2012年6月18日 (月) 掲載

◎道産子・武田選手V 高松宮記念杯競輪

 競輪の「第63回高松宮記念杯」(GT)は最終日の17日、市営函館競輪場(金堀町10)で行われ、第11レースの決勝ではオホーツク管内斜里町出身の武田豊樹選手(38)が優勝し、北海道初のGT開催に花を添えた。

 武田選手はソルトレイクシティー五輪(2002年)のスピードスケート日本代表として活躍後、競輪選手に転向。決勝では第4コーナーで3番手から中を突いてゴール。「故郷北海道での開催が決まった時から、優勝を心に決めていた。願いがかなってうれしい」とファンの大声援に応えた。

 この日は6697人が来場。4日間の入場者は1万5997人で、同競輪場が2002年に改修されて以来、最高となった。売上金は103億4436万1600円で、目標としていた100億円を上回った。

 函館を拠点に活躍した元競輪選手藤巻昇さん(64)は「売り上げが目標に達し、地域活性につながってくれたと思う」と喜んでいた。閉会式で工藤寿樹市長は「より多くの人に競輪を楽しんでもらえるように努力していきたい」と話していた。  (山崎純一)



◎日新中の思い出 教室にいっぱい メモリアルルーム開設

 函館市戸井地区の函館日新中学校(安達幹彦校長)は、初代校旗や卒業記念文集、アルバムなど学校の歴史を振り返る品々を展示する「メモリアルルーム」を近くオープンさせる。「伝統ある日新中学校の歴史の1nを振り返ってもらえれば」と安達校長。25日午後2時半から完成披露式を開く。

 空き教室を利用した同ルームには、これまでに生徒が獲得したトロフィーや楯、旧校舎を撮影した航空写真など、当時の学校や町の様子を物語る貴重な品が数多く並び、懐かしい思い出がよみがえる空間になっている。

 なかでも珍しいのは1958(昭和33)年の卒業アルバム。同校によると「その当時、卒業アルバムを制作する学校はあまりなく、珍しいのではないか」という。

 安達校長が「卒業生が学校を訪問したときに、思い出の品を気軽に見れるような場所があれば」と考え、以前赴任していた学校を参考に、今年春ごろから開設準備を進めてきた。ルームには、同校の倉庫などに所蔵されていた記念誌や写真、大漁旗など数百点の大半が展示されている。

 オープン後は、学校の授業日は常時開設する。安達校長は「戸井町の時の財産を後世に伝え、新しい伝統と歴史を地域に向けて発信していきたい」と話している。

 同校は1947年に戸井町立日新中学校として、旧日新小学校の教室を借りてスタート。51年に校舎が現在位置に竣工。79年に新校舎になり、2004年の函館市との合併で市立に。これまで3701人(3月現在)の卒業生を送り出している。 (平尾美陽子)



◎エンデューロ 歴史に幕

 【木古内】全国の選手が集うオフロードバイクの耐久レース「サバイバル2daysエンデューロIN木古内」(町、町観光協会主催)は17日、2日目のレースを行った。2日間のタイムが4時間40分51となった鈴木健二さん(静岡県磐田市)が総合優勝に輝き、25回続いたレースの歴史に幕を下ろした。

 町中野に開設した全長36`の特設コースを周回してタイムを競った。1日目は3周(初心者クラスは2周)、2日目は4周(同)。

 酷なレースを制した鈴木さんは05年にも同大会で優勝している。準優勝は渋谷清幸さん(福島県南相馬市)、3位は近藤有介さん(山形市)で、いずれもA(スーパーエキスパート)クラスでも同順位だった。また道南勢で最も健闘したのは知内町の大森亘さんで、総合6位となった。

 B(エキスパート)クラス以下のクラス別順位は次の通り。(敬称略)

