2012年5月18日 (金) 掲載

◎函館市内の診療放射線技師4人がX線CT認定資格を取得

 函館市内の4人の診療放射線技師がこのほど、NPO法人「日本X線CT専門技師認定機構」(東京)が認定するX線CT認定技師の資格を取得した。4人は、砂子豊晴さん(41)=脳神経セントラルクリニック=、竹内岳さん(40)=函館市医師会病院=、佐藤大樹さん(33)、大須田恒一さん(28)=以上函館五稜郭病院=で、「取得を契機に診療放射線技師としての業務をさらに充実させていきたい」としている。

 同NPO法人は日本放射線技師会と日本放射線技術学会、日本医学放射線学会からの代表が参画して設立した組織で、コンピューター断層撮影装置(CT)による検査技術のレベルアップを図っていこうと、同認定技師の資格制度を創設。今年3月、1回目の認定試験が全国7カ所で行われ、砂子さんら4人は札幌で受験した。改行 試験はCTにかかわる択一式の50問が出題され、撮影技術だけでなく機器の管理や放射線の安全性に対する設問も出された。

 4人とも「今の実力を知ることができ、自信が深まった」「基礎を見直すきっかけになった」と振り返る。

 CTは放射線を使って体の断層画像を作製する検査。近年は断面像だけでなく3次元の立体画像も可能となっており、性能は高まっているが、昨年の東京電力福島第一原発の事故以来、放射線への不安感を抱く人が増えているという。砂子さんらは「安心して検査を受けてもらえるよう啓発もしていきたい」と話している。(鈴木 潤)



◎19日から恵山つつじまつり

 60万本のつつじが紅く咲き誇る毎年恒例の「第44回恵山つつじまつり」(実行委主催)が19日から6月3日まで、つつじ公園など恵山山麓一帯で開かれる。今年は27日にイベントを開催し、仮面ライダーのキャラクターショーやお笑い芸人のステージなど、盛りだくさんの催しを用意している。

 キャラクターショーは同山麓の特設会場で開かれ、子どもに人気の仮面ライダーフォーゼが登場。午前10時半と午後1時半からの2回に分けて行われる。お笑い芸人は歌手の松任谷由実のものまねで知られる、なかじままりさんを招く。同会場で正午から開く。

 このほか、地元特産の根ボッケや甘エビ、ツブなどの海産物即売会(数量限定)を実施。ポニーの乗馬体験も用意している。時間はいずれも午前10時から午後3時まで。雨天決行。27日以外は屋台が並ぶ。

 昨年は16日間で約4万人が来場。イベント日は約3600人が訪れた。実行委は恵山町町内会連合会や函館東商工会などで構成し、今年も地元団体が盛り上げる。恵山支所によると、今年のつつじは5月末ごろから6月上旬にかけて満開を迎えるという。改行 同支所は「初めて満開の恵山のつつじを見た人は誰もが鮮やかな色に驚く。海の青とのコントラストも見事で、ぜひ多くの人に来てほしい」と呼び掛けている。駐車場は550台分ある。(後藤 真)



◎柔道事故予防へ 安全対策問題なし…函館市教委が調査

 本年度からの中学校での武道必修化に伴い、函館市教委は16日、柔道を選択する市立中学校を対象とした指導体制に関する調査結果をまとめた。柔道を選択するのは28校中18校。いずれの学校も2学期からの授業に向けて問題はなく、指導体制の整備や安全性確保に向けた準備を進めている。

 武道必修の対象は1、2年生で、柔道の授業は年間平均8〜10時間を予定。暑さや行事の重なる1学期を避け、すべての学校が2学期から行う。

 調査は4項目。▽一定の指導歴または研修歴を持った教員が指導する体制が整っている▽段階的な指導など安全確保に留意した授業計画になっている▽設備が整っている▽事故発生時の応急処置や連絡体制の方法を共有している—かどうかを調べた。

 その結果、設備以外の3項目で18校が問題がないと回答。整備は畳の設置が主だが、以前から選択していた6校以外は2学期までに整えるとしている。指導体制などは、2月に市中体連が主催となって実施した実技研修での経験や、1学期中に道教委が開く研修などをふまえて回答したとされる。

