2012年5月22日 (火) 掲載

◎「ガゴメ」ブランド守れ 連合が認証シール発行へ

 函館沿岸を中心に生息するガゴメコンブ産品を開発・販売する企業などでつくる「函館がごめ連合」(布村重樹代表、37社)が、認証シール「箱館がごめ」を作り、6月から発行する。連合加盟企業の商品で、認証基準をクリアした目印。ガゴメの浜値の上昇に伴い取り扱う業者が増えており、認証制度を導入することで粗悪品や模倣品を締め出す狙いだ。

 同連合として統一ロゴマークの使用は初めて。加盟37社のうち、物販商品を製造している25社(約150種類)から申請のあった商品ごとに認証し、シールを張る。布村代表は「需要拡大に伴いガゴメの浜値は昨年度、1等級以外の等級でマコンブを上回った。今後は偽物商品が出回る可能性があり、ブランドを守るための仕掛けが必要」と強調。道の事業を活用、昨年度からロゴマーク使用を検討してきた。現在はシール(25_×28・4_)を印刷中で、6月上旬にも認証商品第1号が誕生する。

 同連合ブランド協議会(委員長・安井肇北大大学院教授、11人)が「函館エリアで収穫されたガゴメコンブであること」など独自基準10項目すべてを満たす商品を認証。認証を受けた企業は、同連合の専門店「ねばねば本舗」(若松町、石原健店長)以外に卸す商品の売り方も指導する。基準違反があった場合は認証を取り消す。

 健康や美容に良いとされるぬめり成分「フコイダン」をマコンブの2倍含むガゴメを使った商品は、乾物や松前漬けのほか、あめ、せっけん、化粧水など多彩。取り扱い店の増加により「賞味期限を表示しないなど、一部で問題のある売り方も見られる」(同連合)という。  布村代表は「シールは間違いのない商品の証し。ブランド価値が認められ、販売価格の上昇につながれば」と期待を込める。

 函館市農林水産部によると、ガゴメの昨年度の市内生産量(天然、養殖の合計)は315d、生産額は8億6518万円、平均単価は2740円。2003年度に比べ生産額で3億2564万円、単価で810円それぞれ増えている。(山崎大和)



◎「世紀の天体ショー」市民も注目

 太陽が月に隠されて指輪のように輝いて見える「金環日食」が21日朝、九州南部から東北南部までの太平洋側の広い範囲で観測された。函館は金環日食にならず、太陽が大きく欠ける部分日食が見られ、市内の学校では「世紀の天体ショー」に注目していた。

 函館で部分日食が始まったのは午前6時半ごろ。太陽の右上から欠け始め、同7時10分ごろには右半分の約51%が欠けた。最大食は同7時46分ごろで85・9%と大きく欠けた。市内西部地区では雲に掛かることはなく、三日月のように細くなった形が確認された。その後、光量は徐々に戻り、同9時14分ごろに終了し、元の丸い太陽に戻った。

 国内で次に、金環日食が観測できるのは2030年6月1日で、今度は北海道で見られる。



◎副会長に東氏と本間氏 函館国際観光コンベンション協会

 函館国際観光コンベンション協会(会員数544、渡辺兼一会長)は21日、本年度の総会を函館市若松町のロワジールホテル函館で開催。間近に迫った道新幹線の新函館駅開業を見据え、これまで4人だった副会長の定数を5人に増員して態勢を強化した。1人が空席だったため、新たに函館空港ビルデング社長の東陽一氏(58)と函館山ロープウェイ社長の本間秀行氏(62)を副会長に選任した。

 副会長となった東氏は「観光という函館の主産業の一翼を担う者として頑張ってまいります」とあいさつ。本間氏は「函館山観光の担い手として、新幹線時代に向け取り組みます」と述べた。

