2012年6月29日 (金) 掲載

◎魚が食卓に届くまでを勉強 江差小3年が鮮魚店など取材

 【江差】江差小学校の3年生25人は28日、町内の鮮魚店と漁協に出向き、漁業の様子や魚介類が食卓に届くまでの一連を勉強 。取材内容をまとめて、クラスで発表する。

 ふるさと学習の一環で、児童は2班に分かれて取材。鮮魚店では、江差地場産販売組合(若山久美子代表)の直売店「浜の魚屋さん」(姥神町)と田辺鮮魚店(本町)が協力した。

 店頭で取り扱う魚介類の種類やおいしい魚などを聞き、若山さんは「旬の魚がおいしい。今であればマイカ、秋はスケトウダラ。江差で水揚げした新鮮なものを扱うため、水揚げが減る冬場はお店を休んでいる」と紹介。田辺鮮魚店でも田辺サツ社長が児童の取材に応じ、「水仕事だから長靴と前掛け、かっぱの姿が一番いい。鮮魚店は朝早くに仕事が始まり、浄化水槽を置き常に店内を清潔にすることも大事」などと伝えた。

 近江琳さん(8)は「魚を食べるまでに市場や漁協、魚屋さんと多くの人の仕事が関わっていることを勉強した」、磯田哲侍(てつじ)君(8)は「この取材を通じてますます魚が好きになった。おいしい魚をたくさん食べて勉強も頑張りたい」と笑顔だった。(田中陽介)



◎スマホで簡単! 「函タク」呼んで…2日から

 函館タクシー(函館市日乃出町、岩塚晃一社長)は7月2日から、スマートフォン(スマホ、多機能携帯電話)のアプリケーションを使ってタクシーを呼ぶことができるサービスを開始する。画面を見ながら簡単な操作でタクシー配車が可能となる。市内では初の取り組みで、同社では「利用者増につなげたい」と期待を寄せている。

 スマホの急速的な普及に対応するため、サービスの導入を決めた。本州ではすでに同アプリの利用者が拡大していることから、3年後の北海道新幹線開業を見据え、本州の旅行客の利便性を高める考えだ。

 対応するのは、タクシー大手の日本交通(東京)などが提供する人気アプリケーション「全国タクシー配車」。衛星利用測位システム(GPS)が組み込まれており、利用者は画面を見ながら地図上の現在地、または迎えに来てほしい場所を選択し送信するという仕組み。利用者に一番近いタクシーを配車する。また、乗車地と降車地を指定すれば大まかな料金も検索することができる。

 スマホならではの簡単な操作が特徴で、数回のタップ(画面をたたく動作)で注文が完了する。オペレーターとの会話が不要で、同社の石塚幸一専務は「利用者は場所を詳しく説明しなくて済むので便利」と話す。

 アプリは無料でダウンロードすることができ、iPhone(アイフォーン)、Android(アンドロイド)、Windows Phoneに対応。全国28都道府県のタクシー会社でも利用できる。(松宮一郎)



◎渡島3地点で10b超…津波浸水予想 道が正式発表

 道は28日、函館や北斗など道太平洋沿岸の津波浸水予測を正式発表した。従来予測を大きく上回り、渡島管内(10市町37地点)は最大10.4メートル(北斗市当別)〜最小1.2メートル(松前町静浦)の津波が襲い、10.0メートルを超えるのは3地点。これを受け、管内市町は津波対策の見直し作業に本格着手する。

 最大水位予測値は▽北斗市当別10.4メートル▽函館市元村町、森町砂原東3、10.0メートル▽同市尾札部、富浦町、日浦町9.8メートル▽鹿部町大岩9.1メートル—など。三陸沖北部や青森県西方沖など既存の想定地震による津波の高さに比べ、北斗市で8.1メートル、森町で8.0メートル、函館市で7.3メートルそれぞれ高くなる。

 数値は前回発表(4月20日)について、より精度を高めて詳細に推計したもので、管内は前回より下がったのが22地点、上がったのが8地点、変化なしが7地点。北斗市のみ最大水位が上がり、従来予測との差も広がった。

 予測は太平洋沖で起きる巨大地震を想定、根室管内羅臼町〜松前町の38市町について沿岸での津波高を示した。道内で30b以上の津波を予測したのは釧路管内浜中町琵琶瀬34.6メートル、釧路町昆布森31.5メートル、浜中町渡散布30.6メートルの3地点。道東の数値が高くなっている。

 東日本大震災を受け、道内の津波想定の見直しに取り組む「道防災会議地震専門委員会」(座長・笹谷努元北大教授)が同日開かれ、報告書を了承し、道に報告された。(山崎大和)


◎ジョブカフェ テーオーに移転…2日から

 函館市と道は7月2日、若年層向けの就職支援を行っている「ジョブカフェ函館」(大森町)をテーオーデパート(梁川町)6階に移転し、中高年にも対応する「ジョブカフェ・ジョブサロン函館」としてリニューアルする。キャリアカウンセラーが常駐し、幅広い世代への就業支援体制を拡充する。

 ジョブカフェは15〜39歳以下の求職者の就職を支援しようと、函館では2004年に市役所内に開設。05年にサン・リフレ函館内に移転し、履歴書の書き方や面接対策、職業適性などの相談に応じ、各種就職セミナーなどを開講してきた。

 市労働課によると、利用には登録が必要で、新規登録者は09年度226人、10年度509人、11年度915人と増加傾向にある。昨年度の延べ利用者は、開催セミナーが増えたことで前年度比38・5%増の1316人で、うち147人の就職につながった。

 一方、これまでは専門のカウンセラーが常駐せず、札幌から月1〜2回出張したり、テレビ電話で対応したりしていた。道が本年度に開設する中高年向けの「ジョブサロン」と一体化し、公的機関の「空白地帯」だった五稜郭地区への移転が決まった。

 新たに専任のキャリアカウンセラー1人を含むスタッフ3人を配置。15歳以上の求職者なら無料で模擬面接や履歴書添削など個別サポートが受けられ、10人程度収容できる会議室のほか、参考書籍や求人検索のパソコンが置かれたフリースペースもある。

 今後は月2回程度、就職セミナーを開催する予定で、カウンセラーの松前洋三さん(57)は「幅広い世代に対応し、就職に結びつくきっかけや橋渡しができれば」と話している。平日午前10時〜午後6時。問い合わせはTEL0138-31-6060(7月2日から)。(森健太郎)


◎南かやべ漁協、函館海保 海難事故の再発防止策探る

 函館市双見町沖で7日、親子二人が乗ったタコ縄漁船が転覆し死亡した事故を受け28日、漁船が所属する南かやべ漁協(鎌田光夫組合長)で函館海保と合同の「小型漁船海難再発防止対策会議」が開かれた。約20人が出席し、再発防止に向けた取り組みを強化していくことを確認した。。

 会議の冒頭、同海保が道内と管内の過去10年間の海難発生状況について説明。特に死亡・行方不明者は転覆事故によるものが圧倒的に多く、1d以下の小型船がその半数を占め、陸から見える海域での転覆が多いことなどが報告された。。

 また、7日の事故についても風は無かったものの急激にうねりが高くなり、事故発生場所(陸から約100b)ではさらに高波だったと推定されることなどが紹介された。その後、防止策として同海保から救命胴衣の確実な着用や適切な出漁、メールなどを活用した海難防止情報の発信など8つの提案があり、同漁協も随時取り入れたり、前向きに検討することとした。。

 同海保の小林貢次長は「転覆の原因の多くが気象や海象の過小評価などが多い。これからも漁協と連携して対策を講じていきたい」と話していた。(小杉貴洋)