2012年8月4日 (土) 掲載

◎ロンドン五輪バドミントン 佐々木4強ならず

 【北斗】ロンドン五輪バドミントン男子シングルス準々決勝が日本時間3日未明に行われ、この種目の日本勢で初めて8強に進んだ北斗市出身の佐々木翔選手(30)は、世界ランキング1位で中国の林丹(リン・ダン)選手(28)と対戦し、1|2で惜敗した。佐々木選手は目標としていた相手に粘り強く戦い、北斗市総合文化センターで行われたパブリック・ビューイング(PV)では、大健闘に拍手が送られた。

 PV会場には約200人が詰めかけ、用意された応援うちわを手に観戦。北京大会に続き2連覇を狙う林選手が、甘い返球を逃さず攻め込み第1ゲームを先取。第2ゲームは佐々木選手が粘ってミスを誘い、21|16で奪うと「すごい」と大歓声が起きた。

 第3ゲームはリードされた点差を縮めると「いける、いける」と盛り上がったが、あと一歩届かず。会場はため息に包まれたが「よくやった」と完全燃焼をねぎらう拍手が起きた。

 後援会会長の高谷寿峰北斗市長は「惜しかった。林選手を倒すという気迫を感じた。リオデジャネイロ五輪(16年)もぜひ狙ってほしい」、上磯中時代にペアを組んでいた伊辺拓樹さん(31)は「最後まで勝利を信じていた。戦いぶりに感動した。自分にとって誇りに思う」。佐々木選手がかつて所属した、北斗上磯ジュニア少年団の菊村苑香さん(11)は「1ゲーム取れるとは思っていなかった。憧れの存在です」と話していた。

 祖父の信一さん(84)は「最後まで戦いきってくれたことと、五輪出場を支えた父親(敬悦さん)の親子を褒めたい」とねぎらっていた。  (山崎純一、小林省悟)



◎上磯ダム 取水制限 深刻な雨不足

 【北斗】深刻な雨不足の影響で、北斗市が管理する上磯ダム(野崎)の貯水率が31.8%(1日現在)まで低下し、農業用水の取水制限に入ったことが3日、分かった。前年の貯水率(85%)に比べ半分以下の水準となり危機的だ。上磯地区の水田での利用が多くを占め、制限が長引けば営農への影響も懸念される。

 函館海洋気象台によると、北斗の月間降水量は6月30.5ミリ、7月52ミリとなり、平年を58%、62%それぞれ下回るカラカラ状態=B7月27日に44.1%だった貯水率は、今月1日には31.8%と激減した。

 総貯水量は360万d、有効貯水量(使える量)は260万ミリで、用途は農業用水97%、上水道3%。市などによると、農業用水について7月27日から1次取水制限を行い、毎秒2ミリの通常期の正常流量を同1.38ミリに。今月2日から2次制限に入り同1.24トンとした。取水制限の実施は2001年以来11年ぶり。

 同地区の今年産コメ作付面積は228f。冷害対策として深水管理が必要な出穂(しゅっすい)期を過ぎており、花が咲き、受粉すると登熟に入る。今後も一定程度の水は必要だが、量は格段に減る。「今の段階で直接的な農業被害は出ていない。辛抱して何とか乗り切りたい」と市農林課。

 上磯土地改良区は「この取水量で防除作業に足りるのか不安」と気をもむ。

 市は、ダムの水道取水口を現行よりも深い位置に変え、水位がさらに下がっても取水には影響がないよう対策を取る考え。これにより農業用水の3次制限は避けられる見通し。

 道南には、国が所有し市町が管理するダムが上磯を含め6カ所、国直轄が1カ所。道管理は3カ所ある。3日現在、取水制限に踏み切ったのは上磯ダムだけ。(山崎大和)



◎姥神大神宮渡御祭「山車引廻大賞」を新設 

 【江差】道内最古の祭礼として370年余りの伝統を誇る、姥神大神宮渡御祭が8月9、10、11日に行われる。10、11の両日は、姥神大神宮のみこしに付き従って、13基の山車(やま)が練り歩く。今年から「山車引廻大賞」を新設し、姥神大神宮祭典協賛実行委は「統率のとれた素晴らしい引き回しを競い、巡行の盛り上がりと熱気を多くの人と共有したい」としている。

 同大賞は、2日間の巡行の様子を審査。祭りばやしや掛け声、巡行時間など山車の引き手、若衆、役員らが一体となった引き回しを選定基準とする。

 1団体(山車)を大賞に選ぶ。発表は11日午後10時45分ごろの予定で、新地見せ場で表彰式を行う。協賛企業のサッポロビールが副賞を用意する。

 実行委は「心意気あふれる引き回しで古里の伝統を守り、沿道の皆さんにも声援をお願いしたい」としている。 (田中陽介)


◎入館者5万人突破 縄文文化交流センター

 国宝「中空土偶」などを展示する函館市縄文文化交流センター(臼尻町)の入館者数が3日、5万人を突破した。昨年10月のオープンから10カ月での達成となった。

 旭川市から恋人と2人で来た会社員の前田瞬さん(28)が5万人目となり、阿部千春館長から認定証と記念品などが贈られた。

 前田さんは「大船遺跡を見たついでに初めて寄ったが、びっくりした。良い思い出になりました」と笑顔を浮かべていた。

 入館者数は、オープン初年度が目標の2万人を上回る約2万8000人。ゴールデンウイークには約5000人が訪れた。10カ月での5万人は開館当初の予定より2カ月早く、青森県八戸市に昨年7月オープンした国宝「合掌土偶」などを展示する是川縄文館と比べても2カ月早い。

 阿部館長は「縄文文化の関心が高い証拠で、バイパスの開通など交通の便が良くなったことも大きい。今後も自然と共生してきた縄文の魅力を多くの人に伝えながら、2015年度の世界遺産登録への機運を盛り上げていきたい」と話している。 (後藤 真)


◎【函館港まつり】元気にいか踊り

 市制施行90周年記念・開港153周年記念函館港まつりは3日目の3日、「ワッショイはこだて 堀川・五稜郭コース」が行われた。港おどりや、サマーカーニバル、いか踊りに約80団体、1万3500人が参加し、沿道に集まった市民らと共に夏の一夜を楽しんだ。

 第1部の港おどりでは、参加団体が隊列を整えて踊りを披露した。第2部は親子で元気いっぱいにいか踊りを楽しんだり、軽快な音楽に合わせて踊るサマーカーニバル。第3部はいか踊りで、最後尾は約1200人の自由参加で行われた。

 4日は大門グリーンプラザで、韓国の伝統音楽と舞踊団のステージやグルメイベントなどが開かれる。(山崎純一)