2012年8月5日 (日) 掲載

◎はこだて国際民俗芸術祭 盛大に開幕 前夜祭でひのきや演奏など

 国内外のアーティストが集い、函館市の元町公園を主会場にステージパフォーマンスを繰り広げる「第5回はこだて国際民俗芸術祭」(一般社団法人WMDF主催)が4日、開幕した。初日は大門グリーンプラザ(松風町)で前夜祭を開催。地元のひのき屋らが出演し、活気あふれるステージで祭りのスタートを切った。10日まで。

 午後6時に始まった前夜祭には大勢の市民が来場。WMDFのスタッフや出演アーティストら約20人のパーカッションパフォーマンスの後、ひのき屋のショーがスタートし、ノリの良い曲で客席を盛り上げた。メンバーの演奏でフォークダンスが始まり、来場者は輪になったり、列を作ったりしながらダンス。一体感あふれるステージが育まれ、来場者に笑顔が広がった。

 今年は国内をはじめイギリスや中国、フランスなどから24組が出演し、5日以降、主会場で各アーティストのステージがスタート。5日は午後2時から、6〜9日は同4時から開かれる。入場無料。

 WMDFのイアン・フランク代表は「今回は初めて視覚芸術を取り入れるなど話題に事欠かない内容。多くの人の再発見のチャンスとなるイベントにしたい」と話した。(鈴木 潤)



◎紅藻「ダルス」に血圧上昇酵素の活性を抑制効果 北大の岸村潤教授ら確認

 道南に分布する紅藻(こうそう)の一種「ダルス」に、血圧上昇に関与するACE(アンジオテンシンΙ変換酵素)の活性を抑える働きがあることが、北大大学院水産科学研究院の岸村栄毅准教授の研究で分かった。

 ダルスは寒海性の海藻。長さ約30センチ、幅約5センチ、紫色がかった紅色をしており、タンパク質を多く含む。カナダや北欧では「海のパセリ」と呼ばれ、サラダやスープなどの食材、サプリメントにも利用されている。日本ではほとんど知られておらず、マコンブやガゴメコンブなどの養殖ロープに繁茂し、コンブに日が当たらないため除去される。

 岸村准教授はタンパク質を多く含む紅藻類の中から、資源量が豊富で、寒い地域特有の海藻ダルスに着目。

 ダルスからタンパク質を抽出後、酵素で分解してダルス・ペプチドを調製。ACE阻害作用について試験管で実験した。その結果、蒸留水だけに比べ、ダルス・タンパク質の抽出液は活性が約30%抑えられ、さらにダルス・タンパク質を酵素で分解したペプチドでは活性が約90%抑えられた。「ダルス・ペプチドはACE阻害作用を持つ」と岸村准教授。

 ただ、人が食べて実際に作用があるのかは調べていない。ACE阻害ペプチドは既にゴマやイワシ、牛乳由来のラクトが商品化されている。

 函館では、未利用海藻だったガゴメが健康に良い成分(フコイダンなど)が多く含まれているとして脚光を浴び、商品開発が進んだ。ダルスは漁獲期が冬のため、函館沿岸で夏に盛んなコンブ漁と作業が重ならない利点もある。岸村准教授は「ダルスは有望な海藻。多くの人に食べられるようになれば」と期待する。

 ダルスの研究は、同院の佐伯宏樹教授の研究室が取り組んでいる。(山崎大和)



◎北斗で高校合宿盛ん

 【北斗】10月に北海道高校駅伝競争大会(道高体連など主催)が開かれる北斗市内で、道内の高校陸上部がコースの下見を兼ねた合宿に取り組んでいる。3日には札幌西、恵庭北高校の合同合宿がスタートし、札幌山の手高校も市内に到着した。8月中に10校約200人が滞在を予定する。

 駅伝大会は全国大会の道内予選を兼ねて、10月20日に開催。男子40校、女子25校、選手500人程度の参加が見込まれる。運動公園陸上競技場を起点に大野地区を経由して同競技場に戻るコースで、男子は7区間42・195キロ、女子は5区間21・0975キロで行われる。

