2012年8月6日 (月) 掲載

◎躍動、興奮 港まつり閉幕

 函館市制施行90周年記念・開港153周年記念函館港まつりの最終日は5日、「函館ペリーボート競漕(きょうそう)」や「函館港おどり・いか踊り大会」などさまざまなイベントが行われ、盛況のうちに幕を閉じた。

 ○…大門グリーンプラザ前(松風町)では「函館港おどり・いか踊り大会」(同実行委主催)が行われた。一般市民のほか、引き続き開かれた「ワッショイはこだて」表彰式に出席する団体の関係者が参加し、実行委の山車を回るように、それぞれの踊りを楽しんだ。踊りの合間には「東北頑張れ」コールで、被災地にエールを送った。

 同表彰式では、受賞団体に対し、実行委の渡邉兼一委員長から賞状などが贈られた。十字街・松風コースのサマーカーニバルで3連覇を達成した函館市文化・スポーツ振興財団の中村慎吾さん(31)は「振り付けの先生や、踊りに参加してくれた皆さん、音楽、照明の演出者のおかげ」と喜んでいた。

 ○…函館港の旧シーポートプラザ前では市民参加ボートレース「函館ペリーボート競漕」(同実行委主催)が開かれ、企業や学生など一般と女子の部に計49チームが参加し、150bのタイムを競った。

 函館開港150周年記念事業(2009年)として始まり今年で4回目。1チームは漕ぎ手6人、ドラ、かじが1人ずつの計8人で、ドラの音に合わせ、漕ぎ手が懸命に船を進めた。岸壁からはレースを終えたチームからも「頑張れ」と声援が飛んでいた。

 レースの参加費の一部は東日本大震災の復興支援に寄付される。上位チームは次の通り。

 ▽一般の部@一心Aザ・レスキューBKOBAKEN・ザッパーズ▽女子の部@チーム海女さんAチャイニーズビューティーB上ノ国滝沢レディース▽仮装パフォーマンス部門=@麦わらの一味(道水)  (山崎純一)



◎国際民俗芸術祭 世界の文化堪能

 世界各地のアーティストが伝統舞踊や音楽を披露する「はこだて国際民俗芸術祭」(一般社団法人WMDF主催)のフリーステージが5日、元町公園(函館市元町12)で始まった。5回目となる今年は音楽や舞踊、各国の料理のほか視覚芸術が登場。大勢の来場者でにぎわっている。

 ステージ初日はインド、韓国、フランスなどの団体が出演。独自のリズムと掛け声に合わせた力強いステップ、木琴や弦楽器で音楽を披露するなど、各団体が熱いパーフォーマンスを繰り広げた。また、会場にはトルコのケバブやアイス、イタリアンホットサンドパニーニなど多国籍料理の露店がずらり。来場者は音楽が奏でられる中で野外料理を楽しんだ。

 北斗市在住の主婦(53)は「海を眺めながら音楽が聞け、最高のロケーション。料理もおいしい」と笑顔だった。6〜9日は午後4時〜同9時半。入場無料。問い合わせはTEL0138-51-5727。(平尾美陽子)



◎函館市介護保険事業計画 8事業者計542床応募

 第5期函館市介護保険事業計画(2012〜14年度)に基づき、市が広域型特別養護老人ホーム(定員30人以上)の200床分の整備・運営事業者を公募したところ、最終的に8事業者、計542床分の応募があったことが分かった。

 社会福祉法人を対象とし、5月中旬から7月末まで募集した。8事業者のうち、3つが100床の整備・運営の意向を示し、1つが60床。このほか3つが50床、1つが32床とした。

 第4期計画(09〜11年度)では、1施設50床分を条件に公募した結果、4事業者が応募。今回は施設数を定めずに公募していた。市介護保険課は「第4期は条件を限定していたが、今回は法人の意向で自由に応募できるため増えたのでは」とみている。  市内の広域型特養は現在、13施設993床。増床は増加に歯止めの掛からない施設待機者の存在が背景にある。

 一方、定員29人以下の地域密着型特養は圏域を限定して西部、中央部、北東部から各1施設を募集したものの、応募する事業者はなかった。収益性の低さなどが要因とみられ、同課は「想定外の結果だったが、今後の対応について早急に検討していきたい」と話している。 (後藤 真)


◎「大間で実験するのか」 森越氏が講演

 第12回私の「8・15、戦争」を語る会(地域で憲法を語ろう会主催)が5日、函館市乃木町会館で開かれ、大間原発(青森県大間町)建設差し止め訴訟弁護団共同代表の森越清彦弁護士(函館)が講演した。

 森越氏は、建設休止中の大間原発について、事業者の電源開発や国があきらめていないと説明。理由に@電力よりプルトニウムの処理が目的A政府のエネルギー基本計画の見直しで、原発依存度15%とする案が有力B核開発能力の維持に向け、原発技術が必要と考えている政治家がいる—を挙げた。

 大間原発の危険性について「フルMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)は実験炉、実証炉による検証がなされておらず、科学的とは到底言えない。なのに大間で実験をするのか」と強調。原発利権に群がる「原子力村」の存在に言及、利権分配がシステム化されていると指摘した。差し止め訴訟は今年秋にも3次提訴を予定、原告団は500人以上を目指す。

 語る会は、核や原発のない平和社会を市民にあらめて考えてもらう狙い。約50人が参加した。(山崎大和)