2012年6月22日 (金) 掲載

◎黒胡椒、麻婆たらこ開発…鹿部の道場水産

 【鹿部】鹿部町特産のタラコに、中華の要素を取り入れた新商品「黒胡椒(こしょう)たらこ」と「麻婆(マーボー)たらこ」を、丸鮮道場水産(鹿部町宮浜、道場登社長)が開発した。中華料理シェフとして名高い脇屋友詞さん(札幌市出身)と組み、中華のうま味を付与。今月1日から売り出し、順調な滑り出しを見せている。

 同社と脇屋さんを結び付けたのは、2010年秋に開かれた渡島総合振興局主催の「道南食のブランドフェア」。道が委嘱する「食のサポーター」の脇屋さんに商品開発について相談した。試作品を40種類以上作るなど試行錯誤を重ね、約1年半をかけて初のコラボレーション商品が実現した。

 噴火湾産タラコを、脇屋さん特製醤(ジャン)にじっくり漬け込む。食感がなめらかな近海子を使うので、中華のうま味がより際立ち、一度食べると癖になるという。麻婆は山椒(さんしょう)の香りと醤の辛みが絶妙にマッチ。黒胡椒は黒コショウのパンチが効き、醤の辛みがコクのある味を引き出す。

 同社の道場登志男常務は「スケトウダラの商品として新ジャンルができた。新たな需要層の開拓につなげ、中国など海外市場への売り込みも検討したい」と話している。

 価格はどちらも200グラム2940円、400グラム5040円。同社の直売所(宮浜)やWakiya各店舗で販売するほか、雑誌「婦人画報」でも扱う。問い合わせは道場水産TEL01372-7-2523へ。(山崎大和)



◎青森3市と連携強化へ…新幹線開業見据え函館市

 2015年度の北海道新幹線開業を見据え、函館市は青森県の主要3市(青森、弘前、八戸)との連携を強化する。新幹線で新函館駅(仮称)と新青森駅が1時間足らずで結ばれることから、市観光コンベンション部は「青森と組むことで、道央圏に匹敵する広域観光ルートの構築を図りたい」とし、札幌でのPR活動やイベント展開を加速させる考え。併せて北斗市、七飯町とも連携し、年明けをめどに台湾への観光プロモーションを実施する意向だ。

 函館市は今年2月、青森、弘前両市との合同で台湾への観光プロモーションを実施。青森とはツインシティーとして¥20¥年以上連携しており、ともに韓国・ソウル(仁川)との直行便が就航している。弘前とは商工会議所同士が観光を軸とした連携を始めており、行政間でも交流を強めている。

 市はまた、八戸市に対し今年9月に駅前、大門地区で開く食をテーマとしたイベント「はこだてグルメサーカス」への参加を要請した際、同市からさまざまな面での連携を求める意向が示されたという。今週末に札幌の大通公園で開く「函館・東北チャリティープロモーション」(実行委主催)にも八戸広域エリアとして参加する。

 同部は「津軽海峡を隔てただけで文化や郷土芸能が異なり、観光圏の形成には有利に働く。本州で夏祭りを見物した後に函館に来てもらうなど、新たなルートを構築できれば」と話す。

 青函の連携強化については先の定例市議会一般質問でも取り上げられた。工藤寿樹市長は台湾への観光プロモーションについて「北斗市、七飯町からも市長、町長が参加したいとの意向を受けており、具体的な協議を進めている。将来的には中国も視野に、具体的な行動を行っていきたい」と話している。(千葉卓陽)



◎合併特例債 5年延長法が成立…函館市教委は歓迎

 合併した市町村が財政上の優遇措置を受けられる「合併特例債」の発行期限を5年間延長する法案が、20日の参院本会議で可決、成立した。函館市教委は新体育館「函館アリーナ」の建設財源に合併特例債の活用を予定しており、「じっくりと仕事が進められる」と歓迎している。

 合併特例債は、1999年度から2005年度末までに合併した自治体に認められる、財政的に有利な借金。事業費の95%に充てることができ、返済額の7割が地方交付税で穴埋めされる。2004年に渡島東部4町村と合併した函館市は、今回の措置で発行期限が2015年3月末から20年3月へと延びる。

