2012年8月7日 (火) 掲載

◎けいこ見学 迫力間近で 九重部屋の夏合宿始まる

 【福島】大相撲九重部屋の福島町夏合宿が6日、同町福島の横綱記念館で始まった。初日は力士10人が参加し、熱のこもった朝げいこに汗を流した。

 福島町出身の九重親方(元横綱千代の富士)の若手力士育成を応援しようと地域が全面的に協力し、毎年恒例の合宿となっている。九重親方は7日に、巡業中の関取2人も12日に来町する予定だ。

 朝げいこには多くの一般見学者も足を運び、ぶつかりげいこなどを見守った。佐藤善光マネジャーが「力を入れろ」などと大声を張り上げ指導。参加力士は四股やすり足などにも取り組んでいた。見学した同町の女性は「間近で見るとやっぱり体が大きく、ぶつかる音も大迫力だった」と話していた。

 朝げいこは19日(11日は行事参加のため休み)まで続き、一般公開は午前8時半から約2時間。入館料は大人500円、高校生以下250円。15日は朝げいこ終了後、30人限定でちゃんこ鍋が振る舞われる。(小杉貴洋)



◎道南農試 サツマイモ栽培法開発へ 産地分散化 高い道産ニーズ

 【北斗】道総研道南農試(北斗市本町)が、道内でも珍しいサツマイモ栽培の技術開発を始めた。冷涼な気候なため病害虫が発生しづらく、大規模栽培が可能な上、食品加工業者からは産地分散化の受け皿として道産へのニーズが高いことから有望と判断。道南発の技術により、道内での栽培定着化を目指す。

 サツマイモは、茨城県や鹿児島県など暖地での栽培が盛ん。地球温暖化に伴う気温上昇の影響で、道内での栽培は以前ほど厳しくないという。厚沢部町では焼酎原料に「コガネセンガン」を栽培しており、道南や道央では生食用「ベニアズマ」や「高系14号(金時)」の栽培実績がある。ただ、道内では研究事例が少なく、食味も道産は甘みはあるが、ホクホク感に劣ると指摘される。

 計画では、2012〜14年度に北海道の気象条件に対応した栽培技術を開発する。鹿児島、茨城など道内外の先進地を訪れて実態調査するほか、有望な約10品種について同農試や厚沢部などで試験栽培し、道内に向く品種を選定。栽培法の開発では、安定生産につなげるための施肥量や定植時期、保温処理、栽植密度、苗の挿し方などを検討する。

 また、道総研花・野菜技術センター(滝川市)が収穫後のイモの貯蔵法について研究する。

 同農試は20アールで「ベニアズマ」と「コガネセンガン」の主力2品種を作る。5〜6月に定植、霜が降りる前の10月中旬に収穫する。高濱雅幹(まさよし)研究主任は「全国出荷よりも道内需要を道産で賄うのが狙い。ジャガイモの収穫機を使用できる可能性があり、作業は大変ではないと思う」と話している。(山崎大和)



◎函館市の節電成果上々 本庁舎 目標上回る15%削減

 今夏の電力不足に対応するため、函館市が7月から本格的に始めた節電対策が順調だ。市役所本庁舎の7月の電気使用量は2010年同月比で15・1%減となり、目標としていた13%削減をクリア。市総務課は「多少の不便や我慢もあるが、職員の意識も高まってきた」と手応えを感じている。(森健太郎)

 政府や北海道電力は今夏の電力不足に備え、7月23日〜9月28日までの間、10年比で7%の削減を要請。市は独自に「節電行動計画」を定め、7月2日から市内251の公共施設を対象に10年比で7・9%の削減目標を掲げ、各種対策に乗り出した。

 市役所本庁舎では、10年比で13%削減の目標を設定。3〜8階の廊下を消灯したほか、1階市民ホールは水銀灯を約75%間引きしたり、テレビモニターも消したりした。事務室でもパソコンなどの電源管理を徹底するなど計16項目の対策を立てた。

 この結果、7月の電力使用量は14万5272キロワット時で、10年同月比で2万5776キロワット時の削減。料金ベースでは約32万円の節電効果が表れた。大量に電力を消費する冷房の使用は一昨年と同様に2回のみ。今年は本庁舎で開かれる各種会議でも汗をぬぐいながらの出席者の姿も目立った。

 市は昨年3月の東日本大震災後から節電を始め、冷房を使わなかった11年同月比では削減幅はわずかだった。市総務課は「防犯上も市民サービスの観点でも適切な環境ではない。あくまで一時的に不便はかけるが、継続してできることは続けたい」としている。


◎グッズで五輪盛り上げ 函館の店舗

 ロンドン五輪の熱戦が続く中、函館市内の小売店や飲食店では関連グッズや英国ゆかりのデザートなどを用意し、盛り上げに一役買っている。関係者は「4年に一度の機会。家族で、友人で選手に応援を」と話している。

 運動用品店のアルペン函館梁川店(梁川町15)では、先月下旬から大手スポーツメーカーの五輪Tシャツ(3000円台)、帽子(2310円)、タオル(1260円)を販売。「Tシャツの売れ行きが好調」(同店)といい、五輪終了後も陳列予定という。

 五島軒本店(末広町4)は、ロンドン発祥のデザート「ピーチメルバ」(525円)を数十年ぶりに復活。バニラアイスクリームにラズベリーソース、アーモンドスライスをかけたデザートで、日本人選手が金メダルを獲得した翌日に限り315円に値下げしている。「観光客に好評。金メダル獲得者が出れば限定50食分近く売れる」と同店。

 東急ハンズトラックマーケット函館WAKO店(若松町20)も五輪開幕の1週間ほど前から、外国の国旗がプリントされた既製品のマグカップ(1050円)を陳列し、ムードを盛り上げる。20カ国ほどを用意し、同店は「売れ筋はやはりイギリス。日本選手の活躍で盛り上がっているので日本のマグカップの売れ行きも期待したい」としている。(長内 健、鈴木 潤)


◎鳴海氏が福島町長選に出馬表明

 【福島】福島町総務課長の鳴海清春氏(56)が6日付で退職し、村田駿町長の死去に伴う福島町長選(8月21日告示、26日投開票)に立候補することを表明した。鳴海氏は「前町長のまいた種を引き継ぎ、町が生き残るために役割を担えるなら先頭に立ちたい」と意欲を語った。

 取材に対し、「今まで築き上げてきたものを消すわけにはいかないという思いが強くなった」と出馬の動機を語った。その上で、「雇用なくして定住はない。若者の生活基盤を整えることが定住への近道」とし、水産業振興による雇用の確保と充実、子育て環境の充実を掲げた。「町民の健康は宝」という観点からがんの予防対策などにも力を入れたいとした。また町民との情報共有を図り、「丁寧な行政運営を実践したい」と話した。

 鳴海氏は1956年、福島町生まれ。福島商業高校卒業後、同町役場に入り町民課長や総務課長などを歴任した。

 町長選には、町議の佐藤卓也氏(50)が出馬表明している。(小杉貴洋)