2012年7月3日 (火) 掲載

◎佐々木翔先輩 五輪で「金」を! 母校上磯中が応援旗制作

 【北斗】上磯中学校(小笠原正司校長、生徒701人)は2日、同校出身でロンドンオリンピック・バドミントン男子シングルス代表の佐々木翔選手(30)=トナミ運輸=の活躍を願い、応援旗を制作した。全22クラスの代表の生徒が「全力を出し切って」「すべての想いを一つのシャトルに」などと、偉大な先輩に贈る熱い思いを日の丸に託した。

 5月に自身初の五輪出場を決めた佐々木選手は4日に北斗市入りし、同校で行われる激励会に出席。応援旗は生徒の代表が直接手渡すほか、校歌を斉唱し、激励の気持ちを贈る予定だ。

 生徒たちは「ロンドンで翔選手の全ての力を出し切って下さい」「ピッカピカの金メダルを上中に持ってきて下さい」などと、世界の強豪相手に戦う先輩に向け、思い思いのメッセージを書いていた。

 3年生の石岡奎悟君(14)は「世界で活躍する先輩に向けて、生徒一同の気持ちを込めた。上中の歴史にオリンピック出場なんてなかったことで、新たな記録を刻んでほしい」と話していた。   (今井正一)



◎路線価下落率 道内2番目

 札幌国税局は2日、相続税や贈与税の課税基準となる土地の価格、路線価(2012年分、1月1日現在)を発表した。函館税務署管内の最高は函館市本町、道道函館南茅部線通りの丸井今井函館店前で、前年比13.9%減(2万5000円減)の1平方b当たり15万5000円。下落率は前年より4.3ポイント縮小したが、道内で2番目に大きい下げ幅となった。

 道内30税務署管内の最高路線価は、札幌市内2署で前年より上昇したほか、2署で横ばい、函館、江差、八雲を含む26署で下落した。

 丸井前は、リーマンショック以前の08年には16年ぶりの上昇に転じたが、以降は4年連続で下落傾向が続いている。市内新川町の不動産鑑定士、景澤周平さん(景澤不動産鑑定事務所)は「本町地区は事務所、店舗、テナントが埋まらず、売りに出ているビルも売れない。象徴が空き店舗のままのグルメシティ五稜郭店。3年後の北海道新幹線開業に向け、外部資本によるホテル用地の物色などの動きを注視しなければならないが、当面は下落基調に変わりはないだろう」と話す。

 江差税務署管内の最高路線価は、江差町本町の道道江差停車場線通り(五勝手屋本舗前)の3万1000円で、下落率は8.8%。八雲税務署管内は、八雲町本町の道道八雲北桧山線通り(渡島信金八雲支店前)の3万2000円で、下落率は5.9%。

 道内約1万6600地点で調査、下落率の平均値は前年より0.7ポイント改善して3.9%。道内の最高路線価は札幌中央税務署管内の札幌市中央区北5西3、道道札幌停車場線通り(札幌ステラプレイス前)で1平方b当たり248万円。同所は4年ぶりに上昇、06年分以降7年連続で最高。(山崎大和)



◎長万部で道新幹線起工式 札幌延伸

 北海道新幹線の新函館(仮称)—札幌間の着工認可後に行われる起工式について、長万部町が有力候補地として浮上していることが、2日分かった。道、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)、JR北海道の3者が近く協議を始め、場所や日程などを決める。

 町まちづくり新幹線課は「正式な打診はきていない」としながらも、札幌延伸後の函館線の経営分離にいち早く同意するなどした経緯から「起工式の場所に決まれば、町を挙げて歓迎したい」と前向きだ。町によると、起工式は長万部駅に隣接する駅利用者のための駐車場(町有地)を活用でき、起工式後の祝賀会も福祉センターか体育館で開くことが可能だという。

