2012年6月20日 (水) 掲載

◎イカール星人 DVDで大暴れ シンプルウェイ 新作長編映像、先行予約開始

 函館市本通の企画会社「シンプルウェイ」(阪口あき子社長)は、函館の観光キャラクター「イカール星人」の新作映像のDVDを作製し、15日から全国のコンビニエンスストア「ローソン」で先行予約を始めた。イカール星人などのキャラクターが函館を舞台に大暴れする25分の長編≠ナ、阪口社長は「空撮を敢行するなどスケールは過去最大。痛快な作品に仕上がった」とPRしている。

 イカール星人は動画投稿サイト「ユーチューブ」でも注目を集めており、数多くのファンからの要望を受け、DVD製作を決めた。これまでは3〜5分の作品が中心だったが、25分の大作に挑戦した。

 舞台は1971年の函館。イカール星人に立ち向かうのは「ハマデ式・対イカール星人用光線兵器」で、東和電機製作所(函館市吉川町)が開発した「自動イカ釣り機」をモチーフにした。71年という時代設定もイカ釣り機の販売を開始した年にちなんだ。「世界シェアの7割を占める函館の偉大な発明品を紹介したかった」と阪口社長。

 また、旧函館ドックの大型クレーンや旧弥生小学校が登場するなど、市民が見ると懐かしさでニヤリとする場面が随所にあるのも見どころ。阪口社長は「函館を知らない人はもちろん、多くの市民に見てもらいたい。続編のアイデアもまとまっている」と話している。

 2480円。先行予約は7月19日までローソンの情報端末「Loppi(ロッピー)」でできる。本編のほか25分の特典映像が入っている。予約特典としてオリジナルポストカード3枚組が付く。店頭での受け渡しは7月31日から。問い合わせは同社TEL0138-86-7601。(松宮一郎)



◎津軽海峡横断 レッドモンドさん遠泳断念 「必ず戻る」再挑戦誓う

 世界7海峡の単独遠泳に挑戦中のアイルランドの男性スイマー、ステファン・レッドモンドさん(46)が19日、残る一つとなった津軽海峡横断について記者会見を開き、今回のチャレンジは断念すると発表した。レッドモンドさんは「必ず戻って来る」と意欲をみせた。

 今回のコースは青森下北半島の佐井村から戸井地区までの約40キロ。レッドモンドさんは10日に函館入りし、これまで2回横断遠泳に挑戦したが、16日は風など天候で泳ぎきることができず、18日は早朝から水温約13度の冷たい海を13時間ほど泳いだが潮流に阻まれて進むことができなかった。

 レッドモンドさんは断念した理由を「海水温が低く潮の流れもきつかった。このために3年間準備してきたので悔しいし、残って再挑戦したい気持ちもあるが、天候や潮流、金銭面などさまざまな事情を考慮した」と語った。津軽海峡については「これまでの6海峡も大変だったが、(津軽海峡は)潮の流れが早くて地獄のようだった」と振り返り、支えてくれた関係者や地元の人たちには「親切にしてくれてありがとう」と感謝した。

 挑戦を支援する「津軽海峡遠泳協会」の石井晴幸代表(59)は「成功させてやりたかった」と悔しさをにじませたが、「今後も彼の気持ちに十分応えられるようサポートしていきたい」とした。

 7歳から遠泳を始め、「横断は人生そのもの」というレッドモンドさん。挑戦中は視界が狭くなるため、同伴する船しか見えない孤独な戦いだった。そんな中、家族や友人、クルーを心で思って泳いでいたという。「たくさんのことを学びいい経験ができた。次回に生かしたい」といい、最後に日本語で「あきらめません」と力強く話した。(小杉貴洋)



◎節電目標「全体で7%以上」 函館市、行動計画近く策定 医療・福祉施設は対象外に

 函館市議会の第2回定例会は19日、一般質問を継続し、6氏が質問に立った。函館市は今夏の節電対策について、7月2日から9月28日までを対象期間とした「函館市節電行動計画」を近く策定し、医療機関や福祉施設を除く公共施設で10%以上の節電を目指す方針を明らかにした。

 道畑克雄氏(民主・市民ネット)への答弁。改行 政府や道などが道内で電力需給が逼迫(ひっぱく)する今夏に向け、猛暑だった2010年比で7%の節電を要請していることを受けた措置。本庁舎や支所、文教施設、小中学校など市の施設200カ所以上が対象で、時間は平日午前9時〜午後8時まで。

 具体的には事務室を中心に照明の間引きや照度の引き下げ、空調の停止、昼休みや外勤時に事務機器の電源を切ることなどを徹底し、10%以上の削減を目指す。医療機関や老人福祉施設などは安全管理上の問題もあり、節電の計画対象から外し、可能な範囲の取り組みにとどめる。

 市環境部によると、公共施設の夜間ライトアップについては「電力の使用がピーク時間帯ではなく、節電効果が薄い」(環境総務課)として継続する方針で、小柳辰夫環境部長は「総体として7%以上の節電目標を達成できるよう最大限努力したい」と述べた。

 道畑氏は計画停電や施設を利用する市民への影響をただし、小柳部長は「市民サービスへの影響が生じない範囲で可能な限りの節電対策に取り組みたい」と説明。今後は週内にも計画を取りまとめ、市民への広報や啓発に力を入れる。同部によると、市は期間中に節電の実績を検証する予定だが、削減割合は「積算が難しい」として不明としている。

 一般質問には道畑氏のほか、浜野幸子氏(市政クラブ)、工藤篤氏(市民クラブ)、池亀睦子(公明党)、市戸ゆたか(共産党)、佐古一夫氏(市政クラブ)が立った。(森健太郎)


◎道南がれき問題を考える会 独自に土壌調査 放射性物質基準下回る

 道南がれき問題を考える会(長谷川昭一代表)はこのほど、函館、北斗両市と七飯町内の計11カ所で土壌の放射性物質濃度を独自に測定し、調査結果をまとめた。11カ所いずれもセシウムが1`c当たり2〜7・9ベクレルと国の基準を大幅に下回る結果で、長谷川代表は「当初の予想より低い数値。これ以上土壌を汚染させないよう努めるべきだ」としている。

 測定は今月5〜8日にかけて実施し、長谷川代表ら10人が11カ所の検査地の土をそれぞれ約1`採取。愛知県の放射能測定会社に検査を依頼した。

 結果によると、半減期が約30年のセシウム137が10カ所で検出され、最高値は函館市内の検査地で採取した1`当たり7・9ベクレル、最低値は北斗市内の同2・0ベクレルだった。半減期が約2年のセシウム134とヨウ素はいずれも検出されず、長谷川代表は「国の基準を大幅に下回り、健康に与える影響はないとみる。検出されたのは、福島第一原発の事故以前に飛来したものではないか」と話した。

 東日本大震災で発生した大量のがれきを全国の自治体で広域処分する動きが道南でも取りざたされており、同会は放射性物質が飛散したがれきが持ち込まれる可能性があるとして、慎重な姿勢をとるよう訴えている。長谷川代表は「安全な大地を守るためにも汚染物質は持ち込むべきでない。安全な農水産物を生産し被災地に届けることなどが真の被災者支援」と話す。

 今回の検査結果は21日午後6時半からの函館市地域交流まちづくりセンターと、24日午後6時半からの北斗市総合文化センターで開催する講演会で報告する。(鈴木 潤)