 市は昨年度からスポーツ合宿誘致に力を入れ、本年度は約30団体、延べ宿泊人数は2000人規模になる見通しで、昨年度実績をはるかに上回る。市観光課は「駅伝に向けた高校生以外でも大幅に増え、順調に伸びている」と評価。7月末には実業団の日立物流グループ陸上部(千葉県松戸市)が滞在し、トーエネック陸上競技部(愛知県名古屋市)も8日まで合宿中だ。

 札幌西と恵庭北高の合同合宿は、駅伝大会や秋の新人戦に照準を合わせる。札幌西の道浦陽子監督(39)は「他校と一緒に行うことで、生徒の気持ちも引き締まる。実業団の選手も合宿しているので刺激になる」と話す。また、恵庭北・男子陸上部の西川剛監督(35)は「秋の大会に向けて意識を高める合宿にしたい」と話していた。(今井正一)


◎ロボコンに児童も挑戦 函館高専生が指導 最終日に競技

 ロボットフェス・インはこだて市民の会(山田俊幸会長)は4日、夏休みに合わせ、函館高専で「ジュニアロボットコンテスト2012」を開いた。児童がロボット作りに挑戦し、最終日には競技会を行い、出来栄えを競うイベントで、参加者は楽しみながら部品を組み立て、ロボット作りの魅力に触れた。

 小学生らにものづくりの魅力を伝えようと初めて企画し、市内の児童ら13人が参加。同校の電気電子工学科と機械工学科の学生が指導した。

 製作に取り組んでいるのは光センサーなどを搭載した高性能ロボットで、コースの色を認識しながら自動走行するのが特徴。参加者は工具を器用に使いながら組み立てていった。

 製作は5、12日も行い、最終日の13日には作ったロボットでレースも行う。東山小4年の堀岡璃久君は「学校で作るものよりも難しくて、上手にできるか心配。最後に走らせるのが楽しみ」と笑顔を見せていた。(松宮一郎)


◎鷲ノ木遺跡に「感動」 見学会に道内外から参加者

 【森】縄文時代のストーンサークル(環状列石)がある史跡鷲ノ木遺跡の第1回見学会(町教委主催)が4日、開かれた。

 ストーンサークルは祭祀(さいし)や儀礼が行われた神聖な場所であったと考えられており、広さは南北37メートル、東西34メートルと道内最大の大きさを誇る。

 この日は道内外から11人が参加し、同教委の職員が案内役を務めた。サークルを指しながら「石の数は600個以上で、石の隙間は人が出入りする入り口だったとされる」などと説明。高速道路の工事中に発見されたことにも触れ、「道路の幅が少しでもずれていたら見つからなかった可能性もある」といった秘話も明かしていた。

 札幌で埋蔵文化財の実測作業に携わる木下和子さん(52)は「初めて見たが、はるか昔のものがむき出しになっていて感動した。見に来て良かった」と話していた。

 次回は25日に開催。参加無料。申し込みは同教委TEL01374・2・2186。(後藤 真)


◎はこだて自由市場 8、9日に誕生祭

 「はこだて自由市場」(函館市新川町1)は8、9日の2日間、リニューアル16周年を記念した「誕生祭」を開く。人気の生寿し販売など多彩なイベントを用意し、市民の来場を呼び掛けている。

 8日の生寿し販売は午前10時開始。毎回開始1時間前から長蛇の列ができる人気企画で、今回もホテル函館ロイヤル寿司部、美な味、金八鮨、鮨政本店、鮨金総本店のすし職人が参加し、函館近郊の新鮮な魚介を客の目の前で握る。1パック5貫入り(ウニ含む)を500円で販売。300パック用意しており、1人2パックまで。また玉子の無料プレゼントも午前11時と午後2時の2回実施し、各回150パック限定。

 9日は午前9時と午後1時から「大くじ引き大会」を開催。特賞として、市場内で使える1万円お買い物券を用意。毛ガニなどが当たる「海鮮わなげ」も行う(1回100円、午後1時から)。

 また、駐車場の特別ブースでは8日に同市場名物の「毛がに汁」、9日に「海鮮やきそば」を振舞う。両日とも午前10時開始、300食限定(無料)。このほかにものり巻教室やキッズHIPHOPダンス教室、社交ダンス教室も行う。

 前直幸理事長は「楽しい企画が盛りだくさん。ぜひ市場においで下さい」とPR。問い合わせは同市場事務局TEL0138・27・2200。(金子真人)