2012年9月12日 (水) 掲載

◎ANAなど函館PRへ中国成都の旅行会社を招待

 中国四川省成都市からの観光客誘致に向け、全日空(ANA)などは11日、同市の旅行会社のスタッフらを招き、プロモーション活動を行った。一行は市内の主要観光地をめぐり、函館の魅力を肌で感じていた。

 ANAが昨年6月、中国内陸部へは初となる成田—成都線を就航。誘客につなげるため、ANAとプリンスホテルが共同で同市の旅行会社を招いた。

 来函したのは旅行会社のスタッフ4人とANA成都支店の2人。東京、横浜、箱根を回った後、同日函館に到着。12日まで滞在する。

 到着後すぐに入舟町の「入舟番屋」に向かい、イカ釣りを体験。生けすのイカを釣り上げたり、さばいたばかりの新鮮なイカ刺しを味わったりした。

 その後、五稜郭タワーや箱館奉行所、函館山からの夜景を満喫した。初めて函館を訪れた成都中国青年旅行社の王莉さん(32)は「とても雰囲気がいい街。北海道といえば札幌のイメージだが、函館もこれから人気が出る」と太鼓判を押した。

 12日は朝市やベイエリアを散策し、東京に向かう予定。(松宮一郎)



◎棒二森屋で「大京都まつり」

 棒二森屋(函館市若松町)で11日、京都の名品を一堂に集めた「大京都まつり」が始まった。菓子や漬物をはじめ、工芸品など伝統ある品物を並べ、会場に京の風情を漂わせている。17日まで。

 同店の人気物産展のひとつで、今年で35回目。初登場7店を含む57店が出店した。

 1902年に創業した京漬物の「大安」は、今が出始めという千枚漬けやナス、大根の漬物を販売し、訪れた市民が次から次へと買い求めた。「野村佃煮」の香り豊かなちりめん山椒も人気を集めていた。

 八ツ橋やわらびもちなど京都ならではの菓子がずらりと並んだ。菓子店「高野屋貞広」は、落雁やゼリーなどで作った華やかな半生菓子を提供。好みで詰め合わせることができ、販売ブースの前に長い列ができた。

 初日のみ京舞の披露があり、来場者は芸妓の市福さんと舞妓の光菜さんの優美な踊りに見入っていた。(松宮一郎)



◎上磯小W快挙、吹奏楽部と合唱部が全国大会へ

 【北斗】上磯小学校(和高敏明校長、児童620人)の吹奏楽部と合唱部がそれぞれの全道大会で北海道代表に輝き、10月に行われる全国クラスの大会に出場する。厳しい暑さの中で努力を重ねてきた成果で、同じ音楽を楽しむ仲間として互いの健闘を誓い合う。両部は「力を出し切り、最高の演奏を」と、活動を支えている人たちへの感謝の気持ちを大舞台で響かせようと練習に励んでいる。

 吹奏楽部(佐藤嶺部長、部員68人)は、札幌コンサートホール「キタラ」(札幌市)で1日に開かれた第57回道吹奏楽コンクール(道吹奏楽連盟など主催)に出場。小学校の部には25校が参加し、金賞受賞とともに、第12回東日本学校吹奏楽大会(10月13日、青森県八戸市)出場を決めた。

 演奏曲は、吹奏楽の名曲「アルメニアン・ダンス・パートT」(A・リード作曲)。指導する高橋聡教諭は「音楽に対する情熱や互いに高め合う気持ちが強い子どもたち。5つのテーマが一つの場面につながる小学生にはとても難しい曲だが、この子たちならきっとできると選んだ」と話す。

 全道大会では「自分たちのできる一番良い演奏をする」と万全の状態で臨み、最高の結果を得た。佐藤部長(12)は「音程やピッチが合わないところもあったので東日本大会までに直したい。全道大会以上に悔いのない演奏をしてきたい」と気を引き締める。

 合唱部(濱谷さりあ部長、部員52人)は、8日に札幌市民ホールで行われた「NHK全国学校音楽コンクール」の全道大会(NHK札幌放送局など主催)に出場。9校が参加し、見事に金賞に輝いた。全国大会はNHKホール(東京・渋谷)で10月7日に開催。道南地区からの出場は1993年度の函館八幡小学校以来の快挙だ。

