2012年6月7日 (木) 掲載

◎えさし海の駅でコスプレ<Xタッフ歓迎

 【江差】江差町姥神町1の「えさし海の駅開陽丸」で、スタッフが土方歳三ら幕末の志士にふんして、団体客を迎える新サービスに取り組んでいる。新ご当地キャラクターの「しげっち」も加わり、「粋なおもてなし」と観光客らの笑顔を誘っている。

 海の駅は、開陽丸青少年センター管理棟を改修し、この4月に新装オープン。商工会関係者でつくるアンテナショップを置き、農水産物や土産販売のほか、ご当地カレーなどの軽食が好評だ。

 修学旅行や企業の研修先としての利用が増す中、「少しでも長旅の疲れを癒やしてもらい、江差の印象を良いものにしてもらえれば」と須藤公徳館長らが“コスプレ”で歓迎。際立った姿が興味を引き、団体客は笑顔を浮かべて握手を求めている。

 新サービス初日の5日は、札幌市立中島中学校の修学旅行生らを喜ばせ、記念撮影で交流を深めた。3年の長谷部星(あかり)さん(14)は「何かと思ってびっくりしたけど、楽しい気分になれる」、黒畑大聖君(15)は「かわいいキャラクターもいて温かな歓迎の思いが伝わる」と声を弾ませていた。

 須藤館長は「初めてのことなので緊張したが、皆さんに喜んでもらえて良かった。今後は、さらにアイデアを重ねて太鼓や戦闘シーンも組み込むことを検討していきたい」としている。(田中陽介)



◎太陽の「ほくろ」見えた…函館でも金星観測

 太陽の手前を金星が横切る「太陽面通過」が6日、観測された。近畿や九州などは好天に恵まれたが、函館は雨で、雲の合間からわずかな時間、太陽の前を横切り、黒い影として映った金星が観測された。

 全国的に午前7時10分ごろから午後1時50分ごろまで観測できたが、函館は朝から厚い雲に覆われたため、すべてを観測することはできなかった。市内杉並町の遺愛女子中学・高校では、同校の地学部員らが休み時間を利用してグラウンドで観測を行った。見えた時間は数分だったが、同校ホールに設置したモニターにインターネットをつなげ、兵庫県姫路市からのライブ中継を観賞した。

 次に見られるのは105年後。今年は7月15日に月が木星の前を通る木星食、8月14日に月が金星の前を通る金星食と天体ショーが続く。(山崎純一、平尾美陽子)



◎津波想定 迅速に対応…ロワジールホテルで訓練

 ロワジールホテル函館(道上浩之総支配人)は6日、函館市若松町の同ホテル内で津波発生を想定した避難訓練を行った。昨年3月の東日本大震災での避難者受け入れを教訓に今回初めて実施。従業員らが災害発生時の動き方や指揮系統の流れなどを確認した。

 同ホテルは市の指定避難所で、昨年の大震災では市民や観光客ら約1200人を受け入れた。大きなトラブルは無かったものの、道上総支配人(45)は「正しい情報がどこにあるのか戸惑った。目の前のことに対して必死だった」と当時を振り返る。内部で検証した結果「ホテル独自の備えやマニュアルが必要」と判断し、今回の訓練に至った。

 ホテルでは年2回ほど行っている火災や地震の避難訓練は、客を屋外に出すための誘導が中心。今回は避難者の受け入れやホテル独自の本部設置などを訓練項目に入れた。

 従業員ら約80人が参加し、JR北海道函館支社の社員や函館朝市協同組合連合会の会員も観光客などの役で協力した。

 訓練は午前11時10分に大津波警報が発令され、1時間後に3bの津波が来ると想定。館内放送で大津波警報の発令がアナウンスされると従業員は「避難誘導班」「救護班」「見張り班」など担当ごとに活動に着手。“客”を3階大広間に誘導したり、浸水防止の土のうを地下駐車場前に積む作業に取り組んだ。4階に実施本部が設置され、指令役の従業員が各担当の状況の把握に努めた。

 約30分で一連の訓練は終了。実施本部で指令役を担当した営業部長の新明貴樹さん(48)は「実際にやってみて良かった点、修正が必要な点を把握できた」と手ごたえを感じた様子。道上総支配人は「皆さんの協力をあおぎながら今後も継続して取り組み、防災意識を高めていきたい」と話した。(鈴木 潤)


