2012年9月14日 (金) 掲載

◎イコモスの海外専門家ら垣ノ木、大船遺跡視察「素晴らしい」

 「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の登録推進本部が行う国際的合意形成促進事業の一環として、国際記念物遺跡会議(ICOMOS=イコモス)の考古学遺産管理委員会の委員を務める海外専門家らが13日、函館市の垣ノ島、大船の両遺跡を視察した。

 縄文遺跡の価値について国際的な視点から助言をもらうとともに、国内外への浸透を図ることが目的。同委員会による両遺跡の視察は初めてで、共同委員長のダグラス・コマー氏(アメリカ)ら4人が海外から訪れた。

 8月末の登録推進会議で追加での構成資産入りが決定的となった垣ノ島遺跡では、長さ120bに及ぶ盛土遺構を視察。高低差2b以上ある盛土の上に立つと一様に感心したような表情を浮かべ、写真に収めた。場所を離れても「他に盛土はないのか」といった声が上がっていた。

 一方、大船遺跡では復元した竪穴住居に高い関心を示した。実際に住居跡に入ると、長時間内部をじっくり見学。同遺跡に隣接する埋蔵文化財展示館では竪穴住居の土層断面などを見て、しきりに質問していた。

 視察を終え、コマー氏は「垣ノ島遺跡をまた発掘調査するときに見たい。2つとも素晴らしい遺跡だった」と賞賛。視察に同行した市教委の種田貴司生涯学習部長は「縄文の精神性をいかに知ってもらえるか不安だったが、ある程度分かってもらえたような感じがした」と手ごたえを示していた。

 両遺跡は今後、12月中旬以降に開かれる同本部で構成資産として正式決定することが濃厚となっている。(後藤 真)



◎新函館開業PR 今年はロングラン 新幹線対策促進機構、16日から東北・関東で活動

 函館商工会議所や市などの関係団体でつくる「北海道新幹線新函館開業対策推進機構」(会長・永井英夫商工会議所副会頭)は、今年も16日から東北と北関東地区で新幹線駅開業と函館観光のプロモーション活動を開始する。PR用に新たに冊子も作製。開業後の観光面での広域連携を視野に入れ、青森市と弘前市の情報も掲載した。

 同機構によるプロモーション活動は3年目。新幹線開業後の時間短縮効果が大きい東北から北関東地域がターゲットで、百貨店などで行われる北海道物産展に合わせて展開する。

 16、17日の栃木県大田原市を皮切りに、来年1月30、31日まで岩手、宮城、埼玉、東京、福島県などを訪れる。前回は8都市、通算13日間だったのに対し、今回は11都市、通算21日間にわたって実施する予定。

 配布する冊子は、「函館・青森・弘前 冬めぐり旅」。昨年までは函館の情報のみだったが、開業後の広域連携を見据え、青森、弘前両市の観光情報も掲載。A5判カラー16nで、1万1000部を発行した。同機構は「函館だけではなく、青函の魅力をアピールすることで開業効果を高めたい」と話している。

 同機構はプロモーション活動に力を入れる一方、7月には青森県の取り組みを学ぶ勉強会「新幹線開業はこだて魅力創造ゼミナール(はこゼミ)」を開講。市民の機運を高めるとともに、開業後のまちづくりの担い手を養成する事業も展開している。(松宮一郎)



◎「敬老の日」に贈り物いかが 市内店舗で商戦

 17日の「敬老の日」を前に、函館市内の大型店は秋物衣料や健康を意識した商品などの販売促進に力を入れている。残暑が影響し商戦の出足は軒並み鈍いが、各店とも15日からの3連休がピークとみている。

 棒二森屋(若松町17)は、一家だんらんを演出する弁当(3800円)の予約が好調。衣料は薄手のニットやカットソーのほか、ストールタイプのポンチョなどを7000円台で展開し、灰色や茶色といった「秋色」が人気だ。17日まで開催中の「大京都まつり」ではみやびやかな小物、工芸品などがずらり「函館にはない品々が贈り物にぴったり」(同店)で、幅広い世代の購買意欲を刺激しているが、「出足は全体的に鈍い。15日から本格化するのでは」と話す。

 テーオーデパート(梁川町10)は、一人暮らしのお年寄り向けにと、冷え性、肩凝り、疲労回復に効く肌着や寝間着を充実。「シンプルなデザインと淡いピンクや黄色が好まれている」(同店)といい、価格は3000〜5000円台。8月末から需要が増え、「売り上げは例年並み」(同店)だ。

 イトーヨーカドー函館店(美原1)は、厚手の秋物衣料をはじめ、寝間着やマッサージチェアなどの健康器具を多数取りそろえるが、「残暑の影響で全体的に売り上げはまだ伸びていない」(同店)。やはり15日からの3連休をピークとみて、販促に力を入れていくとしている。(長内 健)


◎あすからスタンプラリー 道南18市町巡ろう

 道南18市町でつくる「みなみ北海道観光推進協議会」は15日から、花と温泉をテーマにした「めぐってBINGO! 花・湯の華巡りスタンプラリー2012」を開始する。各市町の温泉や観光施設を回り、スタンプを集めると、各市町の特産品セットが当たる。同協議会では「紅葉と温泉を楽しみながら道南各地をぐるっと回ってほしい」と参加を呼び掛けている。  昨年に続く開催で、期間は2013年2月末までの半年間。応募用紙のA〜Iまでの9つのマスの中には自治体が2つずつ書かれており、いずれかの町を訪れてスタンプを押す。

 1列をそろえると、応募口数は1口、すべてそろえると8口分応募できる。奥尻町はボーナススポットで、同町を訪れてスタンプを押すと応募口数が3倍になる。

 スタンプの設置場所は温泉や道の駅などの観光施設。賞品として各市町の特産品のセットが90人に当たる。また、抽選にはずれた人の中から10人にペアの温泉宿泊券が当たるダブルチャンスもある。

 また、スタンプラリーに合わせ、四季の花々を紹介したパンフレット「花咲浪漫の旅」も発行。有名な紅葉スポットはもちろん、地元ならではの隠れた花の名所の情報も掲載している。  同協議会では「道南には雄大でドラマチックな紅葉と歴史ロマンあふれる18のマチがある。新たな魅力の発見にパンフレットを役立ててほしい」と話している。

 スタンプラリーの応募用紙とパンフレットは各地の観光案内所や主要な観光施設などで配布している。問い合わせは同協議会рO138・86・7033。(松宮一郎)