2012年8月12日 (日) 掲載

◎函館野外劇閉幕 1300人感動胸に刻む

 第25回市民創作函館野外劇(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会主催、函館新聞社など後援)の最終公演が11日、特別史跡・五稜郭跡で行われた。観光客ら約1360人が来場。函館の歴史を凝縮した75分の壮大な舞台に拍手喝采し、感動を胸に刻んだ。

 公演前、函館少年少女合唱団によるテーマ曲「星のまちHAKODATE」の演奏があり、息の合った響きに観客の期待も高まった。開演後、出演者は箱館開港や五稜郭築城、箱館戦争といった名場面を熱演。前日に続きマグネシウム閃光(せんこう)を使った懐かしの写真撮影シーンも再現した。

 フィナーレは観客とともにテーマ曲を合唱。揺れるペンライトときらびやかなイルミネーションが幻想的な光景をつくっていた。

 終演後、中村由紀夫理事長代行が「25年間市民ボランティアに支えられてきた。野外劇は函館にとって大事な催し。見たことのない人にこの魅力を宣伝してほしい」とあいさつした。

 函館への帰省中に5年ぶりに観劇した東京の会社員、藤原重良さん(39)は「2回目だが大規模な舞台に感動した。長く続けてもらえれば」と話していた。

 今年は7月6日開幕。全12公演の入場者数は約8400人で、4年連続で1万人を割り込んだ。(長内 健)



◎朝鮮人犠牲者に冥福祈る 市内で慰霊祭

 第22回函館朝鮮人慰霊祭(朝鮮総連函館支部主催)が11日、函館市船見町の函館朝鮮人慰霊塔で開かれた。納骨堂に安置された遺骨21体に手を合わせ、冥福を祈った。

 強制労働のため北海道に強制連行され、過酷な労働や事故・病気などで犠牲になった朝鮮人を、1991年から毎年追悼している。

 この日は、道南在住の在日朝鮮人や日本人関係者ら約30人が出席。読経に続き、一人ずつ焼香して先人の霊を慰めた。懇親会では、キムチやナムルなど朝鮮料理が振る舞われ、出席者が近況を語り合い、親睦を深めた。

 李紅培(りほんべ)支部長は「朝鮮半島の植民地化から100年が経過したが、日朝間のひずみは解決していない。国がやるべきことがある一方で、慰霊祭のような市民参加の積み重ねが大事だと思う」と話していた。

 慰霊塔と納骨堂は1990年に建立。納骨堂には、戦時中に旧国鉄・松前線建設工事に従事し犠牲になった6人と、終戦後から現在まで故郷に帰れずに亡くなった15人の遺骨がある。(山崎大和)



◎山車が集結 熱気最高潮 姥神大神宮渡御祭

 【江差】姥神大神宮渡御祭は最終日の11日、渡御行列による上町巡行が行われた。午後9時すぎには、町内13基の山車が新地町の繁華街に集まり、威勢の良い掛け声とみやびやかな祭りばやしが、3日間の祭礼を締めくくった。

 猿田彦命が先導する、みこし行列に13基の山車が付き従った。この日の最高気温は27・2度で、山車の引き手は青空の下、汗を輝かせて海岸沿いや坂道を巡行した。

 午後9時ごろには灯火が色鮮やかな山車行列が繁華街に集結。若者が祭りばやしに合わせて踊り回り、大勢の観光客らを魅了、熱気は最高潮に達した。

 また、下町巡行の10日に行われた「祭りばやしコンクール」(江差観光コンベンション協会など主催)の審査結果は、11日の巡行前に発表され、津花町の「楠公山」が優勝した。2位は海岸町・陣屋町の「松寳丸」、3位は新栄町の「新栄山」。努力賞は本町の「清正山」が受賞した。(田中陽介)


◎「活気よ再び」椴法華で漁協女性部が「踊り山車行列」復活

 函館市椴法華地区で11日に開かれた八幡神社例大祭で、10年以上途絶えていた「踊り山車行列」が復活した。えさん漁協椴法華支所女性部(浜辺せつ会長)の20人が、過疎化に悩む椴法華を盛り上げようと参加し、住民らを喜ばせた。

 例大祭は神社のみこしや町内会の子どもみこしが町中を練り歩く、椴法華の夏を代表する行事。かつては各町内会が踊り山車行列に参加していたが、高齢化や人口減に伴って担い手が不足し、いつの間にか途絶えていた。2004年の函館市との合併後、地域の行事も減少しており「何かやらなければ活性化できない」(女性部)と一念発起して参加を決めた。

 部員は最年長74歳、最年少36歳、平均年齢65歳。コンブ漁で忙しい中、6月中旬から練習を始め、「河内おとこ節」「お祭子町節」など5曲をマスター。この日は午前9時半から休憩をはさんで午後10時ごろまで踊り続け、沿道に住む女性は「今まで静かだったから、にぎやかでいいね」と笑顔を見せ、踊り手たちに声援を送っていた。

 浜辺会長(67)は「いい運動になって楽しい。踊り山車を若い人たちにつなげ、まちをにぎやかにして人が少しでも来てくれるようになれれば」と話していた。(千葉卓陽)


◎サマースクール 子どもたち夏休み満喫 最終日に縁日

 障害児とボランティアが夏休みをともに過ごす「サマースクール2012」(同実行委主催)は11日、4日間の日程を終えて閉幕した。参加者はカヌー体験やたこ揚げ、調理活動などさまざまな活動を通じてともに楽しみ、交流を深めた。

 実行委は道教育大函館校の学生らで構成。この日は主会場の函館八幡小学校内で縁日を実施。ボールプールや風船ハウス、綿菓子やかき氷など縁日ならではのブースも設置した。

 ペットボトルロケットでは、子どもや学生が協力して装飾したペットボトルに水と空気を詰めて打ち上げると、勢いよく飛び出し、その様子に子どもたちは大興奮。風船ハウスでは室内いっぱいにカラフルな風船が置かれ、子どもたちは満面の笑顔を浮かべて思う存分満喫した。

 閉幕式では同実行委の細谷一博代表(同大准教授)が「楽しかったですか」と呼びかけると、一斉に手が上がった。子どもたちは「プラバン作りが楽しかった」など感想を話した。(平尾美陽子)