 柔道については事故の危険性の高さが指摘されている。ほかの武道やスポーツと比べ後頭部を打つなどのケースがあり、死者も出ている。現場からは指導体制を万全とする一方、受け身の習得に時間が掛かるとの声が上がっており、安全性の確保について神経をとがらせている。

 30代の男性教諭は「指導については研修に出ているので基本的な部分は押さえているが、危険性の高い大外刈りや早めの乱取りはなるべく避けたい」とする。加えて「1年生のうちは礼儀や受け身、寝技など手順をふんだ指導をすることが大事」と話す。

 市教委は「柔道の経験がなく研修に参加しても指導に不安を覚える先生は、柔道連盟など外部の専門家らでバックアップできる。無理のない段階的な指導をすることで事故は防げるはず」としている。(後藤 真)


◎新幹線開業前の優先事業 「鉄道アクセス充実」最多…対策機構が事業者アンケート

 北海道新幹線新函館開業対策推進機構(会長=永井英夫函館商工会議所副会頭)は16日、「道新幹線新函館駅開業に関するアンケート」の調査結果を公表した。開業前に優先して取り組むべき事業を聞いたところ、「新函館駅・現函館駅間の鉄道アクセスの充実」が最も多くを占め、次いで「函館観光の質の向上」が挙がった。同機構は「函館地域での開業対策の重要度が明確に示された結果」と受け止める。

 優先すべき事業は、新幹線開業に向けたアクションプランに盛り込んだ内容を項目とした。複数回答で、上位には「鉄道アクセスの充実」「観光の質向上」のほか、▽全市民を挙げて観光客を迎える態勢づくり▽地域の未来を担う人材の定着▽中心市街地へのにぎわいの誘導・創出—などが続いた。

 新幹線工事に関係する売り上げの有無では、81・4%が「ない」と回答。「ある」(14・5%)と回答した事業者は建設業が中心だった。

 新函館駅開業への期待は、60・6%が期待する一方、これまでに開業に備えて事業計画や経営強化策を見直した事業者は5・7%にとどまり、「計画・実施するつもりはない」は32・8%と受け身の姿勢が目立つ。

 このほか「検討したいがどうすればよいかわからない」(19・2%)や「検討中、今後検討したい」(40・1%)が相当数を占めたため、同機構は「数年後の開業を実感として捉えにくいのではないか。今後は事業者が自主的に経営強化策に取り組めるような支援策、環境作りを積極的に行っていく」とした。

 アンケートは函館商工会議所の全会員事業所2466社を対象とし、うち317社から回答を得た。回答率は12・9%。

 調査結果は21日から同機構ホームページでも公開する。(斎藤まや)


◎バキバキ食べて…「なとわ・えさん」で20日直売会

 函館市えさん漁協(高島武俊組合長)の尻岸内ほっけ刺網部会(佐藤光行部会長、9人)は、春の盛漁に入った「海峡根ボッケ・バキバキ」の直売会を、20日午前9時から道の駅「なとわ・えさん」で開く。今年は不漁で開催が危ぶまれたが、ここにきて漁模様が上向いており、販売できるめどが立った。恵山の旬の味を手に入れる貴重な機会となりそうだ。

 バキバキ漁は例年、春と秋に行われる。直売会は毎年この時期に開いていて、いつも完売する人気イベント。当日は午前8時から整理券を配る。1箱(5キロ)2000〜4000円の浜値で売る。前日がしけだと、中止になる場合も。

 バキバキは独自の漁法と鮮度管理により、刺し身では食べられないとされたホッケの常識を覆したブランド品。一匹ごとにえらに「海峡根ボッケ・バキバキ・恵山産」と書かれた緑のタグを付け、地元市場に出荷される。

 同部会によると、今年の春漁は不漁が続き、現在は9隻で1日平均の水揚げは150枚(1枚=5キロ入り発泡スチロール箱)前後で、例年の約10分の1。このため価格は高値で推移している。1匹500〜600グラムで魚体は大きめ。

 佐藤部会長(41)は「鮮度抜群で刺し身でも食べられるホッケ。お客も多く、期待に応えたい」と話す。問い合わせは同部会TEL090・7653・7383へ。(山崎大和)