 新函館は2005年4月下旬に建設認可、同5月下旬に渡島大野駅前で起工式が行われた。今回も認可から1カ月程度をめどに終着駅の札幌市で実施するのが常識的な線だが、道は「起工式は他県の例を見ても、終点で行っているところと行っていないところがある。長万部は区間の中間で、有力な候補地だ」(新幹線推進室)としている。 (山崎大和)


◎景況感 道南2期ぶり改善 日銀短観

 日銀函館支店(中川忍支店長)が2日に発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、渡島・桧山管内の企業の景況感を示す業況判断DI(「良い」とする割合から「悪い」とする割合を引いた指数)は、全産業でマイナス4となり、2期ぶりに改善した。同支店では「観光客の増加を背景に、売り上げ増加につながった」としている。

 全産業のDIは前期(3月)がマイナス14だったため、10ポイント改善した。マイナス3だった2010年6月の以来の水準。先行きDIは4ポイント減り、マイナス8と予測。製造業は海外経済の先行き不透明感、非製造業は観光客減少への懸念が要因。

 産業別では、非製造業が10ポイント上昇しマイナス8に。観光客の増加に伴う売り上げ増で各業種がプラスに転化した。卸売は、ほかにも新幹線関連工事向けの資材の増加があり、21ポイント増えゼロになった。宿泊・飲食・サービスも43ポイント上昇し、プラス14となった。 製造業がプラス3で、9ポイント上昇。機械は震災の復興にからみ受注が増加しことを受け、マイナス11から大幅に改善しプラス11になった。

 12年度の売上高・収益計画は、前年度比0・9%増で、製造業は同0.2%減とする一方、非製造業は同1.7%の増収を見込んでいる。新卒者採用計画は、同4・4%減で、13年度の予測も19.4%となり、引き続き前年を下回る計画となっている。

 調査は5月下旬から6月下旬まで道南の103社(製造業31社、非製造業72社)を対象に実施し、全社から回答を得た。 (松宮一郎)


◎函館市が本格節電開始

 函館市は2日、今夏の電力不足に対応する「市節電行動計画」に基づき、本格的な節電を始めた。9月28日まで(8月13〜15日を除く)の間、計251施設を対象に2010年比7.9%削減が目標。本庁舎単体では3〜8階の廊下を消灯するなどし、10年比13%の削減を目指す。

 政府や北海道電力は7月23日から10年比7%の節電を要請しているが、市が率先して行動することで、市民の意識向上につなげる目的がある。行動計画は平日午前9時〜午後8時が対象。市立病院や福祉施設、浄配水場など28施設は数値目標の対象外だが、事務室などで2・8%の削減目標を立てている。

 このうち本庁舎では、1階市民ホールの水銀灯を約75%間引きするとともに、テレビや「まちかどデジタル水族館」などの大型モニターを消灯。一般市民の訪れる機会が少ない3〜8階の廊下をすべて消灯した。

 事務室での照明点灯時間の短縮や、パソコンなど事務機器の電源管理など計16項目の対策を立て、10年比13%の節電を目指す。

 市総務課は「庁舎の電力使用状況を職員にメールで周知し、一層節電に努めながら、訪れる市民への影響を少なくしたい」と話す。ホールで随時開かれるパネル展などは、パネル上部にLED照明を設置して対応する方針。

 中央図書館(五稜郭町)は職員が働く事務室で照明の間引きなどを行うが、利用者のスペースについては読書環境を考慮し、照明や館内温度を平常通りとする。同館は「読書の場であり、暗くはできない」。また夜間急病センターなどの医療施設があり、計画停電の対象外となっている総合保健センター(同)も事務室で節電に努めるが、一般市民が利用する健康増進センターは通常通りとする。

 市はこのほか、通常24時間稼働しているし尿処理場(日乃出町)を日中の一定時間停止するほか、市電は23日から9月7日の平日午前9時から午後4時ごろまで、運行間隔を6分から7分に延長し、1日8本程度減便する。 (千葉卓陽、後藤 真)