2012年6月24日 (日) 掲載

◎球児の熱い夏 開幕

 夏の甲子園につながる第94回全国高校野球選手権大会南北海道大会函館支部予選(道高野連など主催)が23日、函館市千代台町のオーシャンスタジアムで道10支部のトップを切って開幕した。球児らは7月15日に札幌円山球場で行われる南北海道大会出場を目指して、熱い戦いを繰り広げた。

 開会式では大野農業高校の生徒がこの日のために育てた花を並べ、26校の選手たちが入場行進した。この日は午前10時に試合開始。1回戦2試合が行われ、松前と函工が勝利を、2回戦進出を決めた。

 2日目以降は午前9時から試合が始まり、30日に支部代表の3校が決定する予定。 (小林省悟)



◎函館の魅力発信 城下町シンポ開幕

 城下町の特徴を生かしたまちづくりを考える「全国城下町シンポジウム」が23日、市内で開幕した。全国の青年会議所(JC)のメンバー約800人が集まり、フォーラムや分科会などを通じて函館の城下町としての風情と歴史に触れた。また、元町公園では市民向けイベント「音楽と食の祭典」も開かれ、多くの市民がステージなどを楽しんだ。 全国66のJCでつくる「全国城下町青年会議所連絡協議会」の主催。1982年から各地の城下町で開いており、今年で31回目。道内での開催は初めて。

 市芸術ホール(函館市五稜郭町)で開かれた開会式では、函館青年会議所の西村有人理事長があいさつで「大会で北海道の開拓魂、未来へのまちづくりを発信していきたい」と述べた。

 分科会は「観光」「未来」など5つのテーマで行われた。「歴史」のグループには40人が参加。五稜郭タワーや箱館奉行所などの観光スポットをはじめ、箱館戦争の犠牲者をまつった碧血碑を回り、函館の歴史に理解を深めた。愛知県の豊橋JCの大谷忠興さん(35)は「新しい函館の魅力を発見することができた」と満足そうに話していた。

 フォーラムは一般市民にも公開。北海道日本ハムファイターズ前社長の藤井純一さんらが講演し、まちづくりや地域ブランドの創出などについて語った。最終日の24日も同ホールでフォーラムや閉会式が行われる。最後に地域の活性化への決意を盛り込んだ「ふるさと宣言」を採択する予定。 (松宮一郎)



◎節電計画 渡島前向き 4市町が決定済み

 今夏、道内での「2010年夏比7%以上の節電」に対応し、渡島管内11市町のうち、4市町が節電計画を既に策定したほか、4市町が策定中、3町が策定の有無を検討していることが、函館新聞の取材で分かった。策定しない市町はなく、目標達成に向け前向きな意識が感じられる。ただ、節電努力には限界も見えていて、どの程度上積みできるか未知数な部分もある。

 策定したのは北斗市(今月8日)、松前町(同5日)、福島町(同1日)、八雲町(同18日)。福島町はいち早く1日から計画に基づく行動を始め、9月30日までのロングランを実行。計画には、いずれの市町も「10年7〜9月の使用最大電力に対し、7%以上の削減を目指して取り組む」とする数値目標を盛り込んだ。八雲町では照明で3〜5%、OA機器・その他の機器で2%程度と、より踏み込んだ削減目標も設定した。

 策定中なのは函館市、知内町、木古内町、鹿部町。函館市は週明けに公表し、知内町も週内に決める。木古内町も取りまとめ作業を急ぐ。

 策定の有無を検討中は七飯、森、長万部の3町。七飯町は「省エネや節電の取り組みがさらに上積みできるか、各部署、出先機関も含めて確認作業を進めている段階。具体的な内容が出てくれば、実効性のある計画を策定したい」(政策推進課)とする。森町は「道の『集中対策』を案として検討中」(商工労働観光課)、長万部町は「関係部署と何ができるか協議している」(産業振興課)と説明する。

 道内での節電要請期間は、7月23日〜9月7日の平日午前9時〜午後8時(8月13〜15日を除く)。9月10〜14日の午後5時〜同8時。猛暑だった10年の最大需要に比べ7・3%の不足が生じる見通し。(山崎大和)


◎特設舞台で練習本格化 函館野外劇7月6日開幕

 今年で25回の節目を迎える市民創作・函館野外劇(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会主催、函館新聞など後援)が7月6日、国の特別史跡・五稜郭跡で開幕する。出演者の練習や特設舞台の準備は今月から本格化。節目の舞台を成功させようと汗を流している。

 野外劇はアイヌ民族の時代に始まり、黒船来航や箱館戦争、函館大火、第二次世界大戦後までの場面を75分間で展開、函館ゆかりの歴史上の人物も登場する壮大な歴史スペクタクル。今年は新たに同志社大(京都)創立者で、箱館から黒船に密航して渡米した新島襄を加えたほか、クラシックバレエのダンスも復活する。

 23日はペリー提督や続豊治、新島らが出る箱館開港シーンを中心に稽古。出演者は同会役員やスタッフのほか、演出、振り付け担当の木村かなえさん=東京在住=の指示を受けながら特設舞台で踊りやせりふ、立ち位置などを確認した。4、5人ほどが出演予定の新島役は「武士(もののふ)の 思い立田の 山紅葉 錦着ずして など帰るべき」と歌を詠む場面を何度も繰り返していた。

 公演は7月6、7、13、14、20、21、22、27、28、29、8月10、11日の全12回。毎回午後7時40分に開演する。入場料は大人1800円(当日200円増)、高大生900円、小中生400円(それぞれ同100円増)。親子セット券2000円(前売りのみ)。同会事務局や市内各松柏堂などで販売中。問い合わせや申し込みは事務局TEL0138-56-8601。(長内 健)


◎花と緑のフェス開幕 ショーや体験会にぎわう

 「はこだて花と緑のフェスティバル2012」(実行委主催、函館新聞社など後援)が23日、函館市若松町の旧クイーンズポートはこだて前広場で始まった。花のアーチや花壇、ステージショーに見入る人や、フラワーデザインなどを体験する人でにぎわった。

 地域風土に根ざした「花文化」を育むことなどを目的に開催。メーンエリアでは、函館山とイカ、五稜郭公園とハイカラ號(函館市電)を表現した立体花壇が設けられ、写真愛好家らの人気を呼んだ。切花や鉢物などが並んだフラワーマーケットでは、お気に入りの品を探す人が列を作った。ステージでは市消防音楽隊などの演奏が行われた。

 来場した函館市本通の主婦高島智子さん(54)は「ハンギングバスケットの素敵な使い方など、勉強になることが多かった」と話していた。イベントは24日まで(午前10時〜午後4時)。体験ではイカロボットショーなどが行われる。緑の島(大町)が無料駐車場として利用でき、会場間を無料シャトルバスが約20分間隔で運行する。  (山崎純一)