2012年8月2日 (木) 掲載

◎函館市制90周年で記念式典

 函館市の市制施行90周年記念式典が1日、市民会館で開かれた。海外の姉妹・友好交流都市を締結している5都市の関係者や、青森からも祝福に駆け付けた。出席した約1100人の市民らは函館の歴史を振り返り、100周年に向けた発展への決意を新たにした。

 市制が施行されたのは1922(大正11)年8月1日。道内では札幌、小樽、旭川、室蘭、釧路とともに函館市が誕生し、当時の人口は14万6855人と全道一を誇った。

 オープニングでは90年間の歩みを紹介したビデオを上映。地元発展に尽くした先人や東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげるとともに、深堀小と深堀中の児童・生徒4人が市民憲章を朗読した。

 工藤寿樹市長は「まちづくりへの情熱をもって函館を築いてきた先人に対し、深甚なる敬意を表する」と式辞。能登谷公議長は「元気で住みよいまちを創造するため、市民一人一人が役割を認識して努力を」とあいさつした。

 表彰式では公益功労など69人に表彰状が、886人に感謝状が授与され、出席者は表彰者の功績をたたえて拍手を送った。中西猛雄渡島総合振興局長が高橋はるみ知事からのメッセージを読み上げたほか、鹿内博青森市長も祝辞を述べた。

 また、外国からの来賓として姉妹都市のハリファクス(カナダ)レイク・マコーリー(オーストラリア)ユジノサハリンスク(ロシア)高陽(韓国)、友好交流都市の天津(中国)から12人が出席。工藤市長がチョ・ビョンソク高陽市副市長に感謝状を贈った。

 フィナーレでは函館ダンスアカデミーの生徒たちが華やかなダンスを繰り広げたほか、歌手の暁月めぐみさんが応援ソング「ふるさとになりたい」を伸びやかに歌い上げ、市の“90歳”を祝った。



◎五稜郭の歴史 肌で感じて…兵糧庫の一般公開始まる

 国の特別史跡五稜郭跡にある兵糧庫の一般公開が8月31日まで開かれている。箱館奉行所跡の発掘調査で出土した美術品などを展示している。

 兵糧庫は1864年ごろに土蔵として建設。文書や物品などを保管していた。その後も解体を免れ、数回の補修工事をしながら現在に受け継がれてきた。毎年この時期に一般公開している。

 庫内には陶器などの遺物数点のほか、箱館戦争時に砲撃を受けて爆沈した明治新政府軍艦「朝陽」の一部などを展示している。管理する箱館奉行所の沼崎孝男館長は「約150年前の建築当時の柱もそのまま残っている。五稜郭の歴史を肌で感じてほしい」と話している。

 公開時間は午前10時から午後3時まで。入館無料。



◎おぼろ削り 体験しよう…がごめ連合9日に初開催

 新しい函館名物として急成長を遂げるガゴメコンブの認知度を高めようと、函館がごめ連合(布村重樹代表、37社)は9日、アンテナショップ「がごめ昆布 ねばねば本舗」(若松町)で「親子がごめおぼろ削り体験」を初開催する。伝統の職人技に触れ、ガゴメファンを増やす。

 函館では、ガゴメの名前は知っていても、実際に食べたことのある人は意外に少ないとされる。

 このため、梶原昆布店(豊川町)の梶原健司社長を講師に招き、子どもにガゴメのおぼろ削り体験をしてもらう。同社は日本でも数少ない「京派削り」(おくりどり)という技法で、職人が手ひきで「おぼろ昆布」を製造。自作の削り包丁を使い、新聞紙が透けて見える100分の1_に削る芸術品≠セ。

 当日は、削りたてのおぼろをその場で試食するほか、余った分は袋に詰めて持ち帰る。布村代表は「ガゴメの良さを知り、夏休みのいい思い出をつくってほしい」と話している。

 小学4〜6年生10人を募集する。参加費は1人300円。午後1時半〜同2時半。申し込みは、ねばねば本舗電話0138・27・47777へ。(山崎大和)


◎大道芸にくぎ付け…ブライアンさん民俗芸術祭PR

 世界各国のアーティストが共演する「はこだて国際民俗芸術祭」(4〜10日開催、一般社団法人WMDF主催)に出演する大道芸人のブライアン・ホルスさん(43)が1日、金森赤レンガ倉庫でパフォーマンスを観客に披露した。

 「たくさんの地元の人に祭りに来てほしい」と初めて企画。ブライアンさんは3年前から同祭に出演し、今年は4、9日のステージに立つ予定。「オリンピックにちなんだネタで、お客さんと一緒に会場を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

 この日は3bある一輪車に乗りながら火をつけたジャグリングを披露。流暢な日本語と笑いを混ぜた芸に観客からは「すごい」と感嘆の声が上がり、割れんばかりの拍手が巻き起こっていた。

 同祭に対してブライアンさんは「全国各地を回っているが、はこだて国際民俗芸術祭のように地域の人が中心で企画、運営する大規模なイベントは珍しい。祭りを一緒に楽しみましょう」とPRしている。(平尾美陽子)