 市教委は総事業費63億円のアリーナ建設に際し、当初は工事発注のために必要な実施設計のみを行って特例債の活用期限に間に合わせる方針だったが、延長の動きを見越して基本設計と実施設計を分離していた。オープンは15年7〜8月となる見通し。

 市教委の種田貴司生涯学習部長は「活用期限が伸びなかった場合は、15年3月までに完成させる予定だった。昨年夏から期待していたので助かった」と話す。

 また旧函館北高跡地(日吉町4)もサッカーや陸上競技に対応するスポーツ公園に整備する計画で、14、15年度の2カ年で取り組む考え。同部長は「1カ年でできないわけではないが、屋外施設だけに冬場の工事は避けたかった。ありがたい」としている。(千葉卓陽)


◎「てくてくはこだて」来月から毎日開催

 函館市内の散策コースを観光ガイドの案内付きで巡る街歩きイベント「てくてくはこだて」が7月1日から9月30日まで毎日開催される。3年目の今年は、開催日数を週末限定だった昨年の3・5倍に増やし、ランチやカフェでの喫茶が付いたコースも新設。市民にも観光客にもより利用しやすく工夫した。

 地域の魅力をより深く知ってもらい、滞在型観光につなげようと、市が2010年から開始。昨年は8月中旬から10月上旬の金〜日曜、祝日の開催だったが、今年はJR旅客6社と道などが合同で実施する大型観光キャンペーンの開催期間に合わせ、大幅に開催日を増やした。

 市が策定した散策ルートを観光ボランティアガイドとともに1時間程度歩いてもらう。今年は西部地区を巡る人気の「これぞ王道!函館の魅力凝縮コース」のほか、五稜郭を回るコースや、西部地区で夜間にライトアップされた教会群を訪ねる3コースを毎日開催する。

 毎週日曜は散策後にカフェでの喫茶やレストランでの昼食がセットになったコースを企画し、女性客の利用増を狙う。参加費は500円(小学生以上)で、カフェ付きは1500円、ランチ付きは2000円。所要時間は1時間〜1時間半程度。

 参加特典として市内の飲食店で割引サービスが受けられるリストバンドや、散策ルートをまとめた小冊子が付く。市観光振興課は「毎日開催することで旅行商品に組み込んでもらうこともできる。観光客のリピーターを増やし、市民にも函館の魅力を再発見してほしい」とPRする。

 定員は各コース15人で事前予約制。申し込み、問い合わせは函館観光コンシェルジュセンターTEL0138-26-0300、専用ホームページ(http://www.hakodate−machiaruki.com/)へ。(森健太郎)


◎コンブいいね!ガゴメマンPR 函館市SNSで発信

 PRの味方、ガゴメマン参上—。函館市は6月から、インターネット短文投稿サイト「ツイッター」や会員制交流サイト「フェイスブック」などを活用し、函館特産のガゴメコンブをPRする情報発信を始めた。キャラクターの「ガゴメマン」が製品やイベントのPR役となり、知名度アップや消費拡大を目指す。

 国の緊急雇用創出推進事業の一環で、市がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用した事業の枠組みをつくり、具体的な手法を民間から公募。運営は今月からノース技研(函館市昭和3)に委託し、事業開始に伴い、2人を新規採用した。事業は来年3月までで、委託料は715万円。

 サイトでは、スタッフが取材した加工商品や生産現場、イベント情報などを発信。ツイッターではガゴメ製品に親近感を持ってもらうため、ガゴメマンが消費者との交流を深めながら情報の波及効果を狙う。今後は動画投稿サイト「ユーチューブ」で生産や加工の現場を動画で紹介したり、ガゴメマンの着ぐるみの製作したりしてPR活動に力を入れる。

 市工業振興課は「ガゴメの良さを国内外の多くの人に伝え、手に取ってもらいたい。そのためにSNSの持つ拡散性や双方向の情報交換に期待したい」と話している。ガゴメマンもつぶやきで「函館といったらガゴメコンブ!と言われるくらい有名になってやる」と意気込んでいる。(森健太郎)