 4年生以上の部員35人で課題曲の「希望のひかり」と自由曲「こころのありか」に挑んだ。濱谷部長(11)と清水花恋副部長(12)は「課題曲は母音がつぶれないように発声と表現に気をつけた。金賞発表の時、(北斗の)『ほ』が言われた瞬間にみんなで喜んだ」と話し、「他校の分も背負って、代表として頑張ってくる」と意気込む。

 指導する飯田奈穂子教諭は「これまで先輩たちが積み重ねてきたことがいい賞につながった。NHKホールという大きな舞台でも上磯小らしい声を響かせてもらえれば」と話していた。

 ダブルの快挙を喜ぶ和高校長は「感謝の気持ちを持って演奏する子どもたちの姿勢に成長も感じている。大きな自信になるだろう」と話していた。

 合唱部の演奏は、NHK「Eテレ」で、道大会(録画)が9月30日午後2時から、全国大会は10月7日午後2時から生中継される。(今井正一)


◎アスベスト問題、全公共施設を再調査へ

 函館市議会第3回定例会は11日、一般質問を継続し、5氏が質問に立った。函館市内の学校で校舎などからアスベスト(石綿)の使用が判明した問題で、工藤寿樹市長は「(以前の調査が)かなり不完全だった」と認め、学校を含むすべての公共施設を再調査する考えを示した。

 今回の問題は、8月に行った学校の耐震診断調査で判明。市内4校で天井裏や柱などからアスベストを含む吹きつけ剤が使用されていた。2005年の全校調査ではすべて「処置済み」とされていたが、原則目視による調査で、図面上での使用の有無の確認漏れがあった。

 日角邦夫氏(民主・市民ネット)は、今回判明した函館中央小は05年調査でも別の個所のアスベストの撤去工事を行っていることを追及し、種田貴司市教委生涯学習部長は「目視による現場調査が基本で、建材などで囲まれている柱や梁などは発見できなかった」と答えた。

 また、市戸ゆたか氏(共産党)は前回調査から7年間放置してきた市の責任をただし、工藤市長は「図面の確認と目視を両方やるべきだった。しかるべく対応したい」と説明。この間の健康状態の追跡調査について問われた上戸慶一総務部長は「対象者の範囲や人数といった点でなかなか難しい」と述べた。

 市は9月から、都市建設部の職員約20人で学校や教育関連施設を含む市内約2000棟の再調査に着手。図面での確認を基本に、現地調査も併せた石綿の使用有無の調査を進めていて、「できるだけ早く確認作業を終えたい」(建築課)としている。

 一般質問にはこのほか、小山直子氏、見付宗弥氏、阿部善一氏(民主・市民ネット)が質問した。(森健太郎)


◎江差の風力発電、10月に全量買い取り移行へ

 【江差】江差町が51%株式出資する風力発電の「江差ウインドパワー」(森藤次雄社長)が、売電単価の高い国の再生可能エネルギー全量買い取り制度の移行手続きを踏む中で、契約解除に必要な北電側へ返済する過不足6億5〜6000万円について、浜谷一治町長は11日「分割払いで合意した」と明かした。10月1日からの新制度適用を目指す。

 11日開会の定例会の行政報告と一般質問で述べた。町によると、新制度で売電単価は現在の約4倍となり、同社が滞納する町への固定資産税の約3500万円(2010年と11年の2年分)について森藤社長が町に対し「来年3月末までに納入できる見通し」と伝えたという。

 また、町は財政規模に占める起債(借金)返済の比重を示す実質公債費比率が、2009〜11年度の3年平均で20・0%となり、前年度比4・3ポイントの改善で、町は「さらなる行財政改革の推進に努めたい」とした。

 同比率は過去3年間の平均値で、25%を基準に外部監査や財政健全化計画の策定を義務付けられる早期健全化団体となり、18%では起債発行に許可が必要となる。改行 定例会は会期を13日までと決め、一般質問に5氏が立った。(田中陽介)