2012年8月1日 (水) 掲載

◎道南の食PRへ 料理人ら10人シェフズ・ホープ発足

 函館・近郊の和洋中の料理人ら10人が料理団体「CHEF,S HOPE(シェフズ・ホープ)」(田中秀幸代表)を立ち上げ、8月から活動を本格化させる。まずは5日開幕の「はこだて国際民俗芸術祭」のイベント会場で創作料理が楽しめる飲食ブースを出店。今後は道南の食材を生かしたディナーや料理教室も展開していく。

 七飯町大川の「レストラン・ブランヴェール」代表の田中さん(44)と「函館ビヤホール」(末広町)総料理長の福井孝敏さん(51)を中心に発足。地場の豊富な食材を活用した道南の味覚を次世代に伝えるとともに、3年後の北海道新幹線開業を見据え観光客にもPRする。趣旨に賛同した計8店舗のシェフのほか、北斗、厚沢部などで農園を営む生産者も加わった。

 活動の第一弾が5日の食のイベント「もぐもぐフェスティバル」への出店で、計6店舗が約20品を提供。ブランヴェールは「ハマチの塩麹のマリネ」「ブルーベリーのタルト」、函館ビヤホールは「蝦夷鹿肉の赤ワイン煮込み」「じゃがいものラクレット」。函館の中華料理店「李太白」(宮前町)料理長の秋山耕作さん(40)は「スルメイカ入りもち米シューマイ」を、函館の「レストランウイニング」(末広町)総料理長の三浦太さん(41)は「アメーラトマトの密煮」などを出す。

 田中さんは「料理人にも貢献できることがあるはず。地域活性化につながれば」、三浦さんも「互いに知恵を出し合い実りある活動をしていきたい」と話している。

 料理は2品にパン、サラダを盛り合わせ800円で提供。デザートは500円、ドリンクは300円均一。5日は午後2時〜9時半。6〜9日は同4時〜9時半。(長内 健)



◎イカール星人DVD発売 試写会でヒット祈願

 函館市本通の企画会社「シンプルウェイ」(阪口あき子社長)が、函館の観光キャラクター「イカール星人」のDVDを1日から発売するのに合わせた試写会が31日、市内若松町のカフェバー「エバーグリーン」で開かれた。

 初のDVDは25分の大作。イカール星人のほか、五稜郭タワーや東和電機製作所(函館市吉川町)が開発した自動イカ釣り機を模したロボットらが大暴れする、スケールの大きな作品に仕上がっている。

 試写会に応募した熱心なファンが参加し、じっくりとDVDを鑑賞。阪口社長は「昔の映像に出ていたシーンを撮り直し、CGも作り変えた。過去の作品と見比べてほしい」とPR。最後は作品のヒットを祈願して一本締めを行った。

 北斗市の鷹羽えり子さん(45)は「街の中でキャラが戦う姿が楽しく、映像に引きつけられた」と笑顔で話していた。DVDは2480円で、市地域交流まちづくりセンター(末広町)などで発売する。 (千葉卓陽)



◎函館32度、北斗32.1度、木古内32.3度…道南で夏本格化

 31日の道南は南から暖かい空気が入った影響で気温が上がり、木古内で32.3度、北斗(本町地区)で32.1度と7月として過去最高となり、函館や八雲などで今年最高を記録した。函館は3日連続で30度を超える真夏日となり、7月としては2004年以来。この暑さで、熱中症で搬送される人が続出。海水浴場やビアガーデンでは連日涼を求める客でにぎわいを見せ、夏本番を迎えている。

 函館海洋気象台によると、各地の最高気温は函館32.0度、八雲町八雲30.5度、厚沢部町鶉29.7度、松前29.1度で、それぞれ今年最高。函館市消防本部救急課によると、31日は午後5時半までに熱中症、その疑いで5人が市内の病院に救急搬送された。内訳は90代1人、70代2人、50代1人、10代1人。

 6月4日から7月30日までに救急搬送された数は25件、25人で、特に65歳以上の高齢者が多いという。同課は「水分補給をまめに行ってほしい。外出時は帽子の着用や日陰での行動を心掛けて」と注意を呼び掛ける。

 この暑さで市内の海水浴場は連日盛況。湯川海水浴場(湯川町3)は日曜日の29日、過去5年間で最高となる3195人が来場。30、31日も1170、1347人で、21日から11日間は1万898人と前年同期に比べ2283人多い。長男、次男を連れて訪れた市内桔梗町の母親は「海は気持ちがいい。子どもが楽しんでくれるのが何より」と話していた。

 ホテルテトラ(梁川町17)屋上のビアガーデンは気温が上がり始めた27日から満席状態が続き、時間帯によっては席待ちをしなければならないことも。東日本大震災で自粛傾向だった昨年よりも客の入り込みは好調で、同ホテルは「これから港まつりなどお盆の時期までイベントが続くので期待したい」としている。


◎函館ダンスアカデミー 益田喜頓賞受賞

 函館市文化・スポーツ振興財団は30日、本年度の「益田喜頓賞」に、「函館ダンスアカデミー」(梁川町、島崎啓子主宰)の昨年9月の公演を選出したと発表した。新分野「ダンスミュージカル」の確立や完成度の高い芸術性が評価され、島崎さんは「私のスタイルを変えることなく芸術性を高めていきたい」と気持ちを新たにしている。

 同賞は函館出身の喜劇俳優、故益田喜頓さんの功績にちなみ1999年度に創設。過去1年間に市民会館、芸術ホールで優れた舞台芸術公演を行った個人・団体を表彰、これまで11個人・団体が受けている。

 島崎さんは82年に同アカデミーを創立。過去20年近く、ダンスとパントマイム、音楽によるダンスミュージカルの実践を続けてきた。その集大成でもあった昨年の創立30周年記念公演では、家族愛をテーマに独創的なステージを展開した。

 島崎さんは「生徒たちの頑張りだけでなく、市民や関係者の応援があったからこその受賞」と喜び「子どもたちの健全育成にしっかり貢献できるよう努めていきたい」と話している。(長内 健)


◎きょう市制90周年記念式典 姉妹都市代表ら市訪問

 8月1日の函館市制施行90周年記念式典を前に、函館市と姉妹・友好交流都市の提携を結ぶ韓国や豪州、中国の各都市の代表らが31日、函館市役所で工藤寿樹市長を次々と表敬訪問し、さらなる相互交流の発展を誓った。

 訪れたのは、駐札幌韓国総領事館の鄭煥星(チョン・ファンソン)総領事や、韓国・高陽(コヤン)市の趙炳錫(チョ・ビョンソク)副市長、豪州・レイク・マコーリー市のロビン・コネット姉妹都市協会会員、中国・天津市の宋瑞紅(ソン・リュイホン)国際交流センター副主任ら。  高陽市の趙副市長は懇談で、昨年の函館港まつりに感銘を受け、高陽の祭りでもパレードを計画していることを紹介。「交流のスピードが早すぎて心配している」と冗談交じりに語り、工藤市長も「函館からもいか踊りのメンバーを派遣して交流できれば」と応えた。

 レイク市のコネット氏とは気候変動やロンドン五輪の話題で盛り上がり、天津市の宗氏との会談では工藤市長が「函館や新千歳との定期路線があれば、もっと交流が活発になるはず」と定期便の就航を要請し、宗氏も「私もそれに期待しています」と述べた。

 同日夜にはカナダ・ハリファックス市やロシア・ユジノサハリンスク市の代表も函館入りし、3日までの滞在期間中は記念式典への出席や市内観光、港まつりのパレード参加などが予定されている。 (森健太郎)