2012年8月22日 (水) 掲載

◎音楽キャンプ最終日 一流奏者の演奏で観客魅了

 国内外で活躍する一流演奏家の指導で室内楽などを学ぶ「イカール国際ミュージックキャンプ2012inHAKODATE」の最終日を飾るガラコンサートが21日、函館市芸術ホール(五稜郭町)で開かれた。演奏家ら27人が熱演。数々の妙技を繰り拡げ、大勢の来場者を楽しませた。

 函館国際室内楽アカデミー(岡田照幸代表)が昨年に続き開催。14〜20日、道内外の小学生から一般まで計70人が上田晴子さん(ピアノ)や植田克己さん(同)ら演奏家のレッスンを受講。同コンサートは講師10人のほか、函館の若手奏者と、受講生を代表し札幌や名古屋から来ていた3人も特別出演した。

 前半はピアノ四重奏やチェンバロデュオなど。上田さんらは繊細で力強い四重奏を披露。植田さんらの四重奏も優雅な音色にあふれていた。組曲「動物の謝肉祭」などの後半は管弦打楽器を加えた10人ほどの編成でアンサンブルの魅力を伝えた。

 この日午前、岡田さんや講師計7人が市役所を表敬訪問。対談した工藤寿樹市長は「音楽キャンプは素晴らしい試み。将来を担う音楽家が函館から誕生するよう今後も頑張ってほしい」と激励していた。(長内 健)



◎道央道森—大沼公園IC 工事順調 11月に開通

 【森】ネクスコ東日本北海道支社(札幌市)は21日、11月10日に開通する道央自動車道(道央道)の森インターチェンジ(IC、森川町)—大沼公園IC(赤井川)間9.7キロの工事現場を報道陣に公開した。

 同支社によると、進ちょく状況は7月末現在で81%で、舗装工事や料金所建築工事が行われている。冬期間も一部構造物工事を継続し、春以降は好天に恵まれたことから、開通に向け順調に進んでいる。

 本線は、森ICからババ沼川橋付近まで5・8`が暫定2車線、大沼公園ICまでの3.9キロが完成4車線区間。道央圏との交流促進にもつながるほか、災害時の国道5号の代替路としての機能や、救急搬送の迅速化などが期待される。

 一部対面通行区間の1.6キロに、今年2月に開発された新型のワイヤロープ式防護柵が全国の道路で初めて採用される。舗装材料には八雲IC以南の既存区間と同様、ホタテ貝殻粉末を使用し、今回、舗装の2層目となる基層工の一部にも試験採用する。

 函館工事事務所の渡辺将之所長(52)は「ラムサール条約に登録された大沼まで延伸し、函館市の中心部までも40分と近く、観光振興にも期待ができる。11月の開通に向け、工事を安全に進めたい」と話していた。(今井正一)



◎全日空函館—羽田 12月まで増便延長

 全日空(ANA)は21日、冬季ダイヤ(10月28日〜2013年3月30日)を発表した。今年上期に1往復増便し、1日5往復している函館—東京(羽田)便を12月12日まで延長するほか、函館—大阪(関西)便の函館発を午前の出発に変更し、利便性向上を図る。同社函館支店では「搭乗率のアップにつなげていきたい」としている。

 函館—羽田便は、北海道国際航空(エア・ドゥ)との共同運航と合わせ、上期(3月25日〜10月27日)は1日5往復している。下期は例年1日4往復としているが、今年は5往復体制を12月12日まで延長する。

 函館便の利用好調を受けての措置で、函館市内で毎年12月に開かれているクリスマスファンタジーの観光客を見込んでいるほか、11月まで続く修学旅行の入り込みにも対応する。同社では「今年上期に大型化した機材を引き続き使用し、ニーズに応えたい」とする。

 一方、函館—大阪便は例年通り、下期は1往復に減らす。ただ、ダイヤを大幅に変更。昨年下期は函館発の時間が午後4時10分発(午後6時15分着)だったが、午前10時5分発(午後零時15分着)にし、大阪到着後の滞在に便利な時間帯とした。また、関西空港発は午後2時発(同3時35分着)から、午前8時発(同9時35分着)とした。

 そのほか、函館—名古屋(中部)便も例年通り、毎日1往復する。函館—札幌(千歳)便は現行ダイヤ通り、1日2往復する。今回のダイヤ改正で函館空港発着の同社の座席数は、昨年下期に比べ全体で9%増加する。

 函館市港湾空港部は「函館観光にとって冬場の観光客の入り込みに大きなプラス要素となる。台湾の定期便就航と合わせ、今回の増便で震災前の水準に戻る足がかりとなれば」と歓迎している。(松宮一郎、森健太郎)


◎福島町長選告示 新人2氏、町の活性化訴え

 【福島】村田駿町長の死去に伴う福島町長選は21日告示され、いずれも新人で前町議の佐藤卓也氏(50)と前町総務課長の鳴海清春氏(56)=届け出順=が立候補した。昨年1月に続く町長選は新人同士の一騎打ちとなり、5日間の舌戦に突入。両候補は出陣式後に第一声を上げ、町内を回り支持を訴えた。

 佐藤氏の議員辞職に伴う町議会議員補欠選(欠員1)も21日告示され、いずれも元職で会社員の杉村志朗氏(63)と調理師の藤山大氏(37)=届け出順=が立候補した。

 投票は26日午前7時から午後6時までで、一部の投票所では終了時間を繰り上げる。同7時から開票し、同8時半ごろには大勢が判明する見通し。20日現在の選挙人名簿登録者数は男性2051人、女性2360人の計4411人。


◎函館の美は「DNA」 まちづくり検討委が最終報告書

 函館市内の有識者がデザイン性に優れたまちづくりの指針を考える「函館市美しいまちづくり検討会」(座長・木村健一公立はこだて未来大教授)の本年度4回目の会合が21日、市企業局(末広町)で開かれ、9月下旬にも市長に提出する最終報告書をまとめた。

 検討会は昨年8月に発足し、大学教授や建築家、まちづくり団体などの委員10人で、今回まで計11回にわたり議論を重ね、西部や駅前・大門、本町・五稜郭、湯の川の4地区とそれらをつなぐ動線のデザインコンセプトを探ってきた。

 この日は議論の最終回。外部アドバイザーの西村幸夫東大副学長・先端科学技術研究センター教授と、日本総合研究所の藻谷浩介調査部主席研究員の2人から報告書の素案について意見を聴き、「山や海が主役のまちづくりを」(西村氏)、「経済的に生き残るには景観が命」(藻谷氏)と助言を受けた。

 報告書は「美しい都市景観の形成を目指して」と題し、函館の美しさを特異な地形に住む市民の生活の中で継承・進化されてきた「Hakodate DNA」と定義。駅前・大門は「オールド・ニュー」、本町・五稜郭は「クロスタウン」などとコンセプトを挙げ、市のまちづくりに役立ててもらう各地区の素材や手法を盛り込んだ。(森健太郎)