2012年6月4日 (月) 掲載

◎九州、沖縄の焼酎堪能

 九州、沖縄地方の焼酎を楽しむことができるイベント「焼酎フェスタinほっかいどう2012」(よかばん☆サッポロ事務局主催)が3日夜、函館山展望台3階レストラン「レガート」で開かれた。80人を超える来場者が約40種を地元グルメとともに堪能。各酒蔵の代表とも親交を深めた。

 これまで札幌で開かれてきたが、10回目を数える今回は「焼酎の魅力をより多くの地域に知ってもらおう」(同事務局)と、全道での開催を視野に企画。その第1弾としてすばらしい景色と食がそろった函館で初めて実施された。各酒蔵の代表者が来場し、仕込みや商品にかける思いを聞くことができるとあり、回を重ねるごとに人気イベントに成長した。

 会場には10の酒蔵からイモや麦、黒糖を使った焼酎のほか、泡盛など貴重な40種類が並び、飲み比べたり利き酒クイズなどを通して、来場者はその“おいしさ”を実感。各蔵元と焼酎談議に花を咲かせた。また、函館近海の魚介類や野菜などを使ったつまみも充実し、宴席を盛り上げていた。

 来場した市内の男性会社員(38)は「酒蔵独自のおいしい飲み方を教えてもらったので、家庭でも実践したい」と話していた。(小杉貴洋)



◎手足泥んこ 笑顔広がる 田植え体験会

 函館市住宅都市施設公社が主催する「水田体験会〜田植え体験会〜」が3日、道立道南四季の杜公園(亀田中野町199)で開かれた。市内の小学生を中心に約50人が参加し、昔懐かしい田植えを楽しんだ。

 体験会は公園の魅力を感じてもらおうと、2005年から毎年実施。赤川町で農家を営む沢谷鉄弥さん(81)が指導した。

 同公園の岸本由政所長が「普段、泥の中に入る機会は少ないと思います。感触や感覚を味わって楽しんでください」とあいさつ。沢谷さんは「3、4本の苗を4センチの深さに植えてください」などとレクチャーした。

 はだしになって泥の中に足を踏み入れた子どもたちは「ぬるぬるする」「足が重い」などと声を上げ、バランスを崩さないよう悪戦苦闘。30センチ間隔に約10メートルにわたって苗を植え込み、泥だらけになりながら農業体験を満喫していた。

 参加した吉本幸世君(11)は「泥の感触が気持ちいい。大きく育ってね」と笑顔で話していた。

 9月に稲刈り、10月には収穫祭も予定している。(柏渕祐二)



◎観光需要取り戻せ

 函館市は空路での観光客誘致に向け、函館と羽田、仁川(ソウル)線を運航する大手航空会社に、PRのための宣伝経費を補助する方針を固めた。夏の観光繁忙期を前に、首都圏や海外からの旅行需要のてこ入れを図る狙い。13日に開会予定の定例市議会に補正予算案を提出する。

 市が航空会社に対して緊急的に補正予算を計上するのは異例。昨年の東日本大震災から1年以上が経過したが、観光客入り込みが十分に回復していないと判断し、羽田線を運航する日本航空(JAL)と全日空(ANA)、仁川線を運航する大韓航空の3社に総額1250万円を補助する。

 函館—羽田線では、JAL、ANAが6月から順次使用する機材を大型化するのに合わせ、両社に500万円ずつ支出する。JALは毎月320万人の搭乗客の目に触れる機内誌「スカイワード」に約10ページ分の函館特集を掲載。ANAは公式ホームページ内に函館に特化した専用ページを開設し、市内の観光施設やホテルを案内、紹介する。

 また、函館唯一の国際線である函館—仁川線を運航する大韓航空は、震災直後から昨年12月まで定期便を運休。今年に入っても4月までの搭乗率が採算ラインを下回る平均55・9%と低迷し、「原発事故の風評被害が尾を引いている」(市ブランド推進課)。このため、市は予算250万円を計上し、韓国の旅行会社の担当者を招き、あらためて函館観光の安全性をアピールする。

 今回補助する羽田線向けの計1000万円のうち300万円は本年度の当初予算に盛り込んだ観光客誘致宣伝経費(2250万円)から充てる。同課は「来函客は徐々に回復傾向にあるが、震災前の水準には戻りきっていない。北海道新幹線開業も見据え、夏に向けて震災で落ち込んだ需要を取り戻したい」としている。(森健太郎)


◎中国で函館観光PR 致訪問団が出発

 函館市や地元経済界関係者らで結成する中国観光客誘致訪問団(団長・工藤寿樹市長)が3日、函館空港から出発した。7日までの日程で中国2大都市の北京、上海の旅行代理店や航空会社をはじめ、中国政府の観光担当部局を訪れ、函館観光をPRする。

 中国へのトップセールスは2007年度から実施。今回は昨年2月以来で、富裕層の多い両都市をターゲットに函館旅行の商品化やチャーター便の運航などを要請する。

 函館空港で行われた出発式で工藤団長は「函館観光は震災以前の水準にまだまだ回復しておらず、とりわけ外国人客は原発事故を気にしてかなり少なくなっている」と現状を危惧(きぐ)。そのため、現地での精力的なプロモーション活動を誓うとともに、「函館は放射能の影響がないという、不安感を払しょくすることが大事だ」と力を込めた。

 市によると、昨年度の観光客入り込み数(推計値)は震災の影響で前年度比10・4%減の410万8000人と、平成元(1989)年以降で最低。このうち、中国人客も同40・9%減の6500人(暫定値)と大幅に落ち込んでいる。

 3日に北京入りし、上海は5日に訪問。訪問団は工藤団長をはじめ、能登谷公函館市議会議長、久保俊幸函館商工会議所副会頭、渡辺兼一函館国際観光コンベンション協会会長の副団長3人ら13人で構成する。(後藤 真)


◎「ハローポテト音頭」で被災地応援 保存会が陸前高田市で披露

 「ハローポテト音頭」を伝承する「道南ポテト踊り保存会」(亀谷葉子会長)が7、8の両日、東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市で、仮設住宅の住民に同音頭を披露する。被災者の応援にと企画したボランティア活動で、仮設住宅の交流サロン3カ所を訪問する。

 震災ボランティアをしたいと考えていた亀谷会長が函館市ボランティア連絡協議会の佐々木文子会長に相談。佐々木会長の依頼を受けた市社会福祉協議会の職員が現地との調整役を担い、訪問が実現した。

 同音頭は1988年、函館市亀田商工会女性部が、2008年まで開催したイベント「ハローポテトカーニバル」にちなんで考案した踊り。03年に保存会が発足し、高齢者施設などのボランティア活動を通して踊りの伝承活動をしている。

 今回、会員20人が参加。踊りや交流のほかに、ジャガイモ約50キロとポテトチップス20箱分も寄贈する。

 亀谷会長は今回の活動の協力者に感謝の言葉を述べ、「一生懸命踊って、交流を深め、応援の気持ちを伝えたい」と話している。6日、函館を立つ。(鈴木 潤)