2012年7月20日 (金) 掲載

◎道菓子工業組合函館青年部がモンドセレクション銅賞 創作菓子「和スイーツ・なごみ」

 北海道菓子工業組合函館支部青年部(吉田貴之部長)のメンバーらが開発、製造した菓子「和スイーツ・なごみ」が、今年の国際的な食品コンクール「モンドセレクション」で銅賞を獲得した。市内の和菓子店の若手経営者らだけで製造した自信作で、部長を務める吉田食品(高盛町)の吉田社長らは「若い力でつかみ取った賞。励みになった」と喜んでいる。

 「なごみ」は、2007年に市内で開かれた菓子まつりに出品するため、青年部のメンバーが試作を繰り返し完成させた創作菓子。

 和と洋の融合がコンセプトで、材料には地元のガゴメと七飯産のリンゴを使用。生地にガゴメを練り込み、中にリンゴをベースにした白あんを入れ、しっとりとした食感に仕上げた。

 イベント後に同じ材料、作り方、ネーミング、価格150円で統一し、青年部のメンバーの店などで販売を開始。幅広い客層に人気が出てきたことから、さらに知名度を高めようと、今年初めて同コンクールに出品した。

 審査の結果は銅賞で、青年部メンバーらは大喜び。若杉誠士さん(はこだて柳屋、万代町)と田中孝明さん(龍栄堂、上新川町)は「賞を取れて満足している。自信がついた」と笑顔。山田敏さん(銀月、湯川町)と稲船一雄さん(いなふね菓子舗、花園町)も「受賞を機にもっと商品を知ってもらえれば」と話した。

 完成から5年で各店でも看板商品に成長したという「なごみ」。吉田部長は「函館の菓子といえば『なごみ』といわれるようにもっと知名度を上げていきたい」と張り切っている。(松宮一郎)



◎夏の交通安全運動スタート 各地で防止呼びかけ

 夏の交通安全運動が19日、全道一斉にスタートした。28日までの期間中、関係機関が連携して取り締まりの強化や各種啓発を行う。初日は、函館中央署や渡島総合振興局などの関係機関が参集し、函館開発建設部庁舎前で出動式を行い、交通事故防止を呼び掛けた。

 式で道警函館方面本部の松尾健弘本部長が「道内の事故死者数は88人で増加傾向にある。シートベルト全席装着などに力を入れ、市民の意識高揚を図りたい」とあいさつした。

 車両点検や模擬走行などを行った後、白バイやパトカーなど計12台が出動し、市内を回って交通安全をアピールした。

 一方、北斗浜分小学校近くの国道227号沿いでは、交通安全運動に合わせて「交通安全祈願祭」「1000人旗の波作戦」(東部追分町会主催、栃木正治会長)を実施。全校児童や各関係者ら約1000人が参加し、啓発活動に励んだ。

 同町会が1983年に建立した祈願塔前で玉ぐしをささげるなどして交通安全を祈願し、栃木会長は「関係機関と連携して交通事故の根絶を目指したい」と述べた。

 その後、児童らは車に向かって黄色い旗を振りながら「優しい運転をお願いします」などと元気な声を響かせていた。(柏渕祐二)



◎七重浜の湯 24日にオープン スパビーチが新装

 【北斗】北斗市七重浜8の「函館スパビーチ」が24日、「天然温泉七重浜の湯」(松村進支配人)としてリニューアルオープンする。フィットネスクラブを併設し、海岸に面して露天風呂を新たに設置したほか、道南初という「高濃度炭酸泉」を導入した。同温泉では「地域住民に親しまれる温かな雰囲気の施設にしていきたい」と話している。

 スパビーチは5月中旬で一時休業し、東京のコンサルティング会社がリニューアルの準備を進めてきた。以前はホテルやプールなどの設備もあったが、「スーパー銭湯」として再出発する。

 リニューアルの目玉は浴場の「高濃度炭酸泉」。低温の浴槽の中に高濃度の炭酸を出し、発汗を促すというもので、血行不良の改善や血圧を下げるなどの効果があるという。「炭酸水の中に入っているイメージで、浴槽を出た後も発汗が続くの特徴」(同温泉)とする。

 また、海岸に面して男女それぞれの浴場に露天風呂を新設。浴槽につかりながら函館湾を望むことができる。ほかに和風レストランや無料の休憩スペース、マンガ5000冊をそろえたコーナー、会議や宴会に利用できるホールも2つ用意している。

 入浴料は400円(小学生以下200円、未就学児100円、3歳未満無料)。無休で営業時間は、七重浜の湯が午前9時から午後11時まで、フィットネスクラブは午前10時から午後10時まで。問い合わせはTEL0138-49-4411。(松宮一郎)


◎多重債務相談者の65% 1年後に市税など納付 函館市くらし安心課

 函館市のくらし安心課(旧くらし支援室)に多重債務の相談に訪れ、弁護士や司法書士に対応を引き継いだ相談者の約65%が、相談から1年後に市税や国民健康保険料などの納付を開始していることが分かった。同課は「多重債務から抜け出し、生活が改善されている証しでは」と分析している。

 同課のまとめによると、2010年度に相談に訪れた550人のうち、弁護士や司法書士に対応を引き継いだのは185人。裁判所を通さずに債権者と弁護士の間で返済方法を和解する「任意整理」や、自己破産などの方法で解決を図っている。

 債務整理には一般的に3〜6カ月程度の時間がかかるため、同課は引き継ぎから1年後までの間、生活の見込みが立っているのかを追跡調査している。

 10年度に専門家に引き継いだ185人のうち、市税や国民健康保険料、介護保険料、保育料といった公債権(=自己破産してもなくならない債権)を滞納しているケースが延べ136件、約3790万円あったが、昨年度はそのうち88人が支払いを始め、1212万円が納付された。

 相談を受けた際には1カ月間の生活費の聞き取り調査を行った上で、過払い金の活用や分割での納付について助言を行っている。

 同課は市税や国保料の納付について「あくまで二次的な効果だが、支払われる可能性が低かった税金などが納付されることは喜ばしい」とした上で、「相談を受けた市民には、再びつまずいてほしくない。多重債務は年収の低さやギャンブル依存だけでなく、突発的な病気や借金の肩代わりが原因で陥るケースもある。落ち着いた生活を心掛けてほしい」と話している。(千葉卓陽)


◎夏の高校野球南大会 函大有斗、4強届かず 北海に1—6

 【札幌】夏の甲子園の最終関門となる第94回全国高校野球選手権南北海道大会(道高校野球連盟など主催)第4日は19日、札幌円山球場で準々決勝2試合を行った。函大有斗は北海(札幌支部)と対戦。中盤に失点し、1—6で敗れ、昨年の雪辱はならなかった。佐藤星七、吉田雄人(ともに3年)ら道南出身の選手がいる北照(小樽支部)も札幌第一に1—6で敗退した。

 函大有斗は初回、1死から川村の内野安打と2盗塁で好機を迎えたが、無失点。その後は相手投手の鋭い変化球に翻ろうされ、なかなか得点機をつくれなかった。しかし、5点を追う8回に先頭・倉持、寺田の連打で好機を広げると、1死後に東が中前に運んで1点を返し、意地を見せた。

 エース・東は序盤から走者を許しながら我慢強く打たせて取り、5回まで無失点。しかし6回に先制を許すと、7回は長打と四死球が絡んで4失点を喫した。それでも逆転を信じて力投を続けた。(小林省悟)