2012年7月29日 (日) 掲載

◎大沼で冥福祈る…湖水まつり開幕

 【七飯】第103回大沼湖水まつり(七飯大沼国際観光コンベンション協会主催)が28日、大沼国定公園広場で開幕した。地元住職らによる慰霊祭がしめやかに営まれた。梅花講が唱えるご詠歌が響く中、参加者が故人をしのびながら静かに浮かべた灯ろうが湖面を照らした。

 1906(明治39)年に景雲寺住職が大沼の水難者供養のために法要を営んだのが始まりとされ、現在は、先祖供養、ペット供養など、大切な家族への思いを込めて、灯ろう流しを行っている。

 大沼国際交流プラザ前から同広場まで歩いた灯ろう行列には中宮安一町長や逢坂誠二衆院議員、作家の新井満さんら約100人が参列。同協会の渡辺邦浩会長は「ラムサール条約に登録された大沼の水のイベントを楽しんで」とあいさつ。中宮町長は「103回目の湖水まつりを続けられるのは皆さんのおかげ」と述べ、続いて、冨原亮道議があいさつした。

 慰霊祭では、地元9寺院の住職による読経と梅花講約70人のご詠歌に送られ、参列者が次々と灯ろうを湖水に浮かべ、湖水を彩るあかりに向かって静かに手を合わせた。

 最終日の29日は、午前10時から午後3時まで広場でフリーマーケットを開催。サッポロ飲料のイメージキャラクターリボンちゃんによる「じゃんけん大会」(午前10時半、午後零時半、同2時半)、このほか、よさこいやダンスが行われる。午後7時からの灯ろう流し、同8時からの花火大会で終了する。問い合わせは同協会TEL0138-67-3020。 (今井正一)



◎巨大コロッケ食べた〜い…厚沢部でイベント

 【厚沢部】特産品の販売や音楽ステージで楽しむ「あっさぶふるさと夏まつり」(実行委主催)が28日、厚沢部町役場前で行われた。巨大コロッケ作りやアユの塩焼き、カラオケ大会などで盛り上がった。

 特産のメークインを使った巨大コロッケ作りは直径2.1メートルに挑戦。見事揚がったが、内部温度が規定に達しなかったため、安全を優先して試食は断念した。高田一弥実行委員長らが念入りな準備と調理経過を伝えると、会場からは労をねぎらう温かな拍手が起きた。

 また今年は上ノ国町の若手漁業者がまつりに協力。ウニなどの新鮮な水産物を並べ、「厚沢部には海がないので、上ノ国の漁師の力でイベントがさらに充実した」(実行委)と評判だった。

 町内の土野美幸さん(6)と山本彩友妃さん(7)は「初めて大きなコロッケを見た。あのコロッケを食べてみたいので、来年も挑戦してほしい」と笑顔だった。(田中陽介)



◎市勢要覧「廃止を検討」…函館市事業仕分け

 函館市の外部委員による事業仕分けが28日、市役所で行われた。2班に分かれて10事業を審査し、市勢要覧発行費について、市のホームページ(HP)での代用が可能などとして「廃止を検討」と判定。4件で見直しが必要、1件で民営化の検討が必要とした。

 市の歴史や主要施策を紹介する市勢要覧の発行費(本年度予算551万円)に関し、市広報広聴課は3年ごとに内容を全改訂し、本年度の発行部数を6000部から5000部に減らしたことを説明。一方で、中核市41市中11市が隔年での発行、14市は廃止・休止しているとした。

 各委員からは「新しい情報が必要ならば、HPを見た方が早い」「業者との契約金が昨年度から上がっているのはおかしい」などの意見が出され、出席した委員全員が廃止の検討を求めた。

 見直しが必要としたうち、青函連絡船記念館摩周丸の管理委託料(997万円)をめぐり、市企画管理課は船の老朽化を踏まえ、修繕や解体のほか、展示物を撤去しモニュメントとして残すことも「一つの選択肢」とした。改行 根崎生活館の管理委託料(564万円)も見直しが必要と判定。児童館や生涯学習、公民館的要素など、施設の性格が多岐にわたるため、委員からは「設置目的があいまい」などの声が出た。はこだてティーエムオーに委託しているグリーンプラザの管理委託料(830万円)も「指定管理者制度にしているメリットが見えない」などと厳しく指摘し、見直しを求めた。

 事業仕分けは今後、8、10、11月に行われる。(千葉卓陽)


◎赤十字に理解深める…フェスで救急法体験、パネル展示

 赤十字フェスティバル(日本赤十字社北海道支部函館市地区など主催)が28日、ダイエー上磯店(北斗市七重浜4)で開かれた。大勢の来場者が救急法体験、パネル展示などを通し赤十字の活動に理解を深めた。

 赤十字の理念や活動を幅広く知ってもらおうと毎年実施。今回は初めて災害用伝言ダイヤル体験コーナーが設けられ、来場者は「171」のダイヤルをした後、案内に従って録音、再生する方法を学んだ。

 そのほか水難救助に用いる器具類や太陽電池の懐中電灯、各団体の活動を伝えるパネルなども展示されたり、AED(自動体外式除細動器)の使い方などを学ぶ講習が開かれた。来場者は熱心に質問し、緊急時の知識や対応を学んだ。

 函館市内から家族で訪れた木村裕一さん(36)は「こういうイベントがあると普段から応急手当などを学んでおくことの大切さを気づかされる。子どもたちも楽しんでいるようで来てよかった」と話していた。(平尾美陽子)


◎「核兵器廃絶」訴え、函館で平和の火のリレー

 原爆の惨禍や核兵器の廃絶を訴える「第25回反核平和の火のリレー」(函館地区実行委主催、田中康一委員長)が27日、函館市内で開催された。34人のランナーが参加し、トーチにともした平和の火を走りつないだ。

 各地区で行われているリレーは、今年5月に広島でスタート。北海道では17日に宗谷管内幌延町に平和の火がつながれた。函館地区では私鉄総連函館バス支部、JR労組、函館病院労組など14団体が参加している。

 市電駒場車庫前で出発式が開かれ、田中委員長が「1人でも多くの市民に原爆の惨禍、核兵器の廃絶をアピールしたい」とあいさつし、ランナーにトーチとたすきを手渡した。

 市役所まで約12キロを走り抜き、北電函館支社前、市役所前では平和行政の推進や大間原発の建設反対なども訴えた。今後は木古内町に平和の火がつなげられ、8月5日に札幌市でゴールを予定している。

 参加した大根田学さん(30)は「少しでも多くの人に思いが伝われば」と話していた。(柏渕祐二)