2012年7月28日 (土) 掲載

◎農地情報丸ごと管理、タブレット型端末で現地調査

 タブレット型端末を利用し、農地の利用状況をたやすく確認できる「現地調査システム」に、道南の農業界が熱い視線を注いでいる。端末さえあれば、どこの誰が何を栽培しているか、といった確認作業が画面上で完了、調査時に必要な紙がいらなくなるからだ。道南での導入に向けた第一歩として、27日に道南NOSAI北部支所(せたな町)で研修会が開かれた。

 北海道土地改良事業団体連合会(札幌、水土里ネット北海道)が運用する。端末のGPS機能で現在地を把握し、調査対象となる図形の属性情報(調査項目)に調査結果などを入力する仕組み。

 地図上に表示された圃場(ほじょう)図をタップして入力対象を確定。データと違う作物を栽培している場合は、その場で修正できる。写真撮影や手書きメモ、画面上で距離や面積を簡易計測する機能も持つ。

 研修会には道南の自治体、JA、NOSAIなどから約40人が参加。水土里ネット北海道の小川博基主査は「紙に依存した従来の調査に比べ、人員の削減、紙などのコストの削減、結果が即座に電子化されるのでデータを再入力する手間も省ける」と強調。今金町産業振興課の水野耕輔さん(24)は「事務作業の簡素化、効率化につながる。現地での写真撮影やデータ入力も魅力的。前向きに検討したい」と話していた。

 利用団体が端末購入、通信費を負担。ソフト利用料は2台までは無償だが、3台目からは1台当たり年間2万1000円が必要。道内で現在2団体が同システムを使用している。(山崎大和)



◎港まつり参加のミッキー、ミニーが市長表敬

 「開港153周年記念函館港まつり」のパレードに初めて参加する東京ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)の人気者、ミッキーマウスとミニーマウスが27日、函館市役所に工藤寿樹市長を表敬訪問した。

 ミッキーたちは8月2日に行われる港まつりのパレード「ワッショイはこだて」の松風コースに登場。今回は今年のTDRのアンバサダー(親善大使)の横田恵理子さん(26)とともに出演のあいさつのために訪れた。

 市長室でミッキーらは工藤市長と対面するなり、抱き合ってあいさつ。工藤市長から「今年のパレードは函館最大の話題。子どもからお年寄りまで市民のみんなが待ち望んでいる」と声をかけられると、照れたようなしぐさで愛嬌(あいきょう)を振りまいた。

 横田さんは「自然豊かで、こんなに景色が素晴らしいところでパレードできることを楽しみにしています」と意気込みを語り、ミッキーのサイン入りのブロンズ像を贈呈。工藤市長は「ミッキーの魔法で当日はいいお天気に」と願いを込めた。

 TDRを運営するオリエンタルランド広報部によると、当日はミッキーやミニー、ドナルドダックら7人のキャラクターが2日午後5時から、特別車両2台に分乗して登場。地元の小中学生らのキッズダンサー50人も加わり、市役所前から松風町交差点までの電車通を踊りながら練り歩くという。(森健太郎)



◎高校簿記コンクールで函商が全国10位入賞

 千葉の明海大学・浦安キャンパスで、22日開かれた「第28回全国高校簿記コンクール」で函館商業高校簿記部が団体の部で10位に入賞した。出場したのは小松麻梨乃さん(3年)、竹浪幹奈さん(3年)、紺野龍星君(2年)。個人の部でも全員入賞する快挙に同部は「とてもうれしい。次の大会でも力を出し切れるよう頑張りたい」と張り切っている。

 部員たちは放課後や休日の練習時間に、過去問題を解くなどし、スピードや正確性を身につけて大会に臨んだ。指導に当った新谷弥教諭は「学校祭の準備などもあり限られた中での練習だったが、これまで積み重ねてきた努力が入賞につながった」と教え子の努力の結果に目を細める。

 昨年も全国大会に出場した小松さんは「緊張したが昨年果たせなかった目標が達成できてうれしい」、竹浪さんは「発表を聞いた瞬間はうれしかった。がんばってよかった」と、喜びもひとしおの様子。紺野君は「苦手分野をもっと勉強しておけばよかったと思うが、入賞できてうれしい。来年の全国大会に向けて勉強を頑張っていきたい」と意欲を新たにする。

 大会は全国商業高校学校協会の主催で、全国の96校から380人が出場。帳簿や仕訳などの問題に取り組み、団体は3人の合計点で競い合った。(平尾美陽子)


◎福島町長選に佐藤卓也氏が出馬表明

 【福島】福島町議の佐藤卓也氏(50)は27日、町長死去に伴う福島町長選(8月21日告示、同26日投開票)に立候補することを表明した。佐藤氏は「進めてきた少子化対策などをベースに、逝去した村田町長の跡を継いで福島町を発展させていきたい」と抱負を語った。

 佐藤氏は取材に対し、「前回選挙で半数近い町民に支持された村田町長の政策を引き継ぎ、少子化対策など十分でなかったところに力を注ぎたい」と述べ、若者の雇用の場拡大を目指し、トップセールスで企業誘致にも取り組む決意を示した。

 また、佐藤氏自身が得意とする教育分野での情報通信技術(ICT)の活用や、水産業など1次産業の振興、近隣町村との連携を深めていきたいと述べた。

 佐藤氏は1961年、福島町生まれ。中央大学大学院修了。学習塾を経営する傍ら、町議当選2回。2011年1月の町長選に出馬し落選している。

 町役場では同日、立候補予定者説明会が開かれ、佐藤氏のほか、現職町議と町内の無職男性の2人が出席。担当者から説明を受けた。(小杉貴洋)


◎「核兵器廃絶」訴え、函館で平和の火のリレー

 原爆の惨禍や核兵器の廃絶を訴える「第25回反核平和の火のリレー」(函館地区実行委主催、田中康一委員長)が27日、函館市内で開催された。34人のランナーが参加し、トーチにともした平和の火を走りつないだ。

 各地区で行われているリレーは、今年5月に広島でスタート。北海道では17日に宗谷管内幌延町に平和の火がつながれた。函館地区では私鉄総連函館バス支部、JR労組、函館病院労組など14団体が参加している。

 市電駒場車庫前で出発式が開かれ、田中委員長が「1人でも多くの市民に原爆の惨禍、核兵器の廃絶をアピールしたい」とあいさつし、ランナーにトーチとたすきを手渡した。

 市役所まで約12キロを走り抜き、北電函館支社前、市役所前では平和行政の推進や大間原発の建設反対なども訴えた。今後は木古内町に平和の火がつなげられ、8月5日に札幌市でゴールを予定している。

 参加した大根田学さん(30)は「少しでも多くの人に思いが伝われば」と話していた。(柏渕祐二)