2012年7月27日 (金) 掲載

◎食と農の交流拠点「あぐりへい屋」オープン JA新はこだて

 【北斗】JA新はこだて(畠山良一組合長)直営のファーマーズマーケット「あぐりへい屋」(工藤寛生店長)が26日、北斗市東前62にオープンした。広域JAの強みを生かした農産物の品ぞろえが売り。フードコーナーや調理・加工室も備え、交流を通じ消費者との絆を強める。北海道新幹線の新函館(仮称)開業に向け、観光拠点として期待も大きい。  開店に先立ち、同所で修祓(しゅばつ)式・開所式があり、約40人が落成を祝った。畠山組合長が「地域農業や農産物に対し一層の理解をお願いします」と強調。来賓の中西猛雄渡島総合振興局長、高谷寿峰市長が祝辞を述べた。

 続いて店舗名を付けた函館市西桔梗町の主婦、山崎なつきさん(33)に道南産米「ふっくりんこ」や野菜など3万円相当の賞品が贈られた。山崎さんは「採用されるとは思っていなかったので、うれしい。地元の人に愛される店になってほしい」と話していた。畠山組合長や中西局長、高谷市長ら6人がテープカット後、営業を開始した。

 メーンの野菜コーナーにはトマトやキュウリ、ジャガイモなど地元産がずらり。チーズや飲むヨーグルト、アイスクリーム、総菜、酒類などもそろう。調理・加工室は消費者向けの料理教室、生産者にはみそ、漬物の加工に利用してもらう。

 同JA東前事業所内を全面改修、売り場面積は旧店舗の30平方bから186平方bに。50台以上が収容できる駐車場も新たに整備した。出荷登録者は80戸、3年後に売上高1億円を目指す。

 営業時間は平日午前10時〜午後5時、土・日曜午前9時〜午後4時。月曜定休。問い合わせは同店TEL0138-77-7779へ。(山崎大和)



◎いっぱい外で遊ぶぞ 福島っ子 函館入り

 道南の真宗大谷派の寺院や函館地区のボーイスカウト関係者が実行委員会(経森等委員長)をつくり企画した保養活動「はばたけ福島キッズ『おもいっきり遊ぼう共!・友!・朋!』」に参加する福島県内の児童ら計18人が26日、函館入りした。来月2日までホームステイやキャンプをしながら市民との交流や観光などを行う。

 福島第一原発事故後、放射能の影響で屋外での活動が制限されている県内子どもたちに思う存分、羽を伸ばしてもらおうと初めて企画した。

 一行は同日午前11時すぎJR福島駅を出発し、新幹線や特急を乗り継いで午後5時すぎ、JR函館駅に到着。改札口から出てきた子どもたちは、迎えに来た実行委のメンバーの歓迎を受けた。

 駅前で記念撮影をした後、宿泊先の真宗大谷派函館別院(元町、島潤二輪番)に移動。夕食を食べた後、近くの温泉に行き、長時間の移動の疲れを癒やした。

 白河市から参加したみさか小6年の吉田風雅さん(11)は「北海道は初めて。キャンプを楽しみにしています。いっぱい思い出を作りたい」と期待を膨らませていた。

 27日以降は市内でホームステイをしながら、七飯町東大沼でのキャンプや市内観光、函館大谷短大生の「光る影絵」観賞などのプログラムが予定されている。

 経森委員長(64)は「外での遊びが制限されていると聞いているので思い存分遊んでほしい。子供たちにとって心に残るものにしていきたい」と話した。(鈴木 潤)



◎道央道「大沼公園IC」11月10日に開通

 【森】ネクスコ東日本(東京)は26日、道央自動車道(道央道)の森インターチェンジ(IC、森町森川町)—大沼公園IC(同町赤井川)間9.7きキロを11月10日に開通させると発表した。開通すると、同社北海道支社函館工事事務所(函館市桔梗)が担当する八雲IC—大沼公園IC間45・9`が全て結ばれる。

 開通により札幌—函館間の所要時間は約4時間20分と、全て一般道を利用した場合に比べ約80分短くなる。噴火湾の集中豪雨や津波の影響で並行する国道5号が通行止めになった場合の代替ルートにもなる。道央方面から大沼国定公園に行きやすくなり、観光面での貢献も大きい。

 開通区間は、高速道で初めてワイヤロープ式防護柵を採用。舗装材料に噴火湾産ホタテ貝殻粉末を使うなど、環境に優しい技術を導入している。

 函館へ向かう大沼公園IC—七飯IC(仮称)間10キロは、函館開建が新直轄方式(通行無料)で建設する。(山崎大和)


◎池田さん高畑さん、道南初の訪問認定看護師に

 訪問看護ステーション西堀(函館市中道2)の所長で看護師の池田ひろみさん(44)と訪問看護ステーションケンゆのかわ(同市湯川町3)の看護師高畑智子さん(45)がこのほど、日本看護協会(東京)認定の訪問看護認定看護師の資格を取得した。道南では初の認定。東京での研修などを経て合格を勝ち取った2人は「合格以上の貴重な経験を得た。地域の在宅ケアの向上につながるよう努めていきたい」としている。

 同認定看護師は訪問看護の専門的な知識、技能を有し、在宅ケアの質の向上や推進を図るスペシャリスト。受験資格は、看護師経験5年以上、うち訪問看護職として実務経験3年以上が必要だ。

 2人とも訪問看護師として中堅、ベテランの域に達し、職場でも中核的な存在だが、今以上にスキルアップを図りたいと資格取得を決意。昨年10月から今年3月まで函館を離れ、東京の日本訪問看護財団などで専門教育を受けた。5月に行われた試験で合格点に達し、見事資格を取得した。

 2人とも「職場の仲間や家族の協力があったからこそ受験できた」と感謝の思いをまず語る。

 東京での研修中、慣れない土地で戸惑うことが多かったというが、高畑さんは「今まで普通にやっていた基本的な技術に対し、本質や根拠をあらためて見つめ直す機会となった。視野が広がった」、池田さんも「今までは職場中心で物事を考える傾向だったが、社会全体での枠組みの中で看護師としての立つ位置を定めたいと思うようになった」と話す。

 医療と介護の連携が重視される中で訪問看護師の果たす役割やニーズはますます高まっているが、一方で担い手不足という大きな課題を抱える。2人とも「いろいろな場面で訪問看護の魅力を伝え、一緒に働く仲間を増やしていきたい」と決意を新たにしている。(鈴木 潤)


◎友達作るぞー児童259人交流 五稜郭林間学校始まる

 休み中の小学生が野外活動などに取り組む函館市立五稜郭林間学校(市教委主催)が26日、五稜郭公園で始まった。市内32校から3年生以上の児童259人が参加。初日は自己紹介やレクリエーションを通じて交流を深めた。

 今年で87回目を迎え、参加者は昨年より約30人増えた。30日までの日程で、四稜郭ファームでの野菜収穫体験や箱館奉行所、北洋資料館といった社会施設を見学する。

 初日は開校式が開かれ、戸沢和彦校長(中央小)が「マナーとルールを守り、ほかの学校の友達をいっぱい作ってください」とあいさつ。その後、学年別に10クラスに分かれて自己紹介などをした。最初は恥ずかしそうな表情を見せていたものの、ボール遊びや名前当てゲームなどのレクリエーションを通じて徐々に仲良くなっていった。

 3年生から毎年参加している馬場映梨子さん(中央小6年)は「野菜収穫がすごく楽しみ。新しい友達をたくさん作って、最後だから楽しい思い出をいっぱい作りたい」と目を輝かせていた。(後藤 真)