2012年8月20日 (月) 掲載

◎「ローマの道」でパレード

 【北斗】JR渡島当別駅からトラピスト修道院までの道をマーチングバンドが行進するイベントが19日、石別地区で初めて行われた。地域住民らが修道院に続く並木道を「ローマへの道」と名付けたことがきっかけで実現したパレードで、道警音楽隊などが力強い音色を響かせた。

 修道院の歴史や同地区の景観の良さを知ってもらおうと、実行委が企画した。パレードは、道警音楽隊とカラーガード隊を先頭に、谷川小学校吹奏楽部、札幌のバトントワリングチーム「Baton team ONE」、函館大付属有斗高校のマーチングバンドが続いた。沿道には約1000人の観客が集まり、軽快な音色と華やかなドリル演技を楽しんだ。

 途中、石別中学校前では「ローマへの道」と記された標柱の除幕式もあり、高谷寿峰市長らがテープカットすると、大きな拍手が沸き起こった。修道院前では詩人、三木露風が作詞した童謡「赤とんぼ」を演奏し、修道院に文学講師として勤務していたという縁も紹介された。

 演奏を聞きに訪れた同地区の木村久恵さん(68)は「素晴らしい音楽で感激した」と笑顔を見せていた。また、同地区で毎年開かれている「ふれあいコンサート」も合わせて行われ、石別小学校や中学校の児童、生徒らが演奏や合唱を披露した。(松宮一郎)



◎熱帯植物園のサルにお中元

 函館市湯川町3の市熱帯植物園(坂井正治園長)は19日、果物をたっぷり詰めた氷を同園のサル山にプレゼントした。

 暑さでぐったりしているサルに涼んでもらおうと初開催。午前11時、職員がバナナやミカンなど果物5種類を詰めた氷2個、スイカなどを筏(いかだ)に載せ、水風呂に浮かべた。

 水風呂を囲み1匹ずつ慎重に筏を渡ろうとするサルたち。多くは水風呂を恐れ、苦手にしているが、器用なサルは筏にたどり着いて我先にと餌を奪い合った。やがて子分を従えた巨体の「ボスザル」が登場。警戒する多くのサルを追い払うと、氷を舐めながらカチカチの果物を一人占めした。

 このほほ笑ましい光景に観客からは大歓声。佐々木拳斗ちゃん(4)を連れて見学した母親(33)は「餌よりも水風呂を怖がるサルの様子が面白かった」と笑顔。坂井園長(74)は「来年もぜひやりたい」と話していた。26日も行われる。(長内 健)



◎華麗な演舞 市民ら魅了 YOSAKOIソーラン祭り

 YOSAKOIソーラン祭り第10回道南大会(実行委主催)が19日、函館市若松町の函館朝市前とJR函館駅前で開かれた。地元のほか札幌や青森などから28組、総勢800人の踊り手が参加。市民のほか、帰省や観光で来函した人たちに華麗な演舞を披露した。

 両会場で、1チームが数回ずつ登場。地元チームや、6月に札幌で開かれる本祭で数多く賞を受けてきた有名チームが踊ると注目が集まった。また、各チームの大旗が集まる「大旗共演」、全チームで踊る「大乱舞」も行われ、残暑の函館を盛り上げた。

 千葉県柏市の会社員須藤長輔さん(52)は「ヨサコイは初めて見たが、若い人から力をもらえた気分」と話していた。(山崎純一)


◎市住借上料「廃止を検討」 函館市が事業仕分け

 函館市の外部委員による事業仕分けが19日、市役所で行われた。10事業を2班に分かれて審査。西部地区への定住化促進を目的とした借上市営住宅借上料(本年度予算=3億228万円)に関し、同地区活性化の方法は他に選択肢があるなどとして「廃止を検討」と判定した。

 廃止検討は委員6人中、4人が判定。入居者の家賃収入を差し引いた市の持ち出し分が毎年約2億円あることから、同地区の民間賃貸住宅の空き家対策として新婚世帯に家賃の一部を補助する「西部地区ヤングカップル住まいりんぐ支援事業」などの活用でも定住化を促進できると指摘があった。

 このほか、委員からは「借主と特定の建物所有者に受益者が限定される点に重要な問題がある」「西部地区の人口流出を防ぐためとはいえ、誰のためにある制度なのか」といった意見も上がった。

 3月末の管理戸数は12棟333戸。このうち入居戸数は332、入居率は99・7%となっている。そのため「過疎対策において、一定の効果はみられる」などの声も上がった。

 市は借上住宅を増やさない方針をとっており、2009年度以降の新たな借り上げ住宅はない。

 住宅の借上期間を20年と定めているため、委員からは「入居者や建物所有者の権利に配慮しながら、期間が終了してから廃止するべきでは」との声もあった。

 事業仕分けは次回、26日に行われる。(後藤 真)

 <借上市営住宅制度>民有地の所有者らが新築する共同住宅建設費の一部を国と市が補助し、建築後に一括して借り上げる制度。建設費が不要な上、良質な公営住宅を供給できるなどのメリットがあり、函館市は2000年度から人口減少の著しい西部地区で進めてきた。