2012年5月14日 (月) 掲載

◎迫力満点 女性力士が熱戦、福島で相撲大会

 【福島】福島町観光協会主催の「女だけの相撲大会」が13日、鏡山公園相撲場で開かれた。力自慢の女性力士が土俵で激しくぶつかり合い、熱戦を繰り広げた。決勝は、「悦乃海」こと東京都の雑誌編集者、阿部悦子さん(46)が森町のドリーアン・ホワイトさん(25)を下し、9年ぶり2回目の優勝を果たした。

 大会は毎年「母の日」に開いており、今回が21回目。昨年は東日本大震災の影響で取りやめており、2年ぶりの開催。町内や道南各市町をはじめ、札幌市や東京都から58人が出場した。

 最初の取り組みの勝敗で選手をA、Bブロックに分け、トーナメント戦を行った。真剣勝負の一方で、大会名物になっている行司と選手の楽しいやりとりがあったり、ユニークなしこ名が読み上げられたりすると、大きな笑いが沸き起こった。

 Aブロック決勝は、阿部さんと森町のALT(英語指導助手)のホワイトさん(米国出身)。ホワイトさんは「踊り山」のしこ名でトーナメントを勝ち抜いてきたが、阿部さんが立ち合いで頭からぶつかり、体格で勝るホワイトさんを寄り切りで下した。

 阿部さんは「自分の思い通りの相撲が取れた」と優勝の喜びを語った。一方、初めて相撲をしたホワイトさんは「これからたくさん練習をして、来年の大会も必ず出場します」と雪辱を誓っていた。観戦した町内の松川キミヨさん(75)は「迫力があって面白い。女性の強さを感じた」と笑顔を見せていた。(松宮一郎)



◎震災で亀裂の石垣4年かけ完全修復、聖ヨハネ教会周辺で工事

 函館市元町の聖ヨハネ教会周辺で今月から、東日本大震災で亀裂が入った石垣の修復工事が行われている。同教会信徒らを中心につくる市民団体が行政の補助を受け4カ年で元通りにする計画で、6月17日には修繕費を募るチャリティーコンサートを市公民館(青柳町12)で開く。

 計画を進めるのは、元町石垣復元保存の会コンサート実行委(佐々木茂代表)。佐々木さんによると、同教会を巡る石垣はもともと老朽化が進んでいて、「そこに震災の強い揺れが追い打ちをかけた」という。石垣にはひびが入るなどし、観光客らの安全確保も必要なことから、本年度から2015年度まで4年間で工区ごとに修理していく。  工事は石を全て取り除いた後、基礎工事をし元通りに積み直す工程で、費用は約2500万円、毎年度約600万円かかる。文化庁、道、市の認可を受け12、13年度にそれぞれ200万円助成されることが決まっているが、信徒らの寄付金などで残る費用を賄うのには限界があるという。

 そこで、募金活動の一環として6月にコンサートを企画、オペラの分野を中心に全国で幅広く活躍する声楽家の小貫岩夫さん=東京在住=をソリストに招く。小貫さんは「この道」などの日本の歌や、歌劇「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」といったクラシック歌曲を披露。伴奏は函館のピアノ奏者、類家なつきさん。函館男声合唱団の賛助出演も。

 佐々木さんは「石垣周辺の景観保全のためにも、何とか修復させたい。コンサートも継続していきたい」と話している。改行 コンサートは6月17日午後2時から。チケットは2000円。問い合わせ、申し込みは佐々木さんTEL0138-52-2692。(長内 健)



◎小川さんがピアノ調律師1級合格

 函館市梁川町のピアノ調律師、小川進さん(50)がこのほど、浜松市で行われた日本ピアノ調律師協会(東京)主催の第1回技能検定の1級試験に合格した。調律師を国家資格に認定する初の試験で、函館ではただ一人の合格。小川さんは「とてもうれしい。技術職の道に終わりはないけど、励みになる」と意欲を新たにしている。

 この試験は、調律師の技術や地位の向上を目的に、同協会が厚生労働省の指定を受けて初開催。レベル別に3〜1級あり、1級はアップライトピアノとグランドピアノ両方の調律技術を審査。昨年11月に一次審査の学科試験、今年2月に二次審査の実技試験が行われた。同協会によると、1級には全国から252人が応募、32人が合格し、本道から4人が合格したという。

 小川さんは一般家庭の楽器の調律や修理を中心に、演奏会での調律も担うこの道30年の職人。今回は「腕を試してみたかったし、国家資格にも魅力を感じて」受験。ピアノの歴史や楽器の構造などを問う学科試験を合格すると、実技では指定された周波数で2つのピアノを調律。弦の張り替えや、ダンパーと呼ばれる消音装置のワイヤ交換なども行った。

 4月中旬の発表で合格が分かり、今月上旬合格証書が届いた。小川さんは「実技試験が行われた浜松市は、空気が乾燥する函館とは違って湿気や気候に違いがある。こうした環境の相違は弦の張力の調整にも影響してきて、加減が難しかった」と振り返り、「さまざまな弾き手の要望にしっかり応えられるよう頑張ってきたけど、合格は一般の愛好家や演奏家の存在があったからこそ。感謝の気持ちでいっぱい。この職業の地位向上につながるのでは」と笑顔を見せている。(長内 健)


◎「函館悦山会」5年ぶり民謡ショー

 函館市神山3の民謡教室「函館悦山会」(小林基悦代表)が主催する5年ぶりの「民謡ふれあいチャリティーショー」(函館新聞社など後援)が13日、市民会館大ホール(湯川町1)で開かれた。会員による民謡の大合唱に加え、豪華ゲストが歌や三味線、舞踊などを披露。1000人以上の来場者が華やかなステージに拍手喝采を送った。

 日本の伝統芸能に親しみ、心を通わせる舞台として1994年に始まり、今回で6回目。最初に同会会員代表の上原寿樹さんが「会員一同頑張って歌います」とあいさつ。日本民謡協会理事の佐々木基晴さんは「民謡は心を豊かにしてくれる。ショーを通じて民謡好きの子どもが増えれば」と祝辞を述べた。

 ショーは同会70人による陽気な「秋田大黒舞」の合唱で幕開け。次いで会員が「出船音頭」「石狩川流れ節」などを朗々と歌い上げた。4歳児を最年少とする幼児・児童8人は「ソーラン節」などを取り上げ、子どもとは思えない伸びやかな歌声で会場を沸かせた。

 後半は佐々木さんや創劇新舞踊市松流の市川団四郎さんら函館の伝統芸能を代表する出演者が、それぞれ本道の民謡や踊り、三味線、筝(こと)などを披露した。

 ショーの益金は、函館市社会福祉協議会とNPO法人「青少年と伝統芸能を育てる会」に寄付した。 (長内 健)