2012年7月5日 (木) 掲載

◎バドミントン五輪代表 佐々木翔選手が活躍誓う 母校・上磯中学校から応援旗

 【北斗】ロンドン五輪バドミントン男子シングルス代表の佐々木翔選手(30)=トナミ運輸=が4日、出身地の北斗市を訪れ、母校の上磯中学校(小笠原正司校長、生徒701人)や、後援会が主催した激励会に出席し、「地元の人から大きなパワーもらった。試合では自分のバドミントンを表現したい」と意気込みを新たにした。

 午後に訪れた上磯中では、佐々木選手が中学時代の副担任だったという小笠原校長が「本校卒業生が五輪選手となることを誇りに思う。努力してきたことを発揮し、納得いくプレーをしてほしい」と激励した。続いて生徒会長の濱谷桜雪さん(3年)から、全22クラス代表者が「ピッカピカの金メダルを上中に持ってきて下さい」などとしたためた応援旗が贈られた。

 佐々木選手は生徒に激励の感謝を述べ、3度目の挑戦で五輪出場を果たした自身の経験から「勝ちたいという気持ちを出すよりも、勝つためにすべきことを考えてほしい。また、試練を乗り越える方法を自身で考えてほしい」と話した。

 この後、同校新聞部の取材を受け、中野梨沙部長(2年)からの質問に笑顔で答えていた。「五輪出場を果たし、今日のようなあいさつをするという夢がかなった。本番前の試練の時に、古里に帰って来られたのは大きかった」と話していた。

 夜に市総合文化センターかなでーるで開かれた激励会には、後援会員など約320人が参加。後援会長の高谷寿峰北斗市長が「これまで培ってきたものを出しきり、夢、希望、感動を与えるプレーをしてほしい」と声援を送った。佐々木選手は参加者から「おめでとう」「メダルお願いね」と声を掛けられ、「自分を良く知っている人に五輪出場の報告ができ、本当に良い一日となった」と笑顔を見せていた。

 佐々木選手は6日に所属チームのある富山県で開かれる壮行会に出席し、8日から東京での代表合宿に参加。22日にロンドンへ出発する。予選の組み合わせは23日に決定する。



◎難関「日本民謡フェス」で見事3位 函館悦山会の古川さん「次はグランプリ」

 函館市神山3の民謡教室「函館悦山会」(小林基悦主宰)の古川亜美さん(23)がこのほど、全国大会「第25回日本民謡フェスティバル2012」(日本民謡協会主催)で事実上3位の奨励賞を受賞した。古川さんは「レベルが高過ぎて入賞は思ってもみなかった。もっと表現を磨きたい」と意気込んでいる。

 同フェスは、各地の民謡の全国大会優勝者が勢ぞろいする難関で、毎年東京で開催。今年は6月24日、NHKホールで行われた。古川さんは昨年10月、「民謡民部全国大会」民謡の部で最高位の内閣総理大臣賞に輝き、出場権を獲得。78人が応募し、テープ審査を通った10〜70代30人の1人として、大舞台に立った。

 道南口説節全国大会など、これまで多くの大会で優勝してきた古川さん。しかし今回、出番前に出演者の歌声を耳にし「レベルの高さにびっくりした」。古川さんの指導者で、祖母の小林基悦さん(74)も「1つのミスも許されないほど審査が厳しい大会。出演者も伴奏者も誰も失敗がなかった」と驚く。

 27番目の出番だった古川さんは「本番直前までかなり緊張していた」と振り返るが、会場に響いた函館悦山会の声援がリラックスさせてくれたという。披露したのは小学生のころから学ぶ「道南口説節」。小林さんの「心を込め、語り聞かせるように歌いなさい」との言葉をかみしめ、実力を発揮した。三味線、尺八、太鼓の伴奏を務めた父の賞治さん、母みどりさん、姉の麻衣さん、同悦山会の黒滝達也さんも、古川さんの美声を支えた。

 1988年に始まった同フェスでは、今回を含め東北以北の出場者が12回グランプリに輝いている。97年と2004年には「道南口説節」の歌い手が優勝していた。古川さんは「いつか必ず再挑戦して、次こそはグランプリを取りたい」と意欲を見せている。(長内 健)



◎北海道製菓が新作発売 ほのかな刺激エゾシカせんべい 地場の肉を材料に

 菓子製造の老舗「北海道製菓」(函館市大縄町15、宮本正社長)がこのほど、地場のシカ肉を材料に生かした「北海道エゾシカせんべい」を発売した。ピリッとしたほのかな刺激と控えめな塩加減が特徴だ。関係者は「観光客だけでなく、市民にもぜひ味わってほしい」と呼び掛けている。

 同社は、質の良いシカ肉・皮を加工販売する亀田本町の「北海道産ファーム」(渋田孝代表)とタイアップし、昨年秋から新商品の開発を模索。そこで同社の看板商品であるせんべいの試行錯誤を続けてきた。

 細かく刻んだシカ肉のジャーキーを生地に練り込んで製造。生地は薄く、パリパリとした食感が楽しめる。同ファームのシカ肉は「くくりわな」で生きたまま捕獲、道が定めた厳しい衛生基準をクリアしている「安心・安全な商品」で、せんべいはエゾシカ協会(札幌)の推奨を受けている。渋田代表(33)は「エゾシカせんべいは珍しいのでは。こだわりの味も楽しんもらえれば」と話している。

 せんべいは小が420円(8枚)、大が630円(12枚)。(長内 健)


◎水平線にいさり火輝く スルメイカ漁最盛期

 【乙部】道南のスルメイカ漁が最盛期を迎えるのに合わせ、いさり火の輝きも増してきた。好漁の桧山沖では、水平線に集魚灯が密集し、夜空を幻想的に照らしている。

 今季のスルメイカ漁は、道南日本海側で分布密度が高く、7月に入り、江差から乙部沖合にかけて漁船が集中している。ひやま漁協によると、管内のイカ釣り漁船は180隻ほどで、このうち57隻が他地域の所属だという。

 桧山南部のイカ釣りは午後1時ごろに出漁し「これだけ漁船が多いと場所とりも大変」(同漁協)。乙部前浜では2〜3キロの沖合で同3時半に針下げが始まり、翌日午前4時すぎに漁港へ戻ることが多い。集魚灯は白熱(オレンジ)と省エネ球(青白)と色合いが異なり、漁場で使い分けすることもある。漁協関係者は「今後も豊漁と安全操業を願いたい」としている。(田中陽介)