2012年5月15日 (火) 掲載

◎園児ら270人、釈迦誕生祝う

 函館市仏教会(田中昭宏会長)主催の「花まつり」が14日、函館市の大門グリーンプラザで開かれた。同会の僧侶のほか、函館仏教保育教会に加盟する市内7幼稚園の園児ら約270人も参加。お釈迦(しゃか)様の誕生を祝った。

 花まつりは通常、釈迦の誕生日と伝えられる4月8日に行われるが、函館では毎年、寒さが緩むこの時期に開催している。この日は初めに、園児が保護者らとともにJR函館駅前から同プラザまで稚児行列をした。烏帽子(えぼし)や天冠(てんがん)を頭にかぶり、きらびやかな衣装に身を包んだ子どもたちに、市民らは拍手を送り「頑張ってね」と声援を送っていた。

 続く法要では、設置された花御堂の誕生仏の前で、田中会長がお釈様の誕生を祝う表百文を読み上げた後、僧侶に続き、各園の園児代表が誕生仏の頭上から甘茶を注いで手を合わせた。最後に園児を代表した2人が「これからもお釈迦さまの教えを守り、元気で心優しい子どもになります」と誓いを述べた。(山崎純一)



◎札幌延伸「並行在来線経営分離」、国が同意確認手続き

 北海道新幹線の札幌延伸に関し、国土交通省は正式認可・着工に向け、函館—小樽間の並行在来線経営分離の同意確認手続きに着手した。14日午前、同意の取りまとめ窓口となる道庁に確認文書が郵送で届き、1週間〜10日をめどに函館市など沿線15市町の同意を取りまとめ、同省に回答する方針。

 道によると、11日付の国土交通省鉄道局長名の同意確認文書が郵送で届いた。14日に札幌で開かれた道新幹線建設促進期成会の幹事会に出席した函館市や北斗市など6市町に直接文書を手渡しており、欠席した自治体には速達で郵送した。

 新函館(仮称)延伸に伴う江差線五稜郭—木古内間の経営分離時(2005年)は、国交省が直接沿線自治体に文書を送付したが、今回は各市町が文書を作成し、道を経由して回答する。その後、国から道への事業認可に関する手続きを経て認可・着工が決まる運び。JR北海道は既に、国に対し新幹線完成後に営業主体となることに同意している。

 ただ、現在国会で審議されている社会保障と税の一体改革関連法案の動向や、参院で問責決議が可決された前田武志国土交通相の去就などの面から、今月中の認可・着工は微妙な情勢となっている。

 函館市は昨年末、商工会議所や町会連合会などからの反対意見が根強かった中、工藤寿樹市長が同意を表明した経緯がある。今回は15日午前に市議会各会派の代表者に報告した上で同意する旨を回答する考え。また北斗市は「文書が手元に来たら、具体の対応を考える」としている。(千葉卓陽、山崎大和)



◎自死遺族の会 来月発足へ

 家族を自殺で失った人が悲しみや苦しみを語り合う自死遺族の集い「道南わかちあいの会あかり」が6月、函館市内に発足する。昨年2月に設立した自殺予防ネットワーク組織「道南いのちと心を考える市民ネット・あかり」が中心となって会の立ち上げを進めてきた。初回の集いを6月9日午後2時から市総合保健センター(五稜郭町23)で開く。

 同ネットは、福祉や精神保健などの分野で相談ボランティアを行う市民団体などが参画。行政と連携した自殺防止の啓発の他、自死遺族の集いの立ち上げを目指していた。自死遺族当事者を含め10数人で運営していく考え。7月以降、同センターで第2土曜に開くことにしている。8月は休み。

 4月下旬、NPO法人全国自死遺族総合支援センターの杉本脩子代表と南部節子事務局長を講師に招き、自死遺族の集いスタッフ養成研修会を開講。あかりの構成団体の関係者や自殺対策を担当する行政職員約50人が出席し、講義やグループワークを通して、自死遺族を支えるための心構えなどを学んだ。

