2012年7月6日 (金) 掲載

◎函大生が認知症介護の学ぶ現状

 函館大学の大橋美幸准教授が指導する学生のグループが商学実習のカリキュラムの中で「函館認知症の人を支える会」(佐藤悠子会長)と交流しながら、認知症介護の現状を学んでいる。最終的に学内の発表会で活動成果を報告し、学生たちは「認知症を取り巻く課題に対して学生の視点で何か提起できれば」と意欲を見せている。

 商学実習は地域の企業や市民グループなどと連携、交流しながら行う実地学習。

 大橋准教授は「認知症の人と家族の会」(京都)の元理事。大学では社会学などを専攻しており、商学実習では、認知症当事者や家族の相談ボランティアなどを行う「函館認知症の人を支える会」の活動に焦点を当て、当事者や家族を取り巻く課題や支援の在り方などを探っている。

 実習では、毎週木曜に行う同会の相談ボランティアや「つどい」を取材したり、毎月定期的に開催する本人交流会にメンバーの一員として参加し、当事者、家族らと交流する。中でも、実際に家族を介護している会員へのインタビューは実習の重要な活動で、10人ほどから話を聞いている。

 5日は同センターで、大橋准教授と藤本剛大さん(2年)、力石眞嘉さん(同)が、義母を介護する会員にインタビューをした。「どんな介護サービスを利用していますか」「介護で大変なことは」「会に入会したきっかけは」などと質問し、会員も「介護の愚痴をしっかり聴いてあげたい」などと答えていた。

 力石さんは「認知症介護の悩みや苦労をしっかり学びたい」、藤本さんも「親が認知症になった時、どうすべきか考えさせられた」と話していた。  同会の佐藤会長は「介護している人の気持ちなど教科書にはないことを学んでほしい」と期待を寄せている。(鈴木 潤)



◎真宗大谷派の住職ら福島の児童を道南に招待へ

 道南の真宗大谷派の寺院や函館地区のボーイスカウト関係者でつくる実行委員会は26日から8月2日まで、福島県内の子どもたちを招く「はばたけ福島キッズ『おもいっきり遊ぼう 共!友!朋!』」を道南地区で展開する。市内近郊でのホームステイやキャンプを盛り込んだ。実行委員長で法龍寺(函館市新八幡町)住職の経森等さん(64)は「自由に外で遊ばせ、地元の子どもたちとの交流を通じて、楽しい集いにしたい」と話し、ホームステイの受け入れ協力を呼び掛けている。

 真宗大谷派では、震災後に仙台市内に支援センターを立ち上げ、宗派を挙げて被災地のサポートを続けている。経森さんは函館別院(元町)をはじめとする道南の各寺院やボーイスカウト関係者、函館大谷学園などの協力を得て、今回の事業を計画。本山の東本願寺(京都市)からも助成を受けた。

 計画では、福島県内のNPO法人などを通じて、小学校4年生から6年生までの児童30人、引率の保護者ら10人を定員に募集。26日は函館別院に宿泊し、27日から2泊3日でホームステイを行い、各寺院や協力家庭で過ごす。29日からは七飯町東大沼の流山温泉でキャンプを実施。函館地区のボーイスカウト所属の子どもたちも合流して交流を図る。

 経森さんは「今回の震災はあまりにもひどい惨劇で、子どもたちの手に負えることではなく、子どもたちの喜ぶ顔がみたいと企画した。特別なことではなく、いつも通りの生活の中で、家族のように受け入れてもらえれば」と話している。  ホームステイ先の募集は15日まで。問い合わせは経森さんTEL0138-86-2911、携帯090-1647-5211。(今井正



◎函館市、HAC支援で職員の出張利用を検討

 函館市の工藤寿樹市長は5日の定例記者会見で、経営難の北海道エアシステム(HAC)の再建問題をめぐり「直接的な支援は考えていない」とする一方、搭乗率を高める対策として、職員が札幌出張などの際にHACを利用することで側面支援を検討している考えを明らかにした。

 6月に道が示した経営改革案によると、函館発着便では旭川線を来年2月から休止する一方、基幹路線の丘珠線は増便を検討している。

 工藤市長は「今のところ出資や損失補てんなどは検討していない」と新たな財政的な支援には消極的な姿勢を示したが、「搭乗率を上げることは検討しなければ」と何らかの支援策を検討していることを説明した。

 市人事課によると、市の旅費規定では、職員が札幌に出張する場合は基本的にJRを利用することになっているが、工藤市長は「列車料金と遜色がないのであれば、一時的にHACを優先利用するのも支援策として検討しなければならない」と述べた。

