2012年7月2日 (月) 掲載

◎流鏑馬日本一にグレゴリーさん

 日本の伝統武芸、流鏑馬(やぶさめ)を楽しむ「どさんこフェスタin函館2012」が1日、緑の島(函館市大町)で開かれた。今年は流鏑馬日本一を決める全国大会を初開催。鮮やかに的を射る出場者の雄姿に、大勢の来場者から歓声が飛び交った。

 北海道開拓に活躍したドサンコ馬(和種馬)の歴史や魅力を知ってもらおうと実行委(池田茂代表)が2005年から開き、7回目。部門別に行われ、アマチュアらが対象の一般に19人、プロ級のオープンクラスに17人、団体戦に5団体が出場。タイムや的への命中率を競った。

 衣装や武具を身に付けた出場者は馬を操りながら、全長180bある砂上の直線コースを疾走。この日は最大風速10・7メートルと荒れた天気だったが、馬上から放った矢が3つの的に的中するたびに拍手が起こった。

 オープンクラスで優勝したのは、十勝管内の剣山弓馬会所属のスチュアート・グレゴリーさん(46)。日ごろは砂利の上で稽古を重ねてきたといい「砂の上を走るのは苦戦しましたが、納得の出来。すごく楽しかった」と満面の笑みを見せた。

 このほか、会場では乗馬体験や和式馬具の展示などが行われた。(長内 健)

 結果は次の通り。(敬称略)

 ▽オープンクラス@スチュアート・グレゴリー(剣山弓馬会)A池田賢治(函館どさんこファーム)B池田茂(同)▽一般@西澤真由美(青森乗馬倶楽部)A石井徹(同)B山本泰司(フリー)▽団体@函館どさんこファームA善知鳥騎馬隊B剣山弓馬会



◎統廃合協議 本格化へ 市立小・中学校再編計画

 函館市教委は今年2月に成案化された「函館市立小・中学校再編計画」を2日に学識経験者らで構成する学校教育審議会に諮問し、具体的な統廃合内容について協議を本格化させる。来年度早々にも第2グループ(凌雲、五稜、大川、港、光成、的場、桐花)の7中学校の再編内容について同審議会が答申する予定だが、通学距離や母校の存廃、校名などの問題を抱えており、保護者や地域からは切実な声が聞こえてくる。

 同計画は市内の児童、生徒数減少に伴い、小学校を46校から34校へ、中学校を28校から19校へ統廃合するもの。全体を7つの再編グループに分け、4期のスケジュールに分けて行う。第1期は第2グループの中学校を対象としている。

 再編の目的として、一定の学校規模の確保による子ども間交流の活発化やクラブ活動の充実などを挙げ、社会性と人間性を育む上で有効的としている。

 7校から3校へ統廃合する第2グループは、中心市街地に位置しながら小規模な学校が多く、建物の老朽化といった問題も抱えているため早急に再編。市教委は「通学距離や学校の規模、建物の老朽化具合、生徒数の推移などを総合的に勘案して決めたい」と説明する。

 各校の現況として、生徒数(昨年5月1日現在)は的場が10学級、336人と最も多く、光成の3学級、96人が最低。ほか5校は学級数が6〜9、生徒数は181〜291人となっている。推計では2017年には凌雲のみ生徒が10人増え、ほか6校は港の40人減を筆頭にすべて減少する見込みだ。

 市内全体をみても、昨年度の児童数が約1万2000人、生徒数は約6000人なのに対し、17年度の推計では児童数が1万300人、生徒数は5400人まで減少するとされている。

 建物の建設年数は、的場が1936年と最も古く、桐花は96年と7校の中で一番新しい。このほか港が94年で、残りは58〜70年に集中している。耐震性は五稜が昨年度校舎の耐震化を図るなど、建築年数に比例していない。

 小学生の子どもを持ち、港町に住む会社員男性(45)は「(進学予定の)港中がなくなってしまったら通学が不便になる。自転車通学ならまだしも、徒歩だと子どもがかわいそう」と話す。

 市教委は素案提示後、1〜2月にかけて7校でPTAや町内会などを対象とした説明会を開催。参加者からは「クラブ活動などを考えると、ある程度の規模は必要だから統廃合はやむを得ないと思う」「高校進学を考えた場合、いろいろな人と接するための社会性を身につける必要があるから再編したほうがいい」といった肯定的な意見が寄せられた。

 一方で、「地域の学校がなくなることはすごく寂しい。同窓生にとっても愛着は非常に強い」「3校まで減るのは極端すぎる。ある程度は仕方ないが、もっと配慮してほしい」など切実な声も多数飛び交った。

