2012年7月30日 (月) 掲載

◎【ロンドン五輪】バドミントン男子単・佐々木圧勝 地元も熱い応援

 ロンドン五輪3日目の29日、バドミントン男子シングルスに北斗市出身の佐々木翔選手(30)、女子10メートルエアピストルに八雲町出身の小西ゆかり選手(33)が登場した。それぞれの地元では後援会関係者らが集まり、現地へ熱い声援を送った。佐々木選手は予選を突破したが、小西選手は決勝進出はならなかった。

 ■佐々木の決勝T決定に沸く—北斗

 五輪初出場の佐々木選手を応援しようと、北斗市総合文化センター小ホール(中野通2)で開かれたパブリック・ビューイング(後援会主催)には約250人が集まった。ウェンブリー・アリーナで戦う「サムライ・サウスポー」がスクリーンに映され、勝利が決まると大きな拍手が起こった。

 この日は佐々木選手にとって唯一の予選で、スリナム代表のスロデジョ・フィルヒルと対戦。世界ランク7位の佐々木選手に対し、フィルヒル選手は240位。順当な勝利が期待されたが、第1ゲーム序盤は点差を付けられず来場者は息を飲んで見守った。

 得意とする時速455キロ(初速)という世界トップクラスの高速スマッシュが決まると「すごい」「さすが」と声が上がり、応援もリラックスムード。第2ゲームは圧倒し、試合時間わずか27分で、2─0の勝利を収めた。決勝トーナメントに進んだ佐々木選手に「よくやった」「次も頼むぞ」などと声援が飛んだ。

 中学時代の恩師で上磯中の小笠原正司校長(52)は「今日は集中していい顔だった」、祖父・信一さん(84)は「皆さんの期待に近付いてくれると思う。次も自分の力を発揮してほしい」と願いを込めていた。

 ロンドンの会場で観戦した父・敬悦さん(52)は、函館新聞の電話取材に対し、「翔はさすがに少し硬くなったと話していた。試合は次戦以降を見据えての展開。勝ち進んで中国の林丹(リン・ダン)選手と戦ってほしい」と話していた。

 決勝トーナメント初戦は8月1日(現地時間)に行われる。佐々木選手の対戦相手、試合時間は未定。(山崎純一)

 ■「次は平常心で」町民が小西応援—八雲

 ピストル射撃の女子10メートルエアピストルに出場した八雲町出身の小西ゆかり選手(33)=埼玉協会=の応援会が29日、同町総合体育館で開かれた。

 父・敏雄さん(61)と母・寿美子さん(同)のほか、後援会(松草茂治会長)やデジタルスポーツ射撃少年団の団員など約40人が足を運び、インターネットの速報をスクリーンで見ながら応援した。

 1発最高10点で計40発の総得点で競う予選は最初の3発いずれも10得点すると、会場から大きな歓声が上がった。結果は377点の29位タイ。決勝進出の上位8人に残れなかったが、最後まで暖かい拍手が送られた。

 穏やかな表情で見守った敏雄さんは「応援に感謝。(8月)1日は得意の25メートルスポーツピストルなので決勝に残ってほしい」と期待した。寿美子さんは「はらはらどきどきだった。次は平常心で頑張ってほしい」と話していた。

 25メートルスポーツピストルが行われる8月1日にも同体育館で応援会が開かれる。(小林省悟)



◎浅尾選手ら来場者魅了

 【福島】町月崎の人工海水浴場「海峡横綱ビーチ」で29日、マリンフェスタ(町観光協会主催)が行われ、ビーチバレー大会のゲストとして、浅尾美和さんら4人のプロ選手がエキシビション(特別実演)試合で華麗なプレーを見せた。

 22日から開かれていた同フェスタの最終日で、1600人(主催者発表)が来場。

 浅尾さんは「いいプレーが出たら拍手で応援して」と観客に呼び掛け、ペアを組む浦田景子、周藤玲美、山本成美3選手も「皆さんとビーチバレーを楽しみたい」とあいさつした。ジャンプサーブやラリーが続く白熱した試合展開に観客は大きな声援を送っていた。ペアを組む選手を入れ替えた2回戦目では、浅尾選手がパートナーの名前を間違えるハプニングもあり笑いを誘っていた。

 同じコートでは、一般参加者8チームによるビーチバレー大会や海産物のつかみどり、砂浜宝探しも実施され盛り上がった。(小杉貴洋)



◎70人が熱演 万雷の拍手

 ヘンデル作曲のオラトリオ(聖書などを元にした壮大な曲)「メサイア」の初稿版全曲演奏会が29日、函館市芸術ホール(五稜郭町)で開かれた。1年間練習を重ねた市民有志でつくる合唱団ら総勢70人が約3時間にわたり熱演。ヘンデルの意図したシンプルで劇的な楽曲を見事に再現すると、客席を埋めた来場者600人から万雷の拍手が鳴り響いた。

 市文化・スポーツ振興財団や函館メサイア教育コンサート実行委などの主催(函館新聞社など後援)で、市制施行90周年記念事業の一つ。指揮はヘンデル研究の第一人者で道教育大函館校教授の三澤寿喜さん。伴奏は古楽の一流奏者が集うキャノンズ・コンサート室内管弦楽団、ソリストは函館の声楽家、徳永ふさ子さん(ソプラノ)らプロ4人が務めた。

 イエス・キリストの生涯を表現する3部構成。第1部から、曲を途切れなく奏でる「連続性」や、合唱を引き立てる質素なオーケストラといったこの曲の特徴を存分に披露。第2部の終曲「ハレルヤ・コーラス」では、高らかな混声合唱とともに勇壮なトランペットの音色も効果的に響き、聴衆の心をつかんだ。

 第3部も圧倒的な高揚感を維持したまま、最後の「アーメン・コーラス」をスケール豊かに熱演。節目を飾る名演に大勢の聴衆が酔いしれていた。(長内 健)


◎電車ずくめ 700人超興奮

 函館市企業局交通部の駒場車庫(駒場町)で29日、構内を一般に開放する恒例の「路面電車感謝祭」が開かれた。親子連れや鉄道ファンら約730人でにぎわい、運転体験や廃車部品の販売など電車ずくめのイベントを楽しんだ。

 市交通部が2003年から毎年この時期に企画。除雪用のササラ電車や港まつりで使われる電飾で飾られた花電車などが展示され、事前に募集した親子72組160人が職員の案内で普段は入れない車庫内を見学した。

 このほか、市電運転士の制帽姿で免許証を作成してもらえるコーナーには20〜30分待ちの長い列も。廃車になった電車のつり革や降車ボタン、方向幕なども格安で販売され、熱心な愛好家らが掘り出し物を品定めしていた。

 実車の運転席でブレーキ操作やドアの開閉、マイクを使った案内などを体験した函館湯川小5年の佐藤翼君(10)は「電車の大ファンで、操作は難しかったけどうまくできた。将来は運転士になりたい」と目を輝かせていた。(森健太郎)