 杉本代表は自死遺族同士が語り合う意義について@一人ぼっちではないという安心感が得られるA他の仲間の実体験を通し学ぶことができるB言葉にすることで気持ちの変化が得られる—とし「気持ちの中で故人との出会い直しや、その後の人生を組み立て直すきっかけにつながる」と述べた。

 同ネットの竹花郁子代表は「自死遺族の方が安心して語り合えるよう運営していきたい」と話している。

 集いへの参加は無料。希望者は直接会場へ。問い合わせは市立函館保健所生涯保健福祉課TEL0138-21-3077。(鈴木 潤)


◎函館タナベ食品、モンドセレクションで8年連続入賞

 水産加工品製造・販売の函館タナベ食品(函館市桔梗5、田辺元久社長)の商品8品が、国際的な食品コンクール「モンドセレクション2012」で最高金賞を含む賞を獲得した。同社にとって入賞は8年連続。田辺社長は「毎年改良を重ねており、味や品質、こだわりが総合的に評価された」と喜ぶ。

 モンドセレクション(本部・ベルギー)は食品の品質向上を目的に1961年に創設された品評機関。コンテストは「食のオリンピック」とも称され、毎年国際的な審査員が品質や味などを審査する。

 同社は設立間もない05年からブランド力向上などを目的に出品し、毎年受賞数を増やしている。今回は主力の「いかしゅうまい」と「帆立(ホタテ)しゅうまい」「カニしゅうまい」の3品が最高金賞を受賞。「無着色たらこ」や「まるごといかしゅうまい」など4品が金賞となり、成長しきる前のマコンブを使用した「昆布(コンブ)の若芽」は銀賞となった。

 原材料にはイカや海洋深層水塩、小麦、卵などに道内産を用いるこだわりを持っており、しゅうまいでは現在もすり身や皮などの改良を重ねている。田辺社長は「職員には『日々進化しよう』と言い続けており、この姿勢が評価につながった」と受け止める。今後も「今ある商品のおいしさを追求し、販路拡大を目指す」とした。(斎藤まや)


◎函館市、補助金見直し本格着手

 函館市は行財政改革の一環として、各種団体や催事などに支出している補助金の見直しに本格着手する。18日に外部委員による検討委員会を立ち上げ、今秋をめどに提言を得たうえで要綱策定に着手する方針。市は「支出に関する一定のガイドラインを設け、必要なところに必要な予算を配分する仕組みを構築したい」と話している。

 市が支出する補助金は@国や道の制度に基づくものA各種団体の運営に充てるものBイベントや祭りの実施に際するもの—に大別される。本年度は当初予算ベースで234件、総額21億7500万円を支出している。

 補助金のあり方をめぐっては昨年度の事業仕分けで議題に上り、仕分けで廃止判定された教職員福利厚生事業補助金を昨年度限りで打ち切るなど、本年度予算では総額1億円余りを削減している。

 市財政課によると、これまでは各団体の収支計画を見ながら、要望に基づいて支出額を決定してきたといい、仕分け委員からは「支出に対する効果の検証が全くない」などと、第三者による外部評価や、支出要綱策定の必要性が指摘されていた。

 これらを受けて設置する検討委は、学識経験者と税理士、企業経営者の5人で構成する。月1回のペースで最低5回の開催を予定。今秋に原案を提示する予定の「新たな行財政改革プラン」に合わせて、9〜10月をめどに市長に対し、補助金のあり方を提言してもらう趣向で、市は要綱をまとめた上で2013年度の予算に反映させる方針だ。

 同課は「これまで支出状況は確認してきたが、費用対効果の評価や検証ができていないのが現実。検討委には支出の際のガイドラインとともに、行政側のチェック体制構築に関して、専門的な見地からの意見をいただければ」と話している。(千葉卓陽)