2012年6月3日 (日) 掲載

◎初夏の味 初水揚げ スルメイカ漁 上々のスタート

 道南スルメイカ(マイカ)漁が解禁となり、2日早朝、12.2トンの初水揚げがあった。低水温による来遊遅れ見通しから一転、初日としては近年にない好漁。今季の漁は最高のスタートを切り、解禁を待ちわびた市民が早速、初夏の味を堪能した。

 1日に出漁したのは函館市漁協、銭亀沢漁協の計19隻。松前小島沖合で夜に漁を行った。函館漁港(函館市入舟町)に一番乗りの船が戻ったのは、2日午前3時45分ごろ。イカを満載にして帰ってきた漁船で、同5時半の初競りに合わせ、手際よく出荷作業をした。

 昨年の初水揚げはわずか2キロと不調に終わっただけに、函館小型イカ釣漁業部会(23人)の佐藤豊次部会長(62)は「まずまずの漁でひと安心。今年はイカがいるので昨年と違って続けて漁に出られる。小さめだが、型のいいものもある。たくさん食べてほしい」と顔をほころばせた。

 市水産物地方卸売市場(豊川町)で初競りがあり、函館魚市場営業1部の小林太史次長が「今年は漁に恵まれ、ほっとしている。豊漁になって業界の皆さんが潤っていい年になれば」とあいさつ。

 同社によると、初日の上場数量12.2トンは平年よりやや多い。10〜13センチ、60〜80センチが多く、平年並みのサイズだという。いけすイカは1566キロで1キロ当たり1800〜960円の値が付き、「数量にしてはいい相場」と同社。

 はこだて自由市場(新川町)のイカ専門店「富田鮮魚店」では53`を仕入れ、1皿6、7匹を1000円で販売。富田貞雄社長は「これだけ量があれば最高」と笑顔。35`を仕入れた和田鮮魚店(宝来町)の和田憲一社長は「出だしとしては量、型ともに申し分ない。今後の漁も期待できる」と話していた。(山崎大和)



◎メルチーズ モンドセレクションで最高金賞

 洋菓子製造販売のプティ・メルヴィーユ(函館市末広町、遠藤薫オーナーシェフ)は、国際的な食品コンクール「モンドセレクション2012」で最高金賞を3年連続で受賞した。対象となったのは看板商品のチーズケーキ「メルチーズ」。同時に出品した「カボチャプリン」も2年連続で金賞となった。

 モンドセレクション(本部・ベルギー)は食品の品質向上を目的に1961年に創設された品評機関。コンテストは「食のオリンピック」とも称され、毎年国際的な審査員が品質や味などを審査する。

 遠藤社長は、添加物の使用を可能な限りを抑えることで「子どもも食べることができる洋菓子」をテーマにしている。メルチーズ(1個126円)は函館に洋菓子文化を根付かせたいと考え発売した小さなチーズケーキ。原料の牛乳や卵などは道内産にこだわり、深みはあるがあっさりとした親しみやすい味を実現している。

 3年連続の受賞について遠藤社長は「品質を一定に維持できたからこそもらえた賞」と受け止め、今後も今の味を守る決意だ。この商品は1日8000個を製造している。

 カボチャプリン(同330円)は、森町産の糖度の高いカボチャを使用し、しっかりとした味を出した。今後はカボチャ関連の商品を豊富に展開する計画で、「首都圏の物産展での評価に期待する」という。(斎藤まや)



◎ロシア正教会総主教が9月に来函

 ロシア正教会の最高指導者、キリル総主教が9月に来日し、函館を訪れる見通しとなった。函館に日本で初めてロシア正教を伝えた聖ニコライの没後100年を記念したもので、仙台や東京も訪れるという。

 函館へのロシア正教会総主教訪問は、2000年のアレクシー2世以来。キリル総主教は当時、府主教として同行した。

 函館ハリストス正教会(元町3)のニコライ・ドミートリエフ司祭によると、キリル総主教は9月にロシア・ウラジオストクからチャーター機で函館入りし、ハリストス正教会、ロシア人墓地などを訪ね、3時間ほど滞在。翌日以降は、東日本大震災被災地の仙台市で祈りをささげるほか、東京復活大聖堂(ニコライ堂)の記念行事などにも参加、天皇陛下や首相との面会も予定しているという。

 ニコライ司祭は「来日自体に意味があること。函館、ロシア両国民の関係に平和をもたらす好影響が期待できる」と話している。  今後は函館市やモスクワ総主教庁など関係機関と連絡を取りながら準備を進める。(長内 健)


◎函館大学の学生が授産施設の販売に一役 集客力アップや売り上げ向上目指しアイデア提案

 函館大学商学部の学生が、函館市内の授産施設の製品販売に協力するプログラムに取り組んでいる。1日は実際に施設を見学し、利用者や職員と交流した。今後、集客アップや売り上げ向上を目指し、アイデアを提案していく。

 学生と事業者が協力しながら新たなビジネスを探る商学実習。事業者側は若者のニーズを把握でき、学生はビジネスの実践を学べる利点がある。

 プログラムは津金孝行准教授が指導する1年生グループ(14人)が担当。NPO法人「ひまわり」が運営する就労継続支援A型(雇用型)のカフェ「ウィズ・スマイル」(柏木町)と、同B型(非雇用型)のパン屋「よつ葉のレシピ」(本通)2カ所で実習を行う。

 この日は2カ所をそれぞれ訪問し、パン屋では、パンを試食しながら職員に人気商品やパン作りで心掛けていることなどを質問した。グループリーダーの高瀬健太さん(18)は「おしゃれな店という印象を持った。若者の発想、目線でPRのお手伝いができれば」と話した。同法人の坂井太郎事務局長(28)は「実習を通して福祉事業所のことをもっと知ってもらえれば」と学生のアイデアに期待を寄せた。

 今後、3グループに分かれて、PR強化や既存商品の改良などを検討し、10月の学校祭で商品の販売や取り組みの成果を発表する。(鈴木 潤)


◎函館と台湾 テニスで交流 歯科医師同好会が台中のクラブと試合

 学函館歯科医師テニス同好会(部長・村井茂みはら歯科矯正クリニック院長)と、来函中の台湾台中1番テニスクラブ(張光発団長、9人)は2日、市内千代台町の千代台公園テニスコートで交流試合を行った。テニスを通じ、友人の絆をより一層深めた。

 村井さんと張さん(歯科医)は4、5年前から個人的な付き合いがあり、昨年8月には村井さん家族3人が台中市を訪れ、テニスを楽しんだ。そのお礼に、今回初めて同クラブを函館に招いた。一行は観光も兼ねて4日まで函館に滞在する。

 2日は、参加者がダブルスを組んで硬式テニスの試合に臨み、心地よい汗を流した。同日夜には、函館国際ホテルで歓迎会も開き、親睦を深めた。

 村井さんは「函館の良さを知ってもらい、もっと台湾との交流が深まれば」と話し、張さんは「函館の食べ物や観光地を巡るのが楽しみ。今度はぜひ函館から台中にも来ていただきたい」と笑顔を見せていた。(山崎大和) 【写真説明】テニスで交流を深めた参加者