2012年7月12日 (木) 掲載

◎ハーフマラソンに希望者全員が参加可能に

 函館市教委は11日、10日に参加申し込みを締め切った「函館ハーフマラソン大会」(実行委など主催)のエントリー数が3631人(速報値)に達したと明らかにした。マラソン人気の高まりを受け、本年度から定員を倍の4000人に増やしており、参加希望者全員が走れることとなった。

 6月20日からインターネットと郵便振替で受け付けを開始した。初日だけで2200人と早くも昨年の定員を上回り、募集5日目で3000人を突破。その後も徐々に増え続けた。

 市教委によると、インターネットで応募した約2000人のうちほとんどが男性。年代別では30〜50代が半分以上を占め、70代の参加もあった。郵便振替での応募分は後日まとめる。

 実行委事務局(市教委スポーツ振興課)は「昨年は募集開始からわずか3日で定員が埋まったため、走りたくても走れない人がいた。定員を倍にした今年は手探りの状態だったが、全員が走れるようになってよかった」と胸をなでおろす。

 大会は9月30日に千代台公園陸上競技場(千代台町22)を発着点に開催。参加人数が大幅に増えるため、今年から市電を一部運休させるほか、バスも迂回(うかい)運行する。特別ゲストとしてマラソン元五輪代表の増田明美さんを招く。

 同事務局は「昨年と運営方法が大きく変わるので、ランナーの安全確保を第一に準備を進めていきたい」と意気込んでいる。(後藤 真)



◎トゥリーズ・ネットワークが函館進出を計画

 東京のベンチャー企業「Trees Network(トゥリーズ・ネットワーク、斉藤健社長)が、函館市内で電磁波を遮蔽(しゃへい)する技術を活用した製造施設や研究所を設置する計画を持っていることが分かった。経済産業省から補助金交付の決定を受けて函館進出を目指しており、年内をめどに詳細な計画を公表する考え。函館市は「製造業の活性化につながる」として、同社の進出を歓迎している。

 トゥリーズ社は大手ゼネコンで研究員を務めていた斉藤社長(45)が2010年に設立し、電磁波の遮蔽技術を使った医療関連用品開発を専門とする。

 同社によると、函館を電磁波を遮蔽するための特殊繊維素材とガラスの製造拠点とする方針。病院の精密検査で使われるMRI(核磁気共鳴画像装置)は窓のない部屋に置かれることが一般的だが、遮蔽効果を持つガラスを壁に使うことで、ペースメーカー使用者でも普通に近くを歩けたり、部屋の中の圧迫感を緩和することができる。

 10日には、東日本大震災からの産業復興と雇用創出を目的とする同省の「国内立地推進事業費補助金」の二次公募に採択された。成長分野にある企業の設備投資について、中小企業には投資額の2分の1を補助し、原則2013年度までに事業を完了することが条件。

 現段階で設置時期や場所、投資額などは未定。同社は当初、富士山麓での施設設置を計画していたが、震災後に周辺で大規模な余震が発生したことを受けて計画を変更。ゼネコン在職中に同僚からの提案を受けて、函館を新たな候補地にした。斉藤社長は取材に対し「市の支援体制や産学官連携が充実しており、世界に向けた製品作りの製造拠点として魅力的」と話す。

 同社はまた、道経済産業局がものづくりの技術向上につながる研究開発を支援する「戦略的基盤技術高度化支援事業」の採択も受けており、3月から約1年間での技術開発を進めている。斉藤社長は「いい成果が出れば新工場に反映させたい」としている。

 市はテクノパークや臨空工業団地への進出を呼び掛ける考えで、「進出はありがたい。外からの企業が入ることで地元企業との相乗効果が生まれれば」と話している。(千葉卓陽)

 ◆国内立地推進事業補助金 東日本大震災による産業空洞化を防ぐため、製造業で代替のきかない部品や将来の雇用を支える成長分野の生産拠点に対し、経産省が昨年度の第3次補正予算から計2950億円を支出する。同省は補助額の約6倍となる約5880億円の設備投資や、約7万人の雇用創出を見込む。二次公募には全国から約500件の応募があり、10日付で245件を決定。道内ではトゥリーズ社のほか7社が採択された。



◎道内一早くニンジン収穫始まる

 【七飯】道内一早い露地ニンジン産地七飯町で、収穫と出荷が本格化している。農家は収穫機を使い、鮮やかなオレンジ色のニンジンを引き抜く作業に励んでいる。

 町野菜生産出荷組合人参共撰(きょうせん)部会(30戸、約66ヘクタール)部会長の輪島正一さん(53)=町大川=方では、2戸共同で収穫作業を行っている。2条取りの収穫機が畑を行き来し、1袋当たり約400キロ入るフレコンバッグいっぱいにニンジンを詰め、JAの共選施設(大中山)へ運ぶ。輪島さんは「雨が少なくてやや小ぶりだが、甘くて柔らかい。割れや腐れもなく、いいニンジンです」と話す。

 七飯では例年、3月初めから種をまき、マルチを敷いてトンネルも掛ける方法で、6月下旬〜8月上旬に出荷。ただ、今年は雪解けが遅れ、種まきが例年より2週間ほど遅れたという。

 JA新はこだて七飯基幹支店によると、今年は6月30日から共選を開始。関東、関西市場をメーンに全国各地に出荷する。市場価格は今のところ堅調で、1箱10キロ入り2300〜1800円(L、Mサイズ)で推移している。(山崎大和)


◎江差で道南初の真夏日

 11日の北海道は南から暖かい空気が入り、桧山地方はフェーン現象が発生して気温が上がった。函館海洋気象台によると、江差の最高気温は30・5度で、道南で今年初めての真夏日となった。

 江差は朝から晴れわたり、気温は午前10時に26度台となった。このころ風は北方向からだったが、正午ごろに南方向からと変わり、午後零時35分ごろに30・5度となった。このほか松前でも28・5度まで上がり、今年最高となった。

 江差町のえさし海の駅開陽丸の噴水池には、涼を求める子どもたちの歓声が響いた。水遊びを楽しんでいた、宮森未祈(みのり)さん(8)と近江柚杏(ゆあん)さん(10)は「今日は本当に暑くて、学校が終わってからすぐここに来た。水は生ぬるいけど気持ちいい」と声を弾ませていた。(田中陽介)