2012年5月30日 (水) 掲載

◎七飯の「たかせ」、1日から「縄文の里カレー」販売

 【七飯】七飯町の土産品企画販売会社「たかせ」(大沼町647、高瀬宣夫代表)は来月1日から、「道の駅」縄文ロマン南かやべ(臼尻町551)などで、函館特産のガゴメコンブや近海のイカを使ったレトルトカレー「はこだて北の縄文の里カレー」を販売する。学術的に価値の高い縄文遺跡のある南茅部地域にちなんで開発したカレーで、高瀬代表は「縄文のロマンを感じながら味わってほしい」と話している。

 同地域のホテル函館ひろめ荘から土産品の相談を受けたのをきっかけに1年ほど前から開発に着手。同地域で発掘された道内唯一の国宝、中空土偶をはじめ縄文土器の茶系色をイメージし、カレーにしたという。

 3月ごろから七飯町内の食品会社で試作を繰り返し、商品を完成させた。縄文遺跡やガゴメコンブの有識者からも協力を受けた。

 角切りにしたガゴメコンブや輪切りにしたイカに、ニンジンやタマネギ、ジャガイモといった道産野菜を具材に使った。コクのある中辛のルーにイカの風味、ガゴメのまろやかなうま味が調和している。オレンジ色を基調としたパッケージは中空土偶を使い、インパクトを与えている。

 「将来的には函館の土産品として定番となれば」と高瀬代表。1袋525円。同道の駅の他、ホテル函館ひろめ荘(大船町832)、ねばねば本舗(若松町19)でも販売。同ホテルではレストランでも食事メニューとして提供。

 問い合わせはたかせTEL0138-67-2469。(鈴木 潤)



◎ツチクジラ照り焼き丼登場、魚いち亭1日から

 函館市水産物地方卸売市場(豊川町)2階の魚市場食堂「魚いち亭」(佐々木博樹代表)は6月1〜19日、道南近海で捕獲されたツチクジラの赤肉を使った新メニューの照り焼き丼と、定番の竜田揚げ定食を提供する。

 市民にツチクジラのおいしさを広めようと、函館水産連合協議会(石尾清廣会長)の鯨(くじら)普及部会(利波英樹会長)と連携し、毎年工夫を凝らしたメニューを開発している。

 照り焼き丼は、竜田揚げに甘辛いたれをからめてご飯の上に載せる。生臭さがなく、柔らかい肉がボリューム満点で「若い人にも食べてほしい」と利波会長。

 竜田揚げは、食べると肉のうま味が口中に広がる。どちらもみそ汁、小鉢、漬物が付いて500円(大盛り700円)。

 利波会長は「ツチクジラは癖がなく、栄養分も優れたヘルシーな肉。こうした機会を通じ、クジラ肉の消費拡大を図っていきたい」と話している。

 今季の漁は25日に解禁され、同日に1頭目が函館港に水揚げされた。

 休市日は食堂も休み。午前7時〜午後2時。問い合わせは同店TEL0138-22-0136へ。(山崎大和)



◎函館山ロープウェイが山麓駅を増設へ

 函館山ロープウェイ(函館市元町、本間秀行社長)は2014年秋に向け、山麓駅の増築やゴンドラの交換、山頂駅施設の内装変更など大規模なリニューアルを計画する。北海道新幹線の新函館駅(仮称)開業を15年度に控え、新幹線時代に合った観光地として生まれ変わる。本年度から着手し、総投資額は5億円以上となる見通し。

 29日に同社の第54期株主総会を函館山展望台で開催し、公表した。  同社は前回1997年にゴンドラを交換しており、老朽化による定期的な更新は以前から予定していた。新幹線時代の幕開けが迫り、函館観光の屋台骨である夜景の観光客を迎える施設として、整備を決意した。

 山麓駅では現在、繁忙期には乗客が玄関前にあふれるなど、乗るまでの動線が課題だった。同社は4月、隣接する約520平方bの土地を取得。現在職員駐車場として利用する土地を合わせ、山麓駅の玄関となる新施設を建設し、現施設とつなぐ。バリアフリーはさらに推進し、スムーズに乗車できるよう工夫する。

 展望施設ではトイレ施設を利用しやすい形に改装し、レストランや売店の床など一部を修繕する。同社は毎年秋に定期点検を行っており、いずれも14年秋の点検後に向けて工事などを進める計画だ。本間社長は「20年を見据えた施設を建てたい」として、今後設計など詳細を詰める。

 11年度の輸送実績は、東日本大震災の影響で前年度比13・2%減の110万5000人。震災直後の上半期(4〜9月)は特に落ち込んで同21・1%減、下半期(10〜3月)は同2・5%減と若干回復した。

 これにより売上高は同10・3%減の10億2907万円と大幅に減少し、営業損失が5933万円の減収減益。最終損失が7036万円の赤字決算となった。同社が赤字決算となるのは88年に第三セクターに移行して以来初となる。  総会では議案3件を可決。新しい取締役に函館空港ビルデングの東陽一社長を選任した。(斎藤まや)


◎函館保健所、放射性物質測定器導入へ

 市立函館保健所は本年度、食品などに含まれる放射性物質を測定できる精密検査機器を導入する方針だ。より詳細に短時間で放射線量を検査できる高性能な機器の導入は道南では初めてで、市内へ流通する食品の安全と安心を確保する狙い。市は6月の定例市議会に購入費約2000万円を盛り込んだ補正予算案を提出し、早ければ年明けからの稼働を目指す。

 同保健所によると、同様の測定器は道内の公的機関では、道立衛生研究所と札幌市衛生研究所にあるのみ。既に渡島保健所などにある簡易型の測定器よりも詳細な数値まで検出でき、「放射性セシウムは1`あたり1桁台まで調べられる」(生活衛生課)という。

 今回導入するのは「ゲルマニウム半導体検出器」。食品に含まれる放射性物質の種類や放射能の強さを測定でき、結果は30分〜1時間程度で判明する。市立函館保健所内にある市衛生試験所に設置し、民間からの依頼があれば、1検体当たり2万円程度で測定を引き受けることも検討している。

 導入の背景には、食品衛生法に基づく放射性物質の新規制値が4月から設定され、飲料水では1`あたり10ベクレルと、震災後に示された暫定規制値の20分の1と厳しくなり、より詳細な数値の検出が必要になったことがある。1台約2000万円の購入費用のうち約920万円は国からの補助金で賄う予定だ。

 今後、補正予算案が市議会で承認されれば、7月にも競争入札で機器を購入。年明けから稼働を始め、来年度から本格運用する。同保健所は「東日本大震災の被災地など17都県産の農水産品などを対象に、市内で二重チェックすることで食品の安全性を高めたい」としている。(森健太郎)


◎木古内エンデューロ、コース10キロ短縮

 【木古内】木古内町で6月16、17の両日に開催するオフロードバイクの耐久レース「サバイバル2daysエンデューロIN木古内」の実行委は、コースを短縮して開催することを決めた。大雨と雪解けの影響で林道が欠損する被害があったためで、1周約40キロのコースを約30キロに変更する。実行委事務局の町産業経済課では「コースは短縮されるが、3年ぶりの大会なので、多くの人に見てもらいたい」と話している。

 自然を生かした起伏のあるコースを走る過酷なレースとして知られている同大会だが、2010年が家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)の拡大で、11年は東日本大震災発生による出場者減少で大会開催を断念している。

 実行委は当初、中野〜亀川地区の林道など全長約40`のコースを予定していたが、今月3、4日の大雨と雪解けに伴う増水で国有林内の林道のが崩落する被害があった。関係機関との協議の結果、林道の一部は復旧が困難と判断し、コースの短縮を決めた。

 3年ぶりの大会には全国から104人のライダーがエントリーしており、道内をはじめ、遠くは奈良県など本州の各地から選手が集合する。町内からは3人が出場を予定している。

 16日朝に役場駐車場で開会式を行った後、ライダーがパレードをしながらコースに向かう。競技開始予定時間は16日が11時、17日は午前8時を予定。6つのクラスに分かれ、タイムを競う。

 同課では「レース開始前のパレードでは、沿道から選手を応援してほしい」と話している。コース内は入場禁止で、大会本部施設周辺でのみ観戦できる。問い合わせは同課TEL01392-2-3131。(松宮一郎)