 函館—札幌間はJRの往復割引切符では通常1万4400円だが、HACの函館—丘珠線の7日前までの購入割引では平日の往復で2万1000円。同課は「効率性と経済性を考えながら早急に結論を出したい」としている。(森健太郎)


◎港まつりにディズニーパレード初参加

 函館の夏を彩る「開港153周年記念函館港まつり」(8月1〜5日、実行委主催)で、今年は函館市制施行90周年を記念し、ミッキーマウスなど人気のディズニーキャラクターがパレードに参加することになった。函館でディズニーのパレードが行われるのは初めて。人気者の登場で祭りは例年以上の盛り上がりを見せそうだ。

 90周年記念の目玉事業として、市が昨年から港まつりのパレード「ワッショイはこだて」への招へいを模索。東京ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)を運営するオリエンタルランドもまつりを盛り上げ、TDRの魅力を広めようと快諾した。

 ミッキーやミニーマウスらが乗った特別仕様車「ドリームクルーザー2」など2台が8月2日午後5時に市役所前を出発。電車通のワッショイはこだて十字街・松風コースのパレードの先頭に合流する形で、松風町交差点手前までの約1`を20〜30分かけて巡る。

 パレードの内容やミッキー、ミニー以外の仲間たちの顔ぶれは「サプライズの意味合いもあり、当日のお楽しみ」(同社広報部)という。パレードには地元のダンス教室に通う小学生約50人も加わり、キャラクターたちと一緒にダンスを披露しながら練り歩く計画だ。

 市も当初予算に招待費400万円を計上。5日の定例記者会見で公表した工藤寿樹市長は「3・11後の市民を元気づけるには祭りの力も必要。子どもたちに喜んでもらえたら」と期待。同社広報部も「幅広い世代にTDRの雰囲気や世界を感じてもらいたい」とPRしている。

 2日が雨天の場合は3日の堀川・五稜郭コースに順延となり、同日午後4時40分から、千代台公園前〜本町交差点手前をパレードする。悪天候の場合は中止や一部内容を変更する可能性もある。

 同社によると、ミッキーらディズニーキャラクターが市内の児童福祉施設を訪問したことは1989年〜97年に計3回ある。今年は6月の札幌のYOSAKOIソーラン祭りのパレードにも参加したという。(森健太郎)


◎夏の高校野球南北海道大会の組み合わせ決まる

 【札幌】夏の甲子園への最終関門となる第94回全国高校野球選手権大会南北海道大会(道高野連など主催)の組み合わせ抽選会が5日、札幌市内で行われた。15年ぶりの大舞台を目指す函館支部勢の対戦相手が別表のように決まった。第1日の第2試合に函大柏稜(4年ぶり4回目)が札幌日大(2年ぶり7回目)と対戦。函高専(18年ぶり3度目)は昨年の覇者で優勝候補の北海(札幌支部、2年連続47回目)と第2日第3試合で戦う。函大有斗(8年連続39回目)は第3日第1試合で東海大四(札幌支部、2年連続29回目)との初戦を迎える。

 4支部から15校が出場。16日に開幕し、南北海道代表1枠を目指してし烈な争いを繰り広げる。

 函館支部代表3校の初戦となる函大柏稜は16日の第2試合。札幌支部予選3試合で計29得点と振れている札幌日大が相手だ。春季道大会では函大有斗を7—0の7回コールドで破り、優勝した北海に1点差の好試合を繰り広げた難敵。函大柏稜のエース・柏木研汰(3年)が粘り強く投げられるかが鍵となる。大柳昭彦監督は「強豪校でバッティングが良いと聞いている。先取点を奪ってロースコアに持ち込む試合をしたい」と意気込んだ。

 函高専は18年ぶりに夏の円山のグラウンドに足を踏み入れる。相手は昨年の王者で春季道大会を制し、攻守ともに圧倒的な力を誇る北海。ナインの集大成をぶつけて存在感を示す。山田誠監督は「とにかく強いのが相手の印象。守りを鍛えて全員で戦いたい。楽しみ」と期待する。

 函大有斗は1回戦最後の試合となる第3日第1試合で東海大四と対戦。札幌支部予選は全3試合無失点で、攻撃も計31得点。函大有斗は右の東祐輔(3年)、左の工藤理希(1年)の継投と、打撃陣の奮闘に期待したい。片口伸之監督は「きちんと守ってリズムをつくりたい。勝てば勢いになるが、先のことは考えず目の前の相手に食らいつきたい」と話していた。

 主な強豪校としてAゾーンでは駒大苫小牧(室蘭支部)を破った苫小牧東(5年ぶり21回目)と道栄(同支部、4年連続23回目)が1回戦で対戦。Bゾーンには北照(小樽支部、10年連続39回目)、札幌第一(9年連続21回目)など実力校がそろっている。(小林省悟)