2012年5月28日 (月) 掲載

◎ツツジ 赤く咲き誇る…恵山でまつり

 19日に開幕した第44回恵山つつじまつり(実行委主催)は27日、つつじ公園など恵山山麓一帯で各種イベントが行われた。函館市内などから約6000人が来場し、あでやかに咲き誇った60万本のツツジを観賞しながら楽しいひと時を過ごした。

 同山麓では主にエゾヤマツツジが自生。恵山支所によると、ツツジは現在、全体の3割程度が満開の状態という。

 この日は天気に恵まれ、昨年の2倍近い人出となった。家族連れやカップルの姿が目立ち、ツツジをバックに記念写真を撮るなどしていた。

 特設会場では、地元特産物の即売会などが行われた。温泉熱と温暖な気候を生かして栽培する「はこだて恋苺(こいいちご)」には多くの客が訪れ、午前中で完売する盛況ぶり。えさん漁協の組合員が販売する海産物も人気を集め、イカやツブ焼きには長蛇の列ができていた。

 家族4人で札幌から旅行で訪れた佐藤泰さん(37)は「ツツジがびっくりするくらいきれいだった。焼きたての海産物もおいしく、来てよかった」と笑顔を浮かべていた。

 まつりは6月3日まで。同支所によると、満開は6月1、2日ごろという。(後藤 真)



◎多数の改善要望 実施はわずか…「通学路の安全」市教委調査

 函館市教委は、市立小中学校の通学路の安全確保に関する調査結果をまとめた。各学校とも一定の安全対策に取り組みながら、道幅の拡幅や信号機設置など改善を要望。しかし、予算などの関係から多くは実施できていない実態が分かった。

 4月に京都府で児童の列に車が突っ込む事故が発生したことなどを受け、16日に各校に調査票を送付。改善要望している点(予定含む)や通学路の点検項目、登下校中に交通事故に遭う恐れのあった事例などを調査した。

 改善要望(複数回答)の項目では、小学46校中18校と中学28校中8校が、車と接触しないための道幅拡幅を要望。信号機の設置は小学17校、中学5校に上った。このほか、横断歩道の設置は小学16校、中学4校で、ガードレールの取り付けも小学12校、中学6校が回答した。

 要望は毎年各学校から市教委に上げており、昨年度は103件が寄せられた。しかしそれを受けて本年度着手する工事は上湯川小と弥生小のガードレール設置などわずか5件ほどで、改善が図られている箇所は毎年少数にとどまっている。

 整備を進める市土木部は「厳しい財政状況の中、用地制約など難しい問題もあるためすべての要望に応えるのは厳しい」と話す。  調査ではこのほか、小学13校、中学6校が、過去に交通事故の恐れのあった事例があったと回答。原因として車のスピードの出し過ぎや運転マナーの悪さが目立った。

 上湯川小では3年前、登下校時の危険箇所を知らせるマップを作成。安全対策に本腰を入れて取り組んでいる学校もあるが、「不意の事故だといくら子どもたちが気をつけていても身を守るのは難しい」(市教委)と運転マナーの向上を呼び掛ける。

 交通量の多い産業道路を通学路にする小学校は「通勤、通学時の自転車が特に危ないので注意を促している。細い道は歩道を広げたくても土地の関係などで物理的に難しいので、常に事故に遭わないための意識を持つことが大切」と話している。(後藤 真)



◎子供歌舞伎の指導、見せ場作りに尽力 市川団四郎さんに感謝状…小松曳山八町連絡協議会

 石川県小松市で開かれる「お旅まつり」の曳(ひき)山子供歌舞伎を長年支えてきたとして、函館子ども歌舞伎を主宰する市川団四郎さん(72)にこのほど、小松曳山八町連絡協議会(縄紘平会長)から感謝状が贈られた。同協議会にとって初の贈呈で、市川さんは「20年以上続けられたのは、小松市の皆さんの支え。頑張ったかいがあった」と喜んでいる。

 市川さんは役者で全国を回っていた10代のころ、当時の曳山子供歌舞伎の関係者と縁があり、役者として第一線を退いた1986年から演技指導を行うようになった。現在は、4月中旬に滋賀県長浜市で開かれる「長浜曳山祭り子ども歌舞伎」で振り付け、舞台指導を3月下旬から行い、長浜市の終了後すぐに小松市に入り、約1カ月間、地元公民館で演技を指導している。

 輪番制のため、子供にとっては4年に1度の出演機会。「一生に1度のチャンスを楽しもうと子供たちは懸命」と市川さん。以前は豪華な曳山や衣装だけが目立ったが、市川さんは伝統を踏まえながら、ステージとは違う曳山ならではの芝居を楽しんでもらうことや、子供たちにそれぞれ見せ場があるように演出を工夫してきた。

 最近は子供たちの熱心さもあって、祭りの雰囲気よりも芝居を楽しもうとする客が増してきたという。この功績が小松市関係者に認められた。感謝状は愛知県の義太夫三味線奏者の鶴澤友枝さん(80)とともに11日に同市役所で受けた。

 市川さんは「私も子供や小松の皆さんから教えられることはたくさんある。これからも良い芝居を残せるように頑張りたい」と意欲を新たにしていた。(山崎純一)


◎エゾシカカレー プロが伝授…普及目指し初の料理講習会

 エゾシカ肉を使ったカレーを普及させようと、市民向けの料理講習会が26日、函館短大付設調理製菓専門学校(柏木町)で初めて開かれた。道南での消費拡大に向け、エゾシカ料理の作り手を育てる狙いで、市内の主婦や学生ら約40人がプロから調理法を学んだ。

 4月に発足した「エゾシカカレーエバンジェリスト(伝道師)協会」(会長・下野茂同校長)の主催。函館大と同専門学校が函館の新たな名物メニュー開発を進めるプロジェクトの一環で、講習会の受講者に試験を受けてもらい、料理の伝道師に認定する。

 この日は市の「食生活改善推進員(ヘルスメイト)」や函大の学生らが参加。同校の吉田徹教頭が講師となり、肉の臭みを消すためにカレー粉で下味をつけることや、焼き過ぎて硬くならないよう火加減に注意することを助言しながら手本を見せた。

 参加者はエゾシカのモモ肉を手際よくさばいたりして1時間ほどで完成させた。函大1年の松村架那さん(18)は「エゾシカ料理は初めてだけど、思っていたより柔らかくて難しい。一人で作れるように自宅でも挑戦したい」と話していた。

 次回の料理講習会は7月13日に同校で開く予定。(森健太郎)