 今後は早ければ秋にも、ある程度の構想を固めて意見聴取会を開く。答申後も説明会を開催するなどして地域の声を尊重する姿勢だが、課題は山積している。

 市教委は「3校はあくまでも目安で、地域の意見を踏まえて4校とする可能性もある。空き校舎はただ放っておくのではなく、何らかの形で利用するようにしたい」と説明。また「子どもや家庭にとって最適な学習環境にすることが最も大事。学校は地域の思いでもあるため、慎重に時間をかけて決めていきたい」としている。(後藤 真)



◎アユ釣りが解禁

 【厚沢部】管内有数の清流で知られる厚沢部川で1日、アユ釣りが解禁され、早速、大勢の愛好家でにぎわった。解禁期間は9月15日まで。

 縄張りに入ったアユを追い出そうとする性質を利用する友釣りで、針付きのおとりを攻撃するアユを狙う。浮きの微妙な動きやさおに伝う感覚が釣り人をとりこにする。

 釣り名人として知られる厚沢部町観光協会の前井敏弘会長によると、今季のアユの体長は14〜16センチと例年より4センチほど小ぶりだが「大雪による冷たい川水の影響で遡上が遅れているが、数はかなりいる。これからが楽しみでならない」とにっこり。多いときには一人で一日100匹ほどの釣果もあるという。

 厚沢部川のアユは、厚沢部町河川資源保護振興会(山下清会長)が稚魚放流や草刈り、ごみ拾いなどで資源を守り、友釣りにおいて協賛金(任意)を求めている。厚沢部町観光協会(事務局は道の駅内)のほか、町内のおとりアユ販売店で受け付けている。同振興会ホームページで詳細を伝えている。(田中陽介)


◎懐かしの急行 出発! 観光企画キャンペーン開幕

 JRグループが地域と協力した観光企画「北海道デスティネーションキャンペーン」(DC)が1日からスタートした。JR函館駅では懐かしの急行列車を復活させた「北海道一周号」が午前8時過ぎ、鉄道ファンらに見守られながら出発した。

 道内でのDCは2006年の「はなたび北海道」以来。今回は9月までの3カ月間、「北海道にしかない新しい発見の旅」をテーマに、現在運行されていない急行列車で函館—札幌—釧路—札幌—函館を3泊4日で巡る一周号や、倶知安経由で函館と札幌を結ぶ特急「ヌプリ」の運行(8月6〜31日)など、多彩なイベントで夏の道内観光を盛り上げる。

 一周号の最初にお目見えした急行「ニセコ」は、1970年代前半までSLにけん引され、長万部—小樽間の険しい山道を走った名列車。客車急行としては定期運行が廃止された1986年以来、26年ぶりに復活した。

 午前7時半からの出発式では、JR北海道函館支社の幅口堅二支社長が「圧倒的スケールの自然や海の幸、山の幸を存分に味わいながら旅してほしい」とあいさつ。中西猛雄渡島総合振興局長、中林重雄函館市副市長らがテープカットを行った。

 5両編成の列車(定員264人)はほぼ満席となり、ホームは乗客や、懐かしい急行を写真に収めるファンらで混雑した。札幌市の小林信人さん(45)は「山線(長万部—小樽間の通称)を走るのが懐かしい。乗るのも撮るのも楽しみ」と笑顔で話し、列車に乗り込んだ。(千葉卓陽)


◎おいしい 楽しい 「キャラ」メルいかが

 道南食品(函館市千代台町)は、キャラクターをデザインした「北海道キャラメルシリーズ」に新たに7種類を加え、3日から販売を開始する。新商品は小豆やキナコ、メロン味などで、それぞれ新キャラクターも登場した。先行販売していたイチゴなど3種類を合わせ計10種類となる。

 同シリーズは「食べておいしい、見て楽しい」をコンセプトに、今年4月にイチゴとコーン、ポテトの3種類を販売。かわいらしいキャラクターが若年層を中心に人気を集めている。

 パッケージのキャラクターデザインは、ACジャパンのCM「あいさつの魔法。」を手掛けた札幌市在住のイラストレーター、yukky(ユッキー)さん。キャラクターはそれぞれ年齢や性格など細かな設定もあり、パッケージの中の箱に書き込まれている。

 新たに登場したのは十勝産の小豆やきな粉、富良野のメロンなど全て道内産の原料を使用。それに合わせ、キャラクターは「あずキング」「きなこ姫」「ふらメさん」などユニークなキャラクターが並ぶ。

 同社では「キャラクターで物語を展開させていきたい」とし、「キャラクターたちと一緒に会社も成長していければ」と話している。

 1箱120円。道内各地の土産店で販売する。市内では五稜郭タワーや函館山ロープウェイ、JR函館駅や函館空港などで購入できる。(松宮一郎)