◎市立3病院 2年連続黒字…昨年度実績

 函館市病院局は6日、市立3病院(市立函館、恵山、南茅部)の2011年度経営実績を公表した。単年度で4億5287万円と2年連続の黒字を計上。患者の確保や委託料の削減などで黒字を維持している。

 同日開かれた病院事業経営改革評価委員会(委員長・岩田州夫公立はこだて未来大名誉教授)で明らかにした。

 10年度の単年度収支は、一般会計から4億8000万円の繰り入れもあったため約13億円の黒字だった。昨年度は市の厳しい財政状況から繰り入れをしなかったことや、医者の減少などが響き、黒字額は約65%減少した。

 3病院全体の収益は、前年度比約25億円増の207億9512万円。内訳として大部分を占める市立函館は同14億円増の184億6346万円となった。恵山、南茅部もともに増加した。

 経費の合計は、同4億円増の183億1420万円。給与費、材料費などが前年を上回った。

 各病院の1日あたりの一般入院患者数は、医者の減少などから函館が前年度比23・2人減の468・7人で、当初目標からは16・3人減。恵山、南茅部も当初目標を下回った。外来患者は函館が同28・9人減の1104人だった。

 公立病院特例債(借金)を入れた累積赤字額は、特例債29億2610万円の全額繰り上げ償還などから前年度の約40億円から7億円まで減少。2009〜15年度を計画期間とする「市病院事業改革プラン」では、15年度までの解消を目指している。

 本年度は当初予算ベースで2億7500万円の黒字を見込む。木村純委員(市立函館病院院長)は「函館に関しては当初の想定よりよかった。今後も地域の連携を高めた医療を目指していきたい」と語った。(後藤 真)


◎江差方面でヒラメ76センチ

 大川勝さんが1日夜、江差方面へ釣行し、76センチ、5・12キロのヒラメを釣り上げた。ヒラメを狙って5年目の今年、ようやくかかった1匹は今時期珍しい大物で、大川さんは「人生で最高の釣果。陸からこんなに大きいのが釣れるとは驚きです」と声を弾ませている。

 この日は夕方に仕事を終え、帰宅後すぐに江差方面へ。いくつかの釣り場を回ってたどり着いたそのポイントは、釣果情報もほとんどないせいか人けがなかったという。風はなく、波も穏やかで、午後10時からキャストを繰り返した。大川さんは「何かアタリがあればもうけもの。それこそ様子見という気持ちでした」と振り返る。

 待望の瞬間が訪れたのは20分後だった。35〜40メートル沖へ投げたルアーに何かが食い付いた。「まさに獲物がルアーをくわえているもぞもぞしたような感触だった」と大川さん。すぐに合わせず待っていると、やがて根掛かりのような重量感を覚えた。リールを巻くがなかなか手前に寄ってこず、「これは相当大きいぞ」と胸が高鳴った。タモ入れ前にライトで照らすと、これまで釣ったヒラメとは明らかに違う良型に目を奪われた。大川さんは「うれしくてうれしくてそれ以降は釣りどころじゃありませんでした」。

 ヒットルアーは6インチの「エコギア・ジャンボパラマックス」。着水するとらせん状に回りながら時間をかけて海底に沈むのが特徴という。

 大川さんは今春の大型連休からほぼ毎週、ヒラメの早場で知られる日本海側をメーンに釣行。しかし1匹とかからず、この日が今季初のヒラメだった。過去最大のサイズは昨年釣った59センチで、今回は17センチ上回る釣果だ。大川さんは「何物にも代えがたい重量感と手応えに興奮しました。ヒラメは刺し身と煮物でおいしく食べた。気分は上々です」と喜び、さらなる大物を目指している。

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 北斗市七重浜4の釣り具店「フィッシングショップ・インパクト」によると、同店へ寄せられるヒラメの釣果情報としては4日現在、大川さんのヒラメが最高という。ヒラメ釣りは日本海側が本格化の兆しで、八雲や長万部など噴火湾方面は「今月中旬にも釣れ始めるのでは」と話している。