 渡辺会長は、ことしが函館市政施行90周年やシンガポール政府観光局との姉妹提携20周年の節目に当たり、ミシュランガイドへの飲食店情報の掲載、JR北海道のキャンペーンが予定されていることなどを示し、「明るい話題があり、引き続きプロモーション事業やホスピタリティーの向上に努めたい」と述べた。

 本年度の事業は、函館市旧イギリス領事館の開館20周年記念事業や、シンガポールでのプロモーションなどを計画。函館市が周年事業として計画するイベント・グルメサーカスへの協賛、函館山ロープウェイ休業中の車両規制について提言を予定する。

 また観光表彰で12人1団体を表彰した。受賞者は次の通り(敬称略)

 【観光事業功労者賞】寺坂伊佐夫、高田嘉七

 【観光事業優良従業者賞】橋本博憲、村上昭宏、藤島茂樹、石田久美子、松居百合子、辻口祐二、近藤典子、山本庸子、長谷川勝男、武田明宏

 【感謝状】箱館会   (斎藤まや)


◎勤務日数と時間区切り減免 職員用駐車場有料化

 函館市は7月1日から実施する、学校など市所有施設での職員用駐車場有料化に関する規則をまとめた。条例改正では定めていなかった減免措置を講じており勤務日数と時間を区切って、駐車料金を減免する。

 市は市有財産の管理適正化を図る目的で、教職員や指定管理者などを含めた職員の駐車場有料化に踏み切り、今年3月の市議会で財産条例の改正が可決されている。

 駐車場使用料は市街化区域と隣接施設(赤川小、赤川中など5カ所)で月額3000円、市街化区域外は同1000円。教職員に対しては自家用車を公用で使っている実態を考慮し、3分の1を減免。市街化区域で2000円、区域外で700円としている。

 また減免措置は▽勤務日数が1週間中5日未満か、勤務時間が1日4時間半以下▽身体障害者で自動車以外での通勤が困難—な場合に全額を減免し、複数で同じ駐車スペースを共用する場合は利用人数で案分する。

 対象は約2860台とみており、市は7月からの9カ月間で約5100万円の使用料収入を見込む。市教委は22日まで校長会を行って各学校に説明する。これに対し、北教組函館支部は「学校現場に1台も公用車が配置されておらず、有料化は認められない」として反発している。市財務部は「3分の1の減額規定を具体的に整備することで配慮した」としている。 (千葉卓陽)


◎駅前広場 花いっぱいに

 函館市が、JR函館駅前広場の植樹帯に花を植栽する「函館駅前花いっぱい事業」の委託業者が、市内の造園業「桔梗造園」(石川町、山本久明社長)に決まった。6月中にも着手、完成させ、観光シーズンの7〜9月に大門地区につながる広場が色とりどりの花で彩られる。

 市制施行90周年に合わせ、函館の玄関口に彩りを加えようと、市が「駅前環境美化推進事業費」として本年度予算に1000万円を計上。市内の有識者がまちづくりのデザインやコンセプトを考える「函館市美しいまちづくり検討会」で出された提案を初めて具現化する。

 事業は植栽や管理の方法、コンセプトなどを市内の造園業者を対象に提案を公募。市内外の造園の有識者らでつくる選考委員会が17日にり、応募のあった5社から選定した。桔梗造園は「憩い」と「癒やし」をテーマに季節に応じた草花を配した点が評価された。

 花は駅前広場の通り約100bにわたり、計3カ所ある植樹升(583平方b)の北側を中心に植える。色彩豊かなベゴニアやペチュニアのほか、ローマンカモミールなどハーブ類も。通路には円形のプランターも置き、計7000株で彩る計画だ。花壇には五稜郭や船を模したコーナーもお目見えする。

 市緑化推進課は「函館の顔として花を見て楽しめ、市民も観光客も集まる新たな憩いの空間にしたい。駅前から大門への動線を形成し、にぎわい創出につなげたい」としている。今後はアンケート調査や外部評価を踏まえ、来年度以降も事業を継続するかどうか検討する。 (森健太郎)