 Bクラス@山西利康(神奈川県厚木市)A渡辺正弘(宮城県村田町)B安部数彦(千葉県松戸市)▽Cクラス@毛利真悟(函館市)A木下淳(富山県滑川市)B川口政秀(奈良市)▽Dクラス@重富哲(苫小牧市)A香高弘樹(函館市)B袴田真滋(大阪府枚方市)▽Eクラス@小板弘招(北斗市)A野口秀行(函館市)B斉藤章浩(横浜市)▽Fクラス@福田雅美(札幌市)A石井敏之(中頓別町)B西川修平(福島県郡山市)        (斎藤まや)


◎まずまずの出だし スルメイカ漁

 今月1日解禁の道南スルメイカ(マイカ)漁は中旬以降、本格化する見通しだ。上旬の漁獲量は昨年同期を上回るも、過去10年平均よりは少ない。日本海での群れの北上が遅れているのに漁模様がそれほど悪くないのは、沿岸寄りに漁場がうまく形成されているためとみられる。漁業者は「まずまずの出だし」と受け止め、盛漁期に向かって好漁を期待する。

 函館港の近海生鮮釣りイカ漁獲量は今月上旬41.8トン。記録的な不漁だった昨年同期の2.7トンをはるかに超えるが、2010年同期の50.1トンを下回る。過去10年平均(02〜11年)の49.6トンと比べても少ない。

 今季は日本海全体の資源量が高い水準にあると予測され、さらに漁場が松前沖に形成されているのが現状。漁場形成がうまくいっている理由について、道総研函館水試(湯川町)の澤村正幸研究主任は「日本海は沖合の海水温が冷たく、沿岸が暖かい。このためイカの群れが沿岸沿いに北上してきて、沿岸寄り(松前沖)に漁場が形成されていると考えられる」と指摘。同水試の調査船「金星丸」が5月18日〜25日に日本海で行った調査でも、沖合に低水温の海域が昨年より広がっていることが確認された。

 今後の漁模様について、澤村さんは「松前沖も含めて日本海全体の表面水温は平年より高いため、群れの来遊に伴いこれから徐々に漁獲が上向くだろう。ただ、水温があまり高めに推移すると、群れの通過が早まったり、群れが沖合を通って沿岸に漁場が形成されにくくなる可能性があるので、注意が必要」と話している。

 金星丸は今月20〜28日に桧山沖の日本海で、釧路水試(釧路市)の調査船北辰丸が17日まで道南太平洋でスルメイカ漁場調査を行う。スルメイカは、例年だと今月下旬から7月上旬にかけて太平洋側に群れが来遊する。(山崎大和)


◎乳がん検診 受診PR

 乳がん検診の啓発イベント「ピンクリボンフェスタ2012in函館」が17日、金森ホール(函館市末広町14)で初めて開かれ、大勢の市民が楽しみながら乳がん予防の知識を学んだ。

 乳がん検診受診の啓発団体、ピンクリボンin函館「Team PINK(チームピンク)!」(川村佳子代表)と国立病院機構函館病院(伊藤一輔院長)の主催。

 冒頭、伊藤院長が「このイベントを通じて検診の大切さを理解してほしい」とあいさつ。同病院の乳がんサポートチーム「こむろ一座」の医師や看護師、管理栄養士が乳がんの予防をテーマに講演。小室一輝外科医長は乳がんの発症状況を示しながら「年代を問わずに誰にでもなり得る病気。定期的に乳がん検診を受けて」と早期発見早期治療の重要性を強調した。また、函館市健康増進課の職員も乳がん検診の無料クーポン券の利用を呼び掛けた。

 笑顔自慢が集う「ピンクリボンスマイルコンテスト」には5人が出場。大賞に輝いた柏木商店会長の田島浩さん(58)は「(受賞は)照れるけどうれしい。いつも笑顔でいられるよう健康に気をつけています」と話していた。

 この他、函館日吉が丘小合唱団のミニコンサートや健康と美容をテーマにした有識者の対談も行われた。医療機器体験・健康相談コーナーや、ハンドマッサージや化粧などの美容体験コーナーもあり、こちらもにぎわいを見せていた。 (鈴木 潤)