2012年9月15日 (土) 掲載

◎ロシア総主教12年ぶり来函 ハリストス正教会で感謝祷

 ロシア正教会の最高指導者、キリル総主教が14日、来日した。函館に日本で初めてロシア正教を伝えた聖ニコライの没後100年を記念し、初日は函館ハリストス正教会(元町)とロシア人墓地(船見町)を訪問。同日夕、東京へ向かった。総主教の函館訪問は、2000年の故アレクシー2世以来。

 午後2時10分ごろ、キリル総主教はロシア正教会関係者10人とともに専用機で函館空港に到着。工藤寿樹市長が出迎えた後、記者団を前に「聖ニコライが日本で活動した50年間で3万人が信者になった。当時の日本人が異文化を受け入れたのは大変特徴的なこと」と述べ、「仙台を訪ね、震災被災者と一緒になって共通の災いを克服できれば」とメッセージを送った。

 その後、聖ニコライの足跡をたどるため、函館ハリストス正教会(ニコライ・ドミートリエフ司祭)を訪れた。鐘の音が響く中、函館や札幌などの信徒50人のほか、函館の日露関係者など約100人が迎えた。

 聖堂内では聖歌が響く中、ニコライ大司教の函館における活動などに対する「感謝祷」が行われた。キリル総主教は「ここにいると、聖ニコライの心や、伝道の歩みを感じる。ロシア、正教会、日本の人たちの幸せに感謝する」と話し、ドミートリエフ司祭に対し、聖ニコライのイコンを贈り、参加者にもイコンのカードを贈った。

 終了後、キリル総主教は敷地内に昨年設置された、聖ニコライのイコンの碑を見学。関係者と記念撮影し、交流を深めた。 (山崎純一、長内 健)



◎今年もおいしいリンゴたわわに

  【七飯】七飯町本町の成田悌一さん(61)=同町果樹組合組合長=方のリンゴ園で14日、今年産の収穫が始まった。大きく実った果実を1個1個丁寧に摘み取った。

 同町は西洋リンゴ発祥の地。渡島農業改良普及センター(北斗市)によると、約40戸が約68fで作る。

 成田さんの園地は204e。収穫トップは早生種「未希(みき)ライフ」で、平年並みの収穫開始となった。成田さんは「味がのったおいしいリンゴができた」と話す。

 今後、「つがる」「早生ふじ」「王林」などと収穫が続き、主力「ふじ」は11月20日ごろ終了予定。七飯産の新ブランド「ななみつき」は11月上旬に収穫する。

 全国的には、青森や長野両県などで猛暑による日焼け被害や着色遅れが発生。生産量が落ち込む見通しで、相場は堅調という。

 成田さん方では、15日から庭先販売を開始する。(山崎大和)



◎厳しく品質チェック 今年産米の等級検査

 【七飯】JA新はこだて(畠山良一組合長)は14日、今年産米の等級検査を七飯基幹支店(七飯町本町、中川正支店長)検査場で始めた。町鶴野の工藤誠一さん(43)が生産した「ほしのゆめ」と「ななつぼし」を検査。水分含有量や整粒歩合などをチェックした結果、全量1等級となった。

 工藤さん方は約11fの水田に「ほしのゆめ」「ななつぼし」のほか、「ゆめぴりか」「ふっくりんこ」「きらら397」を作付け、順次、収穫作業を進める。今年は今月3日に「ほしのゆめ」の刈り取り作業を始め、「ほしのゆめ」を200袋(1袋30`)、「ななつぼし」を99袋(同)出荷した。

 同JA農産物検査員が各袋からサンプルを抽出。水分や整粒歩合、形質などを検査し、全て1等級と格付けした。工藤さんは「1等米を作るのに、いろんな努力をしており、ひと安心。ほかのコメも全量1等級が目標」と話していた。

 同JAの畠山良一組合長は「素晴らしいコメだ。タンパク値も低そうなのでおいしいと思う」と太鼓判を押した。

 今年産は高温障害が懸念されたものの、適切な栽培管理で被害もなく、収量は平年並みになる見込み。(山崎大和)


◎節電 目標を上回る8.9%

 政府と北海道電力による節電要請期間が14日、終了した。猛暑だった2010年の夏に比べ、7%以上の節電を求めたが、道内の最大電力需要の削減率は8.9%となり、目標を上回る結果となった。期間中は大きな混乱もなく、住民や企業も積極的に節電に努めたことから、計画停電を回避することができた。

 同社によると、期間中の節電目標だった最大電力使用量470万キロワットに対し、最大需要は463.3万キロワットだった。また、電力の余力を示す「供給予備力」が60万キロワット以下の「やや厳しい状況」となったのは17日間あり、発電所のトラブルなどが重なった場合、需給がひっ迫する危機的な状況だったという。

 石井孝久副社長は同日、札幌市内で記者会見を開き、「大変な不便と迷惑をおかけしたが、今夏の厳しい電力需給状況を乗り切ることができた」と述べ、道民の協力に対し感謝した。

 ただ、泊原発が再稼働する見通しは立っておらず、今冬も電力不足が予想されている。同社では再び節電を要請する方針だ。同社は5日、今冬の需給状況を発表。今後実施する新たな供給力対策を加えても依然、電力が不足するとの見通しを示している。

 北海道の冬は暖房使用などで夏場よりも電力需要がある。同社広報部では「今夏の節電効果を検証し、冬の節電対策などを発表したい」としている。 (松宮一郎)


◎屋台ずらり 市民でにぎわう 亀田八幡宮例大祭

 亀田八幡宮(函館市八幡町、藤山豊昭宮司)の例大祭が14日、始まった。この日は宵宮祭で、境内ではカラオケ大会が行われたほか、屋台を楽しもうと大勢の市民でにぎわった。

 屋台は、飲食物やおもちゃの販売、ゲームのほか、オートバイによるサーカスやお化け屋敷なども並び、市内の神社で行われる例大祭の中で最も多い。市内中島町の会社員、斉藤洋二郎さん(58)は「この日を迎えると秋を感じるが、今年は暑くて飲み物がおいしい」と話していた。

 15日は例祭、16日は氏子平安祈願祭などが行われる。市内を練り歩くみこしは、15、16の両日午前9時出発。15日は亀田本町、昭和町、亀田港町などを回る。16日は鍛治、中道、富岡町などを通る。  (山崎純一)