を進めている。

 イーリオ・ランドによると、東日本大震災の福島第一原発爆発事故の被害に遭った福島県飯館村でこの調乳機に水道水を入れる実験をしたところ、放射性物質の浄化に成功、「放射性ヨウ素も放射性セシウムも検出されなかった」(イーリオ・ランド)という。子育て支援施設がこの調乳機を借り受けて設置するのは道内では初めて。

 調乳機は同施設のイベントスペースに設け、約70度のお湯を提供している。哺乳瓶と粉ミルクがあれば無料で利用可能だ。同施設には、母子が気軽に授乳やおむつ替えができる設備があることから、道が4月下旬、「北海道赤ちゃんのほっとステーション」に認定している。

 同施設の高松勇輝マネジャー(32)は「親子連れにはお湯入りの水筒を携行する母親が多い。外出時の負担を少しでも減らし、子どもと過ごす楽しい時間を多く取ってもらえれば」と利用を呼び掛けている。(長内 健)


◎高校生の筆躍る…松前高、函館市内4校 北●林の前で書道パフォーマンス

 【松前】松前高と函館市内の4校の書道部は12日、花見客でにぎわう松前公園の北●林の前で書道パフォーマンスを行った。5校合わせて約70人の生徒が音楽に合わせ、体全体を使って、若さあふれる作品を次々と仕上げた。

 昨年に続き2回目。松前高が「書のまち松前」を町内外にアピールしようと、観光客が大勢訪れるさくらまつり期間中に開いている。函館市内から市立函館高、函館西高、中部高、白百合学園高の4校を招いた。

 パフォーマンスは松前高の演技でスタート。人気グループ「ゆず」の曲が流れる中、縦4・2b横7bの巨大な紙に「春風」と力強い文字をしたためた。西高はかわいらしいダンスと迫力ある筆さばきをみせ、「春風駘蕩」の4字熟語を仕上げた。

 続く白百合学園高は2、3年生4人が舞台に上がり、絵と文字でサクラを表現。中部高は歌手の福山雅治の「桜坂」の歌詞の一節、市立函館高は「桜霞」とそれぞれ迫力ある作品を書いた。最後に松前高の3年生が登場。「黄金魂」と大胆な構図で作品を書き上げた。

 会場には200人を超える町民や観光客が訪れ、音楽に合わせて手拍子をして会場を盛り上げた。松前高の船坂遥香部長(3年)は「力を出し切った。他の学校と一緒にやることで刺激になった」と笑顔を見せた。会場を訪れた町内の会社員、斉藤智美さん(41)は「踊ったり、跳ねたりしながら文字を書いていたので、見ていて楽しかった」と話していた。(松宮一郎) 注=●は鴎の旧字。