2012年8月3日 (金) 掲載

◎ディズニーに市民ら歓声…ワッショイはこだて

 函館市制施行90周年記念・開港153周年記念函館港まつり(実行委主催)は2日、メーンの「ワッショイはこだて」1日目十字街・松風コースが行われた。今年の目玉となった「東京ディズニーリゾート スペシャルパレード」を一目見ようと沿道には市民らが殺到し、ミッキーマウスらの登場に歓声が沸き起こった。

 「ワッショイ|」のパレードは午後4時半ごろ、市内豊川町の豊川広路を先頭にスタート。第1部は陸上自衛隊函館駐屯地などによる港踊りや、韓国・高陽(コヤン)市芸術団、東京ディズニーリゾートの仲間たちがパレードした。

 ミッキーマウスらが登場すると、観客のボルテージは最高潮に達した。会場にはミッキーの耳の形をしたカチューシャやお団子ヘアにミニーマウスの大きなリボンをつける子どもの姿も。

 キャラクターたちが愛らしく手を振る姿に「こっち向いて」「ミッキーかわいい」と沿道からは大歓声。キャラクターたちは音楽に合わせて踊ったり、観客の声援に手を振って応えた。

 第2部では子供いか踊りのほか、サマーカーニバルが行われた。ブラジルのサンバ隊と日本コカ・コーラ社が販売する「太陽のマテ茶」をPRするダンサーも登場し、陽気で華やかなダンスで観客を魅了。第3部では22団体約4000人が参加したいか踊りが行われた。

 大阪から観光で訪れた立河恭子さん(37)は「こんなに大きな祭りがあるとは知らなかった。自衛隊の人たちまで参加し、地域一丸の祭りと感じた」と話していた。(山崎純一、平尾美陽子)



◎スルメイカ漁 7月低調

 道南スルメイカ漁は、函館市水産物地方卸売市場(豊川町)での7月取扱量が前年を32%下回る496トンと伸び悩んだ。漁場が日本海側から太平洋側へ移る時期で、太平洋側での漁場形成の不調が響いた。群れが一時的に途切れる夏枯れ≠フ影響もあり、今月も漁獲の見込みは薄そうだ。最大の需要期に入り、店頭の動きは活発だ。

 はこだて自由市場(函館市新川町)のイカ専門店「富田鮮魚店」(富田貞雄社長)では、いけすイカが1皿(3〜5匹入り)1000円から店頭に並ぶ。「多くのなじみ客がついて売れ行きは好調。刺し身を買ってその場で食べていく観光客も多い」と同店。ただ、漁場が日本海側から函館の前浜に移ってからは魚体サイズが小ぶりだという。

 市農林水産部によると、同市場での6、7月合計の取扱量も、前年比14%減の735トンにとどまった。1キロたりの平均価格は同11円高の306円。太平洋側の不調を、日本海側の好漁でカバーした格好だ。

 太平洋側の漁獲が振るわない要因について、道総研函館水試(湯川町)の澤村正幸研究主任は「群れの来遊が遅れており、漁場形成も思わしくない。来遊量も前年を下回る見通し」と指摘。加えて夏枯れの影響で「今月いっぱいは急激な漁獲の増加は見込めないだろう」と話す。

 函館市漁協(橘忠克組合長)によると、現在は前浜と、福島町と知内町にまたがる矢越岬沖が主な漁場。「前浜はサイズが小さくて値段が取れない。矢越岬沖はサイズがそろっているものの漁獲は少ない」と説明。9月以降の漁期後半が勝負とみて「道東方面から津軽海峡へ南下してくる秋イカ漁に期待したい」としている。(山崎大和)



◎福島っ子「来年も来ます!」プログラム終了

 原発事故の影響で屋外の遊びが制限されている福島県内の児童を対象に、先月26日から函館市内や近隣で行われた保養活動「はばたけ福島キッズ『おもいっきり遊ぼう共!・友!・朋!』」のプログラムが終了し、2日、参加した児童ら計18人が帰路に着いた。

 道南の真宗大谷派の寺院や函館地区のボーイスカウト関係者らが実行委員会(経森等委員長)をつくり、今回初めて企画。子どもたちは七飯町大沼でのキャンプや市内でホームテイをしながら観光や市民との交流を楽しんだ。

 2日朝は、宿泊先の真宗大谷派函館別院(元町、島潤二輪番)で朝食後、お別れ会を開き、経森委員長が「たくさんの人の協力者がいてできた事業。お互い手を取り合う気持ちを大切に将来に向かってやれることを精いっぱいやって」と激励の言葉を送った。島輪番も「ぜひ来年も友達を誘って来て」と述べた。

 一行はバスでJR函館駅に向かい、午前10時半すぎに函館を出発した。改行 福島笹谷小5年の千葉麻里子さん(10)は「キャンプファイヤーとホームステイが楽しかった。来年も来たい」と話していた。 (鈴木 潤)


◎函館工場、1年以内に売却…ルネサス 七重、閉鎖回避で安堵

 【七飯】業績不振に陥っている半導体大手のルネサスエレクトロニクス(東京)は2日、再建計画で削減対象に挙げていた子会社のルネサス北日本セミコンダクタ函館工場(七飯町)について、1年以内に売却する方針を示した。同工場では約600人が働いており、工場閉鎖が避けられたことで地元七飯町では安堵(あんど)の声が出た。

 赤尾泰社長は同日の記者会見で、今後3年をめどに他社への譲渡か閉鎖か結論を出すとしていた函館工場について、「1年以内の譲渡を検討する」とした。売却先の候補も複数挙がっているという。

 また、9月には同社と連結子会社の従業員から5千数百人規模で早期退職希望者の募集を計画しており、函館工場でも実施する予定。ただ、売却先の企業が相当数の従業員を継続して雇用し、生産体制も現在の規模を維持する方向で調整を進めている。

 函館工場では自動車向けの集積回路(IC)チップの組み立てを行っているが、同社は生産の海外移転を加速させ経営再建を進める方針で、譲渡・閉鎖の対象の工場としてリストアップされていた。

 一方、工場の存続が危ぶまれていたことから、同町の関係者も閉鎖という最悪の事態が避けられたことに胸をなでおろした。先月末には工場関係者が役場を訪れ、中宮安一町長らに同社の方針を説明。「今の事業内容を継続できる売却先を探したい」と述べたという。町商工観光課では「地域でも有数の大規模な企業であり、事業が継続されるということで、ほっと一安心している」と話した。(松宮一郎、森裕次郎)


◎見て食べて農作物学ぶ…道南農試公開デー

 【北斗】道総研道南農試(北斗市本町)の作物や仕事を見学する「第18回公開デー」が2日、同農試で開かれた。191人が圃場(ほじょう)見学のほか、水稲や大豆の新品種の試食などを楽しんだ。

 26品種・系統を栽培する水稲の試験圃場では、担当者が新品種「空育(くういく)172号」について紹介。いもち病に強く、食味も「ななつぼし」と同レベルで期待が持てるとした。出回るのは2014年ごろの見込み。コメの品種をより早く開発するための水稲大型世代促進温室や、有望な新規作物として研究が進むサツマイモ栽培も見学した。

 試食コーナーには「空育172号」と大豆の新品種「ゆめのつる」を使った豆ご飯、サツマイモを混ぜ込んだ米粉パン、トマトの食べ比べが並んだ。

 初めて参加した函館深堀小5年の伊藤幹太君(10)は「サツマイモやコメのことを、詳しく知ることができて良かった」と